ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Henry Ⅷ:Chapter 6 The King's House

2010-09-02 23:22:12 | Kindle
Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle)
価格:¥ 1,734(税込)
発売日:2002-10-29

ヘンリー8世の生きた時代はちょうどルネッサンス期にあたり、文化的にギリシャ、ローマ時代への回顧が盛んで華やかな時代ですね。特にグロテスクという様式が好まれたそうです。(現在普通に知られているグロテスクとは意味がち~と違いますぞ。(^o^;) 詳しくはリンク先をどうぞ)

また華やかなタペストリーを飾るのも流行。ヘンリーさんは2000枚以上のタペストリーを所蔵していたとか。しかし高価な物になると、スキルを持ったタペストリー織りチームが3年程かかって織り上げます。ハンプトン宮殿に現存する最も高価なタペストリーは、ベルギーの高名な画家Bernard van Orleyの絵を元に全て絹と銀糸で織られているそうです。その他Seven Deadly Sinsをテーマにした3枚セットとか、ウルジー卿が持っていたThe Triumph of Petrachの4枚セットとか、Estherとか、The Story of Youth and the Seven Agesとか…。(何か急にハリポタ読んでるような錯覚に…(笑))

王様のおうちの話は床の敷物、蝋燭などの明かり、と、続きます。そして、王様の椅子! ヘンリーさんの椅子は最初は比較的シンプルでしたが、どんどん派手で複雑な物に変わって行ったようです。王様以外は決して座ってはいけない、王のクッションが置いてある時はその家具に寄りかかってもいけないのだそう。…まあ、大抵どこの国でも専制君主なら同じですよね。

で、王様の家具でひときわ豪華?なのがベッドです。ヘンリー8世はベッド好き(笑)でもあったようで、豪華な天蓋付きベッドを一杯持ってたようです。王妃様方も贅沢なベッドをお持ちだったようですが、ジェーン・セイモアは自分で刺繍した飾り付けも持っていたそうです。

王様はベッドカバーもシーツもぬかりなく贅沢で快適…と読んでて、この時代の王侯貴族って後々の産業の発展に貢献したよなあと思ってしまうののは私だけ? 今、私達が快適な寝具をたやすく手に入れられるのも、案外こういう人たちを支えた技術があってこそ、だったりとか。

ただ、実は超豪華なベッドは儀式用のディスプレイで、実際毎日寝るベッドは、もう少しシンプルなものだったそうです。な~んだ(笑)

お皿ディスプレイ用の食器棚というのがあって、高ければ高いほどお金持ち(^^;)なのだそうです。最も大事なのは、お皿、カップ、ゴブレット、大皿、…とここまではいいですが、塩! あ~当時は手に入れるのが大変だったのでしょうか。しかし、ディスプレイ用の食器を「いかに使わずに」お食事を提供できるかで、その家の懐具合がわかるのだそうです。(^^;)

ヘンリーさんは2000を越す食器をお持ちだったそうですが、現在殆ど「融けて」しまい、残っているのはたったの3つだそうです。王妃様方もそれぞれの家の食器をお持ちだったそうで。

ヘンリーさんはとりわけ時計を大事にしていたようです。17個の置時計、クリスタルにルビーとダイヤをちりばめた時計、鉛とメタルの掛時計、干潮満潮時計、全ての月日を惑星付きで見れる3本針のバラとザクロの飾り付きの時計(黄金の羅針盤かっ(笑))……、ヘンリーさんはこれらの時計コレクションを年に40回調整していたそう。…電波時計あげたいね。(^^)

その他の家具では、携帯用書き物机、というものが現存するそうです。
虚栄心旺盛なヘンリーさんは、自分を「よく見る」為の鏡も欠かせません。(笑)相当たくさんの鏡があったそうでございます。

また王様は時々移動するわけですが、これがまた大変。何百の召使いと家具や寝具も大移動。シャロットシリーズに、英国ではなくフランスの王様が英国大使館に滞在するシーンがありましたが、きっと大変だったんだろなあ。確かに(笑)想像つきますね。映画等では、王様が数十人の家来を従えて馬でやってくるシーンがありますけど、現実の移動はそんなもんじゃないのでしょうねぇ。移動先には、シャロットでもそうですけど、「王様を楽しませる方々」
も用意されたりとか……(おっと本からハズれた(笑))

移動手段は、男性王族は馬車、女性王族は輿が一般的でしたが、当時の道路事情は、古代ローマ時代の道が殆ど手入れもされずに放置され、天気が悪いと通行不能、ヘンリー7世ですら、どこかで道に迷ったという記録があるそうです。という事で水路が結構安全で衛生な移動手段で、ロンドン圏内であれば、船が好んで使われたそうです。テムズ川周辺に王様の施設が多いのはそのため。また映画やドラマで、ヘンリー8世やエリザベス1世が船で移動するシーンが多く見られるのも納得。

ヘンリー8世は、意外?(^^;)衛生に気を配ったそうです。元々古代や中世の英国の人々の生活はその点で結構ひどかった(汗)らしいです。ドハティ小説ではお約束、ロンドンや地方都市の恐ろしく(笑)汚い様子が描かれていますが、ヘンリーさんはまず身の回りをきれいにする所から、少しずつ改善していったようですね。

当時の宮廷料理人の実状はかなりヒドイものだったようです。料理人はほとんど裸同然で働き、調理用の暖炉にオシッコなんてザラ(滝汗)だったので、彼らにきちんとした服を買う為のお金が与えられ、オシッコはもちろん禁止。思わずホグワーツの厨房を思い出してしまいました。あそこもいろいろあったよなあ。。(^o^;)

…衛生状態についての記述が続きます。生ゴミを放置すると、犬を刺激するので、乞食に与えたというような記述。。。当時、犬は愛玩犬以外は恐ろしい動物として認識されていたんですね。現在、北海道辺りのハイキングコースでは、よく、熊を誘うのでゴミを放置しないようにと書かれていますが、同じ発想ですね。

ルールを守らない人は厳しく処罰されたそうですので、おそらく、衛生状態はかなり進歩したのでしょうね。ただし、熱い厨房での管理はまだまだままならなかったそうで。

衛生観念の発達により、香水も発達しました。ただし、手に入れられたのはお金持ちだけ。当時既に石鹸も生産されていたそうです。当時の石鹸は石灰と獣脂またはオリーブオイル。これもお金持ちの物、でしたが、大抵の大きな家では自作していたそうですよ。ベニスやスペインの物が人気だったとか。ただし、当時の服はほとんど洗濯不可。(^o^;) とりあえず下着だけは熱湯で洗っていたそうなので、まあまあ清潔だったみたい。

しかしどうにもならないのはやっぱり○○レ(^^;)ハンプトン宮殿の門の右側には2階立てで14個の椅子(個室とは書いてないねぇ)付きのトイレがあったそうですが、こういう場所は皆さん避けて通ったそうで…(そりゃ今もある意味一緒だよ)

長かったぜ~6章


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