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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 3-XII:The Last Debate (7)

2007-01-24 23:41:19 | Tolkien・HoME
本には,ここでローハンの歴代の王様の家系についてごにょごにょ書いてあるのですが,興味のある方は原書をご覧下さい。

<下書き>
G「(続き)‥そして,我々は急いでその墓場から出た。後ろから怖いもの迫っていて,もう耐えられない,気が狂いそうだ,と思った時,灯りが消えた。その後の1~2時間の事は殆ど覚えてない。這いつくばって進んだ者もいたようだ。そして,突然,水のしたたる音が。。。」

L「死者が我々に付いてきたんだ。我々の後を影のような人々,馬,旗などが,浮遊しながら付いて来た。『死者が付いて来ているぞ』と言うとエルラダンが『そうだ。死者が付いて来ている,行こう!』と言った。」

L「遠くで恐怖を知らせるベルが鳴っていた。全ての人々は我々の前から逃げ出した。しかし我々は,馬が疲れるまで急いで走り続けた。ギムリも疲れていたね。そして真夜中前に,暗闇の中をエレヒの丘に到着した。」

M「それって何?」

G「アラゴルンか兄弟達に訊いてみなさい。ゴンドールの古い知識だ。それは黒い石で,話によると遠い昔にヌメノールの滅亡の時に持ち込まれたらしい。その時,山の人々が西方人への忠誠を誓ったのだそうだ。しかし彼らはサウロンへ寝返った。イシルドアがエレヒの石の前にやってきたが,彼らは現れなかった。イシルドアは『もし我々がそなたらの黒の主人より強いと証明されれば,そなたとそなたの部下を呪ってやる。誓いを果たすまで決して心休まる事はなかろうぞ。』彼らはイシルドアの前から逃げ,サウロンとの戦いに出てこなかった。その後彼らは隠れ,死に絶えていたのだ。」
</下書き>

ギムリの最後の話は,後に,アラゴルンが,死者の道への出発前にレゴラスとギムリに話す事になるそうです。

<下書き>
G「(続き)しかしその後人々は,エレヒの石の周りに石の壁と塔を建てた,7つ目のパランティアが置かれたが,現在は無くなっている。塔は荒れ果て,壁は壊された。この丘には幽霊が出ると噂された為,長い間誰も近くに住んでなかった。

そこへついに我々はやってきた。エルラダンが銀の角笛を吹き,エルロヒアが旗を揚げた。それはまるで幽霊の息のようになびいた。周りは暗く,旗に描かれたエレンディルの星以外は何も見えなかった。
</下書き>

なんか,この話(エルラダンが‥,エルロヒアが‥)を見ていたら,何故その旗をアルウェン(当時はまだフィンドゥイラスだったのかな)が作ったのか,わかるような気がします。

HoME8 3-XII:The Last Debate (6)

2007-01-19 21:53:44 | Tolkien・HoME
<下書き>
G「(続き)‥黒い山稜に日が落ちる前に。(あ,ホントに文章の途中で終ってましたね,この前(笑))言葉でどう表せばいいのかわからん。血が凍るようだった。まるで敷居をまたぐように足を上げて入ったね。(ギムリは馬に乗せてもらっていたはずですよね,「原作」では)

そんな所に馬で行くなんて気違い沙汰だ。しかしアラゴルンが,やらねばならぬと言ったのだ。1時間毎に危険が増すからと。我々は馬を降りて進まなくてはならなかった。レゴラスと一緒でなきゃなかなか進めなかっただろうよ。あいつは歌を歌ってた。皆冷や汗かいて,それでも進んだよ。あ,馬達の事だ。馬達は主人が傍にさえいれば,とても忠実に頑張っていたよ。

エルラダンとエルロヒアが松明を持っていた。蝙蝠が飛んでいた。立ち止まると囁きのような声がずっと聞こえた。たまに何かの言葉のように聞こえたよ。何者も襲っては来なかったが,恐怖は増していったな。我々の後ろには何か見えないものが一杯いるのがわかっいて,誰も振り返れなかったんだ。

しばらくすると,忘れらない光景に出会った。道が広がり,広場のような所に出た。あまりに怖くて歩くのもやっとだ。左前方に何か光るものがあり,アラゴルンが松明を持って近づくと‥‥‥」
</下書き>

キャ~~~~(>o<;) アレ?ここで文が終ってる(笑)

ギムリはその後,鎧を着た骸骨について,正式版と同様に説明しますが,下書きではその後,アラゴルンの説明が入ります。

<下書き>
G「アラゴルンはこう言った。『これはブレゴの息子バルドールだ。黄金館の最初の後継者だったが,二度と戻らなかった。3番目の塚のEvermind(シンベルミネ)の下で眠るべきお方だったのに。彼は開かずの扉の傍でずっと眠っていたのだ。しかし彼が何を求めて此処に来たのか,その扉はどこに通じていたのか,今となっては誰も知らない。』」
</下書き>

正式版で何故アラゴルンがバルドールの名前を言わなかったのかについて,クリストファーさんは,この挿話が,セオデンがバルドールの事を話すシーンより前に移動したからだろうと説明してます。が,アラゴルンが名前を言わなかったのは,それが誰だか知らなかったからではなく,彼自身は,ずっと知っていたはずだと考えてます。

HoME8 3-XII:The Last Debate (5)

2007-01-17 23:41:58 | Tolkien・HoME
ここら辺は,どうも同じような話の繰り返しになるので,いちいち細かい事は書きませんが,ガンダルフは,西方人がいなくなり,野蛮な人々が増え,敵は憎しみを増大させる,と警告し,また,ファラミアから,指輪がモルドールの境界を越えたという情報がもたらされ,今は1時間毎に,恐れを抱きながらサインをチェックしている所だ,と,話します。

何のサインを?と訊くイムラヒルに,ガンダルフは「闇じゃ」と答えます。その闇は敵が人々に絶望を抱かせる為に発しているものだと話します。

この当時,サウロンは石(パランティア)を通じてデネソールの死を見ていた,と,ガンダルフが発言しております。

その時,ローハンの騎士がやってきて,エオメルに,アモン・ディンに残してきた兵からの話として,森の中の何かが,オーク達をサルン・ゲビアの川原まで追い払ったと報告してきました。

(‥これは,前からチラチラ出ている,エント達がオークを追い払った事をほのめかす話ですが,正式版では結局,エント達はそんな事はしていないんですよね。)

さて,ここで場面変って,お待ちかね,療病院内でくつろぐ(笑),レゴラス,ギムリ,メリー,ピピンです。

<下書き>
L「もう中つ国では平和を見る事はないだろう!」

G「そんな事は言わないでおくれ! 観る物は一杯あるし,やる事も一杯あるぞ。しかし賢い人達が皆Havensに行ってしまったら,つまらない世界になるなあ。」

M「もうすでにつまんないよ。(壁に座って足ブラブラ) 少なくても石の都に閉じ込められ,戦争に悩まされるホビットにはね。不思議な旅について誰かが話をしてくれても,他に話す人がいないんだよ。最後に見た時は角笛城だったね。その後馬鍬砦に行くと思っていたけれど,南から船で来たね。どうやって来たんだ?」

P「そうだ,話しておくれよ。アラゴルンに訊いてみたけど,彼は忙しくて笑ってくれただけだ。(→日本語的には,笑ってごまかされた,と言うべきかな(笑))」

L「長い話だ。それに思い出したくない事もある。死者の道には二度と行かないよ。他の誰でもない,ギムリの為に二度と行かないと誓うよ。」

G「私としては,恐れはもう過ぎ去った。しかし依然として不思議だ。まあ恐ろしい道だったという事は否定しないが。」

P「死者の道って何? 聞いた事ないな。」

G「それは山を突き抜ける道だ‥」

M「(割り込みっ)‥そうだ,遠くからドアを見たよ。馬鍬砦の上にあるんだ。セオデンの町とエドラスの背後の山の。高い山の上に,そこに続く石の列があって,ドゥイモルベルグと呼ばれている。そこには大きな洞穴があるんだ。しかし誰も入ろうとしない。ロヒアリム達は,彼らが来るずっと前から,中に死者もしくはその影がいると信じているんだと思う。」

L「彼らはそう言ったな。そして我々に行くなと言った。しかしアラゴルンはどうしても行きたがった。彼は恐ろしい雰囲気だった。そしてあの美しいお姫様,今そこで横たわっている,エオウィンが,泣いていた。実際,彼女は,アラゴルンに腕をかけ,行かないよう,懇願していた。彼は石のように動かず(he stood there unmoved, stern as stone),彼女はついに埃の中にひざまずいた。悲しい光景だったよ。」

G「しかし彼が動かされなかったとは思うのではないぞ。(But do not think that he was not moved.)  アラゴルン自身がとても悲しかったのだと思う。彼はエオウィンの手を取り,キスをした。その後我々は何も言わずに別れた。」(続く)
</下書き>

え~,またいつものダジャレ(^^;)ですね。上のレゴラスのセリフ,アラゴルンのunmovedは,物理的に動かない+心が動じない,の二重の意味ですが,それに対するギムリのセリフで使われるmoveは,心の方を言ってます。

レゴラスとギムリが語る,アラゴルンとエオウィンの別れの様子,いいなあ。。

HoME8 3-XII:The Last Debate (4)

2007-01-12 22:52:41 | Tolkien・HoME
フーリン(鍵の番人)「勝利ならそれでよろしいでしょうが,今何を目的とすべきか,まだ聞いておりません。単純に,ここに留まるのか進むかという選択なのでしょうが。もし賢い人々が留まる事に希望がないとおっしゃるなら,私は進み,破滅を受け入れましょう。掴まれてしまう前に少なくても一捻りは与えられますから。」

ガンダルフ「フーリンの考えを承認しましょう。それが私の意図した所です。これは武器によって勝利を得る戦いではありません。指輪を使うのは負けと同じ事なので使いません。私は,デネソール侯の仰られた通り,馬鹿みたいに,敵から奪われるかもしれない所へ指輪を送りました。私達の中からそれを取る者を出すより,偉大な邪悪に送ったわけです。しかしまだ戦いは続きます。希望がある限りは戦い続けなくてはなりません。我々はもはや武器によって救済される事はありません。今は慎重さより大胆さが必要です。まだ小さな希望はあります。サウロンはまだ指輪を奪い返してなく,我々と同じ恐れを持っているのです。我々が急ぎ,彼の恐れが強まり,彼の目が力を増せば増すほど,彼の危険は近づきます。それ故,この勝利をすぐにつなげ,全ての力を東へ向けるべきと思います。」

イムラヒル「しかし,慎重さは必要ではないですか。我々の側には体力のある馬も人も少ない。しかし敵方には北にまだ戦ってない軍勢もいます。都を空にしては燃やされてしまいます。」

ガンダルフ「確かに。東へ向かう軍勢はモルドールからの全ての攻撃に耐え得るほどの強大な物である必要はありません。挑戦するに足りるなら十分です。」

これらのセリフにもトールキンさんの考え方が伺えますね。何故希望がなくても進む事を決意したのか,ようやくわかりました。

ここで,この章の初期の構成についてです。ギムリとレゴラスが都に入り,メリーとピピンに会って「楽しい時間を過ごす」と,すぐに,イムラヒルとエオメルが降りてきてアラゴルンのテントを訪ね,ガンダルフ,エルロヒア,エルラダンと一緒に,すぐにミーティングが始まるそうです。(そうそう,原作はそうでしたね。(笑)→いや,映画でギムリが当たり前のように執政席でパイプを燻らしていたのを思い出したんで(^^;))

この章は,いよいよクライマックスに向けての「踏み切り」感覚程度で読んでいましたが(汗),実際に戦争を経験したトールキンさんの考え方を伺う事ができる重要な章だったのですね。

HoME8 3-XII:The Last Debate (3)

2007-01-12 00:09:29 | Tolkien・HoME
ガンダルフのイムラヒル大公への言葉遣いが。。。一応,丁寧にしておこう。

「とっくにその仕事をやっておくべきだった!」とイムラヒル。「気付いた時には彼は我々の想像をはるかに超えていた。彼を滅ぼすには集められた軍勢から叩かなくては。」
「その通りです。」とガンダルフ。「デネソール侯が見た通り,彼らの数はあまりに多い。従って,この戦いには希望はない。ここで待ち包囲に続く包囲をされても,川を越えて打ち負かされるにしても。まずは慎重になる事です。そうすれば少しは生き長らえる事ができる。しかし,この戦いに指輪が加わった。これは勝利を勝ち得る物です。」
イムラヒル「噂には聞いた事があります。これはサウロンの『1つの指輪』ではないのですか? もしそれを取り返したら暗い過去の時代のように強さを取り戻すと言う‥」
ガンダルフ「それは本当です。彼のみが以前より強くなる。海の向こうからはもはや助けは来ませんからのう。」
イムラヒル「しかしもし我々は指輪を手に入れそれを扱う事ができるのなら,どうやって勝利するのですか?」
ガンダルフ「1日ではできませぬ。しかし力ある者の所へ来れば,アラゴルンとか,ここの都の殿とか,エルロンド殿とか,私の所等に来れば,その者は力を得て,指輪の主となり,誰もが彼に従うようになります。そして誰も殺す事はできません。サウロンの心すら何でもない物になる。指輪の主は彼から全ての力を吸い取るでしょう。皆が彼を敬い服従するでしょう。サウロンも完全に征服されるでしょう。しかし,一方で,暴君が力を付けるのです。」
アラゴルン「そして,さらに悪い事には,彼は西方の知恵や財産を破壊してしまうのです。」
イムラヒル「では,指輪を如何に使うのですか?」
ガンダルフ(フーリンへ変更)「少なくても戦いに勝たねばなりません。モルドールの汚い君主ではなく。」
イムラヒル「ではたくさんのマークやこの国の騎士が名乗りを挙げるでしょう。しかし更なる知恵が必要です。勝利それ自身は無意味だ。ゴンドールが正義でないなら意味がないし,モルドールが邪悪でないなら,それは勝利だ。原文は,"Victory is in itself worthless.Unless Gondor stants for some good, then let it not stand at all; and if Mordor doth not stand for some evil that we will not brook in Mordor or out of it, then let it triumph." トールキンさんの戦争に関する考え方のわかる文章です。。

HoME8 3-XII:The Last Debate (2)

2006-12-27 22:59:19 | Tolkien・HoME
<メモ>
(続き)アラゴルンは真夜中にエレヒに行き,角笛を鳴らし(そして暗い影の中からと応答が),そして軍旗を揚げる。その星は暗い中で光る。彼は誰にも汚されないパランティアを見つける。3/9朝,エレヒを出発。Lameduin(ラメドン?)まで直線距離175マイル。行進は恐ろしい物だった。リンヒアに3/10到着。レベンニンを11日出発,急いでペラルギアへ。
</メモ>

その裏(つまり同時期に書かれた)に,フロドルートについてこんなメモ書き。

<メモ>
フロド救出。フロドは塔に裸で横たわる:しかしサムが部屋の端でエルフのマントを見つける。彼らは変装してその上にマントを羽織る。モルドールの中では影のように見える。
</メモ>

で,アラゴルンの話に戻ります。

<メモ>
アラゴルンはペラルギアへ全速力。影の者達も従う。ハラド人が慌てて逃げて行く。船を調達。もし彼が間に合わないとミナス・ティリスは陥落するので,急ぐ。その夜,山の影の者達は帰る。彼らは死者の道に戻り,その後再び現れなかった。3/13,レベンニンを出発。船が遅い。一生懸命漕いでます。(^^;) 3/15,南西から風。帆を上げてスピードアップ。ゴンドールの見張りたちは大慌て。彼は旗を揚げる。南東からの太陽の光が,旗を白い炎のように輝かせる。
</メモ>

船を漕ぎ出したはいいけど,結構大変で,風が出てきてようやく間に合った,というのは正式版にもありましたね。また,原作では,死者達は,ゴンドールに到着する前にお帰りになられておりますね。

この辺りの話は何度も何度も書き直され,編集するのが大変だったみたいです。確かに,話は,もちろん映画ではとても表現し切れてなかったし,本でも,この話は「力技」(笑)で入ってますよね。

さて,実はこの章のメインである会議の,冒頭部分のガンダルフのスピーチは,トールキンさんが療病院の章を書いていた時に,ついでにどんどん書いちゃったのだそうですが,正式版ではほとんど削られているそうです。

<下書き>
「各々方,執政殿はこうおっしゃられた。『戦え! 虚しさへ! ペレンノールで1日の勝利を得ても,しかし敵はどんどん力を付け,勝利する事はあり得ないぞ。』 絶望を与えるつもりはないが,これは事実と思う。西方人は少なくなった。そして広い土地は今や空っぽじゃ。野人(土着の人々?)達はあなた方を知らず,住む土地を求めてくるだろう。あなた方の戦いは,数だけの問題ではない。剣と槍,そして野人じゃ。敵は強大で邪悪な者じゃ。彼がその野人に憎しみを植え付け,人々を憎しみで支配する。そして彼らはもはや勇気や知恵で倒せる相手ではない。彼らは津波となって押し寄せあなた方を飲み込もうとしている。そうなったらどうする? 敵を倒す事を考えよう。」
</下書き>

HoME8 3-XII:The Last Debate (1)

2006-12-26 20:53:00 | Tolkien・HoME
最近は,章と章の境目を1日でやってしまう事が多いですが,今日も。。。
この所,短い章が続いておりましたが,この章,久しぶりに長いです。

まず,死者の道の話です。どこに入れるか問題だったようですが,とりあえず「ミナス・ティリスの勝利の祝賀会の席で」という予定だったようですが,ミナス・ティリスの勝利の祝賀会,というと,最終的な勝利? それとも,正式版ではそういうシーンはありませんが,療病院のシーンの直後位に予定されていたのでしょうかね?

まずは現在形で,メモっぽく書かれております。
<メモ>
アラゴルンは3/8の朝に,死者の道へ。彼らはブレゴの息子Bealdorの甲冑姿の骸骨を見る。(おっと,正式版にははっきりと書かれてなかったので,想像していただけだったのですが,やっぱ行方不明になった王子様だったのですね。(汗))

その日の夕方,黒根谷,そしてエレヒの石へ。これは黒い石で,言い伝えによれば,ヌメノールから運ばれ,イシルドゥア,アナリオンと,山の王との出会いの印との事。彼はエレンディルの息子達への忠誠と,未来永劫助ける事を誓ったのだそう。例え死んでも。石は壁で囲んで閉じられ,傍に塔が建てられ,パランティアが置かれました。そこには,長い間生きた人は来ませんでしたが,「死の王が出る」という恐ろしい噂が立っていました。(続く)
</メモ>

あ"っ! だから予言の詩に,「塔」という言葉が出てくるのね,一体どこの塔かと思っていたんですよ! しかしここには裏切り者という言葉はまだ出ていませんね。

HoME8 3-XI:The Houses of Healing (5)

2006-12-26 20:48:03 | Tolkien・HoME
次はピピンとBerithilの会話が変ってきます。

<下書き>
「見て,見て,Berithil! 殿は狂った物ばかり観ていたんじゃなかったんだ。殿がおっしゃっていた船が来るよ。一体誰だろう?」
「あ~~! 殿が絶望されたのがわかったぞ。あの船は知っている,ウンバールからのものだ。」
そして兵達は絶望にかられて騒いでいました。「海賊船(Corsairs of Umbar)!」
ピピンがっかりです。せっかく朝希望の角笛を聞いたのに。「ガンダルフはどこへ行ったんだろう? ‥アラゴルンは? 彼はどこ? ロヒアリムと一緒に来ると思っていたのに,そうではなかったし。‥Berithil,何かの間違いではないの? もしやアラゴルンが,折れたる剣を持って,やってきたのでは?」
「だとしたら,敵の船に乗ってきたという事か。」とBerithil。
</下書き>

この版でもガンダルフは,一旦療病院を出て,どこかに行っているのですが,アラゴルンが都に入っても戻ってなかったそうで,その理由も説明されてなかったそうです。

で,次の版で,ようやく,ガンダルフが出て行くのは,ヨーレスの名セリフ,王様の手は癒しの手,を聞いて,王が都に到着しているらしいから,と,言って出て行く事になります。

章の最後,the Warden of the Houses of Healing(後にエオウィンをファラミアの所へ案内する人ですね!)が,ガンダルフに「とても強い種族がいるものですね!」と言うと,ガンダルフは「強さ以上のものじゃよ。」

HoME8 3-XI:The Houses of Healing (4)

2006-12-22 23:41:25 | Tolkien・HoME
余談ですが,前回,セオデンにゴンドール式の防腐処置をしたという話を読んでいてある事を思い出しました。最後の王様エアルヌアが,魔王退治に出て行く時,父エアルニルの膝の上に置いた王冠を,アラゴルンに渡す為にファラミアが取りに行くというお話があるのですが‥‥。これについて,私はとっても気味の悪い光景を想像していたのですが。。。(汗) でも,「防腐処置」をしたのなら,それほどでもなかったのかな。(^^;) ‥でもやっぱり死体から王冠を取ってくるのは,気味の悪い行為には違いありませんが(汗)

さて。。
デネソール侯の「アラゴルンの知識」は,この頃大胆?にもパランティアから得られた(レンジャーが船に乗ってくるのを見ている)とありますが,やがてそれが変化して,ピピンとの会話から推測するようになったそうです。

TTTの最後というかサルマンの話(どうも映画でのあの扱い以降,あの話はどうもTTTという気がしなくなりましたが(汗))以来,ずっと思っていたのですが,パランティアのパワーについては,最初はより具体的に書かれていたのに,下書きが進むにつれて,だんだん謎に満ちた物に変っていくんですね。結局,パランティアってそんな力があったのか?と疑いすら抱くようになって参ります。

で,それに伴って,ピピンが,アンドゥインを上って来る軍艦を見て,デネソール侯は正しかった,アラゴルンだよ,とか,エレンディルの末裔,とか言っていた部分も削除されて,ただ単に,ピピンが「そんな気がした」と思っただけ,に変っていってしまうんですね。

ところで,初期の療病院での,ガンダルフとアラゴルンの行動がちょっと謎。ガンダルフはどこかへふらっと出て行って,またふらっと戻ってきて,で,既にエオメルやイムラヒル達と一緒に療病院にやってきたアラゴルンと合流。でも,正式版では,ガンダルフはここでヨーレスの話(王様の手は癒しの手)を聞いて,急にひらめいて,まだ外をウロウロしているアラゴルンを連れてくるはずなんですよね。

当時の,その話の変化の過程で,埋もれた原稿があるそうです。

<下書き>
「ロヒアリムと一緒に来たのかの?」とガンダルフ。
するとレゴラス「いえ,とても不思議な旅でしたよ。アラゴルンと一緒に死者の道を通りましてね。そして,最後には敵から船を奪って来たのですよ。ガンダルフ,あなたにニュースを聞かせるとは珍しい事ですね!」
ガンダルフ「確かに珍しいのう。しかし今わしはたくさんの事に気を遣わねばならぬ。それに悲しいのじゃ。疲れたのじゃよ,グローインの息子よ。今この戦いは最後の局面に来ておる。ああああ! 敵はいかに我々の善の心から悪を引き出すのかの! 都の殿は,黒船を見て絶望の中で自ら命を絶った。船の来襲とエレンディルの剣は都を救ったが,殿に絶望を与えてしまった。しかしわしはまだやる事がある。教えておくれ,アラゴルンはどこじゃ? このテントか?」
レゴラス「いいえ,アラゴルンは灰色のマントを着て秘密裏に都に入りましたよ。」
ガンダルフ「ではわしは行かねば。」
ギムリ「しかし,それなら教えて下さい。我々にこの苦痛を与えた若い友は一体どこに? まだ生きていると願いたいものだが。」
ガンダルフ「1人は偉大な事を成し遂げて,悲惨な状態じゃが,もう1人は傍におる。」
ギムリ「では一緒に行ってもよいですか。」
ガンダルフ「もちろんじゃ!」
</下書き>

ギムリの何とも無骨な暖かさが伝わってくる会話ですね。(笑)

HoME8 3-XI:The Houses of Healing (3)

2006-12-22 00:19:55 | Tolkien・HoME
という事で,いよいよ本格的に下書きにかかります。

<下書き>
彼(アラゴルン)はこの都に敬意を持って迎えられるべきじゃのう。エルロンドの英知はわしより優れておる。彼が来なければもっと悲しむべき事になってであろうの。ファラミアとエオウィンは生きておるまい。黒の総大将が全ての望みを無にするじゃろう。
</下書き>

<下書き>
「ミスランディアは賢く,腕が良いが,少なくても王ではない。」「(ミスランディアは)とてもよくやってくれましたわ。でもどちらかと言うと,人々に何をなすべきかを教えるのがお役目でしょう。」
するとガンダルフは飛蔭を呼び,出て行ってしまいました。

(ガンダルフどこに何をしに行ったんだ?)

しかしピピンとBerithilは,自分達はお役に立てないと気付いています。こういう時は子供達の方が役に立つのです。ベアギルと友達が控えていました。そこで彼ら(ピピン達)は城壁に上がって,外を見ていました。
戦いはまだ続いていましたが,既に遠くの方まで敵は退いていました。彼らには何が起きているかよくわかりません。しかし種族の中では遠くを見るのが得意なピピンは,軍艦を見つけて声を上げます。
「見て!見て!Berithil! 殿は完全に気がふれたのではなかったんだ! 本当の事を言っていたんだ。船だよ!」
「そうだね,でも殿が話していたのとは違う。私は彼らを知っているが,ウンバールだ! 聞こえるだろう!」彼らがウンバールの海賊だ!と騒いでいる声が。。
するとピピン「そうかもしれないが,私は亡くなった殿を信じるよ。アラゴルンだ。何故そんな所から来るのだかわからないけど,エレンディルの跡取りだ!」しかし誰も,Berithilも,彼の小さな声なんか聞いてませんでした。

でも彼の言った事は当たりでした。やがて都にもそれが知れ渡ります。人々は不思議がりましたが。やがて野原は血に染まり,血の様な夕暮れとなり,ペレンノールから勝利の知らせを持って軍勢が引き上げてきました。

アラゴルンとエオメルとイムラヒルも,騎士達を引き連れ都に近づきます。門に近づいた所でアラゴルン「見なさい! 炎のような日が落ちていきますよ!」
</下書き>

アラゴルンの,ここでの言葉(まだ王としては都に入らないつもり)は正式版と同じだそうですが,イムラヒルのセリフが変っているそうです。

<下書き>
「執政殿の親族の1人として敢えて申し上げますなら,殿のお言葉は賢い。しかし,ドアの前に物乞いのように立たせる事はできませんぞ。」

(は~~,正式版で似たような事言っておりましたね)

アラゴルンは笑って「ではやめておこう。軍旗を下ろし,印を片付けよう。」と言ってハルバラド(あれっ,生きてたの?‥と思ったら,すぐにエルラダンに変ったそうで(汗))に軍旗を下ろさせ,彼は王冠と星を取り,エルロンドの息子達に預けます。で,ガラドリエルの緑の石以外の飾りは付けずに都に入ります。「私はForodのレンジャーの大将として,来たのだ」と言って,‥入っちゃいます。

そして戦いの英雄達は,塔に執政様の姿を求めてやってきます。
</下書き>

ここでセオデンのその後描写がありますが,前回と変ったのは,彼の髪が伸び続けて「銀色」になった事,お墓から聞こえてきたのは現代語の英語ではなく,
Arisath nu Ridend mine!
Theodnes thegnas thindath on orde!
Feond oferswithath! Forth Eolingas!
と,古代のローハンの言葉でした。

Run!Run!Run!