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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 3-XI:The Houses of Healing (2)

2006-12-15 20:45:01 | Tolkien・HoME
前回ガンダルフがメリーに対してやっていた事を,正式版ではピピンがやっているんですね。微妙な違い(ガンダルフは自分でメリーを担げるけどピピンはできない,等)を味わうのも楽しいです。

でも,トールキンさんは,このシーンをまた考え直すようです。
<Outline>
ピピンは,半分目が見えず,おかしな状態の(でもhumorousではない)メリーを発見。メリーはsickhouseへ(ファラミア,エオウィン,メリー)
セオデン王は金に包まれ塔に安置される。ゴンドール式の防腐処置を施す。(え~と多分香油をつけてもらうんだと思いますが) そのずっと後にローハンに連れて帰るまで彼はずっと変らずあたかも眠っているかのようだったとか。ただし彼の白髪は伸び金髪に変り,その墓所からは黄金の川が流れ,何か危機に陥る度に
Arise, arise, Riders of Theoden
Fell deeds awake, Forth Eorlingas!
という声が聞こえてきたそうな。

大将達は都に戻って来たが,アラゴルンは野原にテントを建て,執政様にお会いしたいとメッセージを送る。しかし(ゴンドールの人達は)執政は自ら命を断ち,ファラミアは死の床にあると返事。すると彼はエレンディルのしるしを全て置いて,普通の人として都へ。アラゴルンはピピンとガンダルフに会う。メリーはどこかと尋ねる。エオウィンのニュースを聞き,エオメルとの再会を喜ぶ。
その夜アラゴルンは病人の看病を。ゴンドールの王は武力と癒しの力と両方を持ち,これが王としての印となる。ファラミアは目を開け,アラゴルンを見ると,お互いの間に愛情が芽生える。メリーも回復。
(あれ,エオウィンは。。。)
会議が開かれ,ガンダルフはデネソールの言葉は本当だと言う。敵との戦いに終わりはない。デネソール侯が指輪を使えばサウロンを倒せたかもしれない。しかしそうなれば,また別の邪悪が芽生え,サウロンが指輪を奪い返すのと変らない結果になるだろう。
ただ我々はまだ力を持っている,時間はない。サウロンは我々が指輪を持っていると思っている。。
</Outline>

この時既に,エオウィンを癒すのはアラゴルンの役目ではないと決めていたんですねトールキンさん。

もう1つ別のOutline。ん~~~? これはいつの話だ?

<Outline>
ミナス・ティリスの滞在と休息,そしてフィンドゥイラス(注意:当時フィンドゥイラスと言えばエルロンドの娘=アルウェンです)がやってくる。
ホビット達は,ローハンとセオデンの葬式,霧ふり山脈,裂け谷経由で帰宅。
サムは本を閉じ「これは昔々の話だよ。」

アラゴルンが王としてではなく,Forod公として,やってくる。
セオデンが安置されているのを見る。ガンダルフはどこだ? 彼はその後やってきて,セオデンの事と,ヨーレス(この当時Yorethと綴られています)からの伝言を伝える。
彼らは療病院へ。アラゴルン,アセラスを頼む。彼は病人達を治していく。ヨーレスはこの人は王に違いないと言う。

翌日,会議。ガンダルフの提言。メリーは殆ど回復したと感じる。会議でピピンとレゴラスとギムリは‥‥‥について話を。そして馬鍬砦でのエオウィンのアラゴルンへの告白について聞く。(レゴラスとギムリ,エオウィンのアレを盗み見したんでしょうかね?)そしてペラルギアへ行った話。
王達は東へ。1000のロヒアリムとドル・アムロス。モルグルを占領。罠と危険。
</Outline>

外人部隊ローハンの皆様,ご苦労様です。。

一瞬いつの話かと思いましたが,どうも,最初は,サムが「思い出」として後で語る事を考えていたようですね。

HoME8 3-XI:The Houses of Healing (1)

2006-12-12 20:46:45 | Tolkien・HoME
"Well, Meriadoc, where are you going?"

この章の最初の下書きは,こんな一節で始まったのだそうですよ。ですが,これを言ったのはピピンでなくガンダルフ。。。

<下書き>
「これはメリアドク,どちらへ行くのじゃ?」見上げると,目の前の霧が少し晴れました。そしてガンダルフがいました。狭い人気のない道で,手で目をこすり(この行為は何なんでしょうね?→He passed his hand over his eyes.)「王様はどこです? エオウィンは?」彼はつまずいて道端に座り込み,泣き出しました。
「彼らは塔へ行ったぞ。あんたは途中で寝ていて道を間違えたのじゃろう。疲れているようなので1つだけ,怪我はしておらぬか?」
「いいえ,‥いえ,してないと思います。しかし右手が使えません。奴を刺してから。剣が木のように燃えてしまいました。」
ガンダルフは慌てます。「なに,ではすぐ来るのじゃ。運んでいこう。歩くのは無理じゃ。彼らはあんたを置いて行くべきではなかったな。もっと敬意を示すべき所を。しかし彼らを許してやってくれ。ここでは恐ろしい事が起きているのじゃ。」
「許すって何の事です? 私が欲しいのはベッド1つだけですよ。」
「もちろんじゃ,しかし,さらに必要な物がある。」彼はとても困りきった表情になります。「わしの手には余るのう。戦いの後は嘆きじゃ。医者が必要じゃ。」
</下書き>

ここでこの下書きは終わり。トールキンさんは,また違う下書きを。。。

HoME8 3-X:The Pyre of Denethor (5)

2006-12-12 20:41:53 | Tolkien・HoME
<下書き>
「あ~~,しかしわかったぞ。やつの意思がどうやってこの都に入ったか。ずっと考えていたのじゃが,デネソール侯は己の力を熟知しており,この石を敢えて使おうとは思わなかったのじゃろう。しかしファラミアへの悲しみ,都の絶望的な危機により,そうするより他のなかったのではなかろうか。おそらく何か希望を見出したかったのじゃろう。しかしローハンからの道は隠され,南で準備されていた事を見てしまった。そしてやがて東へ引かれ,企てにかかってしまったのじゃ。モルドールの力が彼の心を絶望で満たしてしまったのじゃ。」

(ガンダルフ,優しい~~)

するとピピン「それは私が見た事と一致しますね。殿はファラミアが横たわる場所を離れ,戻られた時,私は初めて殿が老けて衰弱したかと思いました。」
Berithil「ファラミア様が戻られた時,たくさんの者が塔の上の部屋に不思議な灯りを見たと言っていました。」
ガンダルフ「ああ! 本当に,そのようにサウロンの意思が塔に入ったのじゃな。そしてわしはここに留まらされた。。。」
</下書き>

Berethilはピピンと城壁で話していた時に,「デネソール侯は,敵と格闘しておられると噂されている」とも話していたそうです。

HoME8 3-X:The Pyre of Denethor (4)

2006-12-08 23:21:36 | Tolkien・HoME
<下書き>
「しかし,執政を退く者が愛と尊厳を失ってもよいとは誰も言ってませんぞ。殿は,息子の意思を奪い,自らの傲慢の為に殺す事はできませんぞ。ファラミアをよこしなさい!」
</下書き>

この辺りから,ようやく"So passes the Stewardship of Gondor."が,"So passes Denethor son of Ecthelion."に変ってきます。また,"the houses of the sick"という色気も素っ気もない(笑)言い方が,"the Houses of Healing"になり,エルフ語も付きます。"Berin a Nestad",とか,"Bair Nustedriu",とか,"Edeb na Nustad",とか。(え~,結局どれになったんですか?)

また,細かい話ですが(笑),ガンダルフとピピンは馬で駆け付ける事になり,ガンダルフとBerithilがファラミアを運んで出てくると,その後ろに,ピピンと,頭をうなだれた飛蔭の姿が(かわいい~~(^^))あったそうな。そして,炎と共に執政の墓が崩れ去ってしまうのですが,(え?そうでしたっけ?(汗))

<Sketch>
ガンダルフは石(パランティア)について何か言わなくては。どのように塔に置かれ,王達のみに見る事が許されたか。デネソールは,ファラミアが帰った時,悲嘆に暮れてこれを見たに違いない。。こうして彼の狂気と絶望が始まった。こうして冥王の意思が入り,人々の決断を狂わせ,ガンダルフを都に押し留めた。これにかかった時間は1時間半で,8時頃? 彼らはナズグルの最期の悲鳴を聞く。その後ガンダルフとピピンは下に降り,セオデンとエオウィンを運ぶ行列に会う。ガンダルフは戦いに向かうが,ピピンはメリーを捜し,半分目が見えない状態の彼を発見。その後ガンダルフとピピンは城壁から戦いの様子を見る。アラゴルンが船で入ってくるのを見る。
翌日は会議をしなくては。アラゴルンの話を会議に入れるか? (Is any account of Aragorn's march put in at council?)
</Sketch>

最後の一文が面白いです~。多分,ローハンからここまでどうやって来たかという話の事だと思いますが,トールキンさん,これをどこにどうやって入れるか,ちょっと悩んだみたいですよ。(この本をお持ちの方は,XII章の冒頭を見ると,それがわかると思います。)

HoME8 3-X:The Pyre of Denethor (3)

2006-12-06 22:07:16 | Tolkien・HoME
会社に3日間塩漬けにしてしまいました。(^^;)

次の下書きで‥

<下書き>
ガンダルフがファラミアを運び出そうとすると,彼がお父さんをうわ言で呼びます,するとデネソールの目から炎が消えて,「息子を連れていかないでくれ。」しかしガンダルフは,彼は殿を呼んでおりますが,外に出て絶望を振り払い,死を覚悟して戦うしかありませんぞ,そして彼(ファラミア)は熱に逆らって生きようとしている,再会するチャンスはあるかもしれませんぞ。と諭します。(か,もしくはそうしないと二度と彼に会えないと)でもデネソールは「彼はもう二度と目覚めぬ,この家は崩れ去るのだ。一緒に死なせてくれ」と,嘆願。ガンダルフは「それはこの都の大公のでも他の誰の意志でもない。冥王に支配された異端の王達のように,自尊心と絶望の為に自らの命と家族の命を断つおつもりか。」

(多分正式版とそれほど変らないので詳しくは書きませんが。。)
ガンダルフはファラミアを抱えて立ち去ろうとしてます。デネソールは追いかけてきて未練たっぷりに息子を見ながら「少なくてもそなたはここまで私に逆らう事はできぬだろう」と言って松明を取って,油に浸した薪に火を点け黒い煙が上がるとそこへ飛び乗り,杖を折り,パランティアを抱えて横たわります。

ガンダルフは悲しみと恐怖の混じった状態(ま~偉大な魔法使いでもこうなると普通のオジサンですねぇ),しかしドアを閉めます。しばらく考え込んだ様子でステップの1番上にいました。しばらくすると炎の燃え盛る音とデネソールの大きな声,そして二度と人々の前に姿を現す事はありませんでした。And they heard the roar and crackle of the flames within; and then Denethor gave a great cry, and afterward spoke no more, nor was seen again by mortal man.

ガンダルフは"So passes the Stewardship of Gondor!"と言い,Berithilに「あまり過度に嘆かないように,皆正しいと思った事をやったのだから」,と言います。そして彼らはファラミアを病棟(houses of the sick)に運びます。
</下書き>

デネソールが「a great cry」をあげたという所,今までは,単純に,断末魔の悲鳴だとばかり思っていたのですが,‥それはやっぱしデネソール侯に失礼だったかな。最期に怒り狂って何かに立ち向かう雄叫びだったのかなあ?と思えるようになってきました。

彼の最期を見届けたガンダルフのセリフ,まだ「逝った」のはデネソール侯でなくStewardshipのままになっております。

でもこの下書きは,パランティアに関してはやけに冷静だな~と思っていたら,この後,ガンダルフがファラミアを連れ去ろうとして一瞬デネソールに止められた所の下書きがちょっと書き換えられます。

<下書き>
「しかし彼は今何とか高熱から立ち直ろうとしていますぞ。殿は外に出て絶望を振り払い,必要なら死を覚悟して戦わねばなりませぬぞ。よくわかっておられるはずじゃ。」しかしデネソールは笑って枕元からある物を取り上げます。何と!パランティアです。「自尊心と絶望! 白の塔の目は盲目だったと申すか! (追加:これは最上階に部屋に執政によって密かに保持されてきたパランティアだ。)いやいや,私はそなたが思っているよりたくさんの事を見ておるぞ,灰色のばかめが」
</下書き>

HoME8 3-X:The Pyre of Denethor (2)

2006-11-30 01:07:28 | Tolkien・HoME
全部現在形で書いてあるので思いっきり下書きです。

<下書き>
ガンダルフとピピンが武器の音を聞いて駆けつけると,Berethilが墓所に火を点けようとしているデネソールの家来と戦っていて,デネソール侯は彼らを中に入れるよう命令していました。
ガンダルフはすかさず中に入り,彼を叱責。しかし笑うデネソール侯,何と手にはパランティア! 彼は既にアラゴルンが来るのとモルドールに兵が集まるのを見ていて,自分はアナリオンの執政であり,成り上がり者に覇権を渡すつもりはないと言います。
ガンダルフはファラミアを渡すよう要求,しかしデネソールは彼を殺そうとします。「屈服する為に生かしておけぬ!」(汗;) ガンダルフは彼の手から剣を叩き落し,パワーを発揮。召使達にファラミアを運ぶよう命令します。
デネソールは「少なくてもまだ自らの命を断つ力は持っている。」と言って,油に浸した薪に火を点け,石のベッドに飛び乗って,杖を2つに折り,パランティアを両手で持って横たわりました。ガンダルフが扉を閉め,"So passes the Stewardship of Gondor." その後,もし誰かがパランティアを覗いたら,よほどの力の持ち主でない限りは,炎の中の萎れた2本の手しか写らなくなってなってしまいました。(追加:ガンダルフはBerithilと召使達に,悔みをしてはならぬと言います)
ファラミアを病棟へ運び,ガンダルフとピピンが道へ戻った時,ナズグルの最期の叫びが聞こえてきました。ガンダルフはしばし立ち尽くし「何か悪い事が起きたようじゃ。デネソールがおかしくならなければ避けられたのにのう。しかしあやつの意思が白の塔にまで入り込む事がわかったじゃろう。「石」からじゃ。あやつはデネソールを脅す事はできなかったが,絶望や不信や愚行で満たす事はできた。」
ファラミアがBerithilの許へ運ばれた頃,彼らは葬列に会います。「メリーはどこ?」ピピンはメリーを捜し始めます。
</下書き>

だいたい正式版と同じですが,デネソールは,何と,ファラミアを,自ら殺しちゃおうとするんですね。(滝汗) ガンダルフは,力を使ってファラミアを持ち上げるのではなく,デネソールに対してその力を使っております。また,彼の名セリフ"the heathen kings ..."も,この後で入る事になります。以前書きましたけど,私がかつて愛読していた太平記という歴史書で,まさにこの時のデネソールと同じ立場に陥った執権北条家の人達が取った行動を,どうしてガンダルフが知っていたんだろう?(^^;)と思わずドキッとした所でした。

さて次の下書きを読もうとしたら,その冒頭,
Gandalf leapt up on the faggots.
という文章に,思わず「ひぇ~~~~(*^.^*),誰がfaggotだって?!」とツッコミ,魅入られてしまったので,休み時間が終ってしまいました。(^o^;) トールキンさん,イアン・マッケランがガンダルフを演じると知っていたのか?(爆)

faggot
何故,薪束と同性愛者が同じ単語になるのか,日本人にはわけわからん。(笑)

HoME8 3-X:The Pyre of Denethor (1)

2006-11-29 00:04:28 | Tolkien・HoME
少しですが,とりあえず読んだ所まで。

VIII章では,デネソールは生きていて,アラゴルン達を出迎える事になっていましたね。でも,さっそく変更です。(デネソール侯が生きていた場合のお話も見たかったですけどねぇ)

で,その最初の下書きでファラミアを助けたのは,何とBerithil(ベレゴンド)です。ガンダルフがドアを閉め,"That ends a chapper! Let the Steward burn - their days are over."と言い放ったのだとか。(こわ)

でもその話はすぐにまた改訂され,今度はガンダルフが説得に当ります。デネソールは,自分は船を見た,成り上がり者に譲る気はない,私は暗黒の敵ではなく,アナリオンの家系に仕えた執政だ,と言ったそうです。

‥で,ここではまだそんなにはっきりとは出ていませんが,次はパランティアの存在をよりほのめかすような内容になっているようですが,長いし,時間なので,今日はここで終わります。

HoME8 3-IX:The Battle of the Pelennor Fields (2)

2006-11-28 23:54:51 | Tolkien・HoME
<下書き>
ドル・アムロスの大公は,すぐセオデンを都に運ぶように言います。彼はエオウィンを見てびっくり。「我々を助ける為にローハンから女性も来たのですか?」ローハンの兵達は,これはエオメル王の妹御様です,どうやっていらしたのかわかりません,こんな悲しい事はありません,と嘆いています。
</下書き>

このすぐ後,ドル・アムロスのプリンスにはイムラヒルという名前が付けられました。(また例によって何のためらいもなく(笑))
アンドゥインが南東の方へ曲がっていた為,ゴンドールの見張りは,(海賊)船が上がってくるのが見えたそうです。

船に乗っていたのは,アラゴルン,レゴラス,ギムリ,そしてハルバラドとエルボルン(まだエルラダンではないのね)とエルロヒア。この時初めてアラゴルンの旗にエルロンドの娘が宝石を織り込んだという記述があるそうですが,その娘の名はまだアルウェンでなく,(何と)フィンドゥイラス,だったのだそう。

The Mound of Mundburgの初稿では,エルフヘルムも討死する所でしたが(汗)彼は命拾い(笑)。この時既にエオウィンの名前が見当たりません。もう命拾いしていたのでしょうか?

HoME8 3-IX:The Battle of the Pelennor Fields (1)

2006-11-22 00:56:13 | Tolkien・HoME
The Fall of Theoden in the Battle of Osgiliathと題された「驚くべき」(by クリストファーさん)下書き。
<下書き>
セオデンは「進め!エオルの家の子達!」と叫んで走り出します。しかし彼に付いて行ったのはごく小数でした。皆恐ろしさに倒れこんでおりました。(??おいおいおいおい)

(それでも)彼の槍の前に多くが倒れます。ハラドの軍旗に近づいた時,突然彼は叫び声を上げて倒れます。矢が彼の心臓に突き刺さったのです。雪の鬣は倒れて動かなくなりました。

そこへ,禿鷹のような鳥に乗った黒い人影。青白い目のような光以外の顔は見えません。しかし王は一人ではなく,エオムンドの娘エオウィンがそこにいました。彼女は剣を持って立っていました。

「ナズグルと獲物の間に来るのではない。(その他ごにょごにょ)」と彼は言いますが,彼女は「私はお前など恐れません。私は彼も恐れません。彼とdwimor-lakes達の所へ行って伝えるがよい。お前達は女も怖がらせる力はないと。」鳥(はっきり「bird」だの「beak」だのと書いてあります。)は彼女に襲い掛かりますが,彼女は盾を掲げ,突然鳥の頭を叩き落します。(‥怪力(笑))

それを見てハラド達は慌てて逃げて行きます。首のない物体(^^;)は,唸り,鼻汁をすすり(首がないのに?)ながら,土を這い,黒い影も倒れて動かなくなり,力のない泣き声を上げて消えていきます。

エオウィンはセオデンに歩み寄り,「センゲルの息子セオデン様。しかしあなたは潮の流れを変えました。ご覧下さい,敵は恐れて逃げていきます。どんな王様もこのようなよい死に方はなさいませんでした。もうどんな汚い者もあなたのベッドを汚す事はありません。」

すると??の大きな音がして,ミナス・ティリスの兵もマークの兵も影から解放され,敵を追い払い始めました。
</下書き>

クリストファーさん曰く,これはおそらく初期の下書きでしょうという事ですが,ようやくセオデン,エオウィンとナズグルの戦いの詳細が初めて明らかになったわけです。ただしまだメリーの事は書かれておりません。

ちなみにクリストファーさんが何故「驚いた」かと言えば,初期の下書きでは,魔王は馬に乗っていたと記述されていて,なかなか空中には飛び出さなかったのですが,ここで突如,鳥に乗っていたので驚いた,という事です。

余談ですが,このエオウィンの話を見ていて,トールキンを語る上ではひょっとしてフランスは禁句か?(笑),でも,ジャンヌ・ダルクを思い出してしまいました。ジャンヌ・ダルクと言えば,奇跡の世界遺産モン・サン・ミシェルでございます。何が奇跡かって,‥‥あれ? そんな所にあったの? ミナス・ティリス ‥‥と思ったのは私だけ?

ところで魔王は最初「戦士や戦いの知識によって殺される事はない,しかしその勝利の時に,何者も殺した事のない者によって倒される。」と予言されていたのだそうですが,さすがに,『何者も殺した事のない者』は,正式版にはないですね。魔王に「男には殺せない」と言われて,エオウィンは最初は現代語(映画に近い)で言い返していましたが,次にはこのように変更されました。"Begone, if thou be not deathless! For living or dark undead, I will hew thee. if thou touch me." (^^;)

エオウィンの髪は,最初は「彼女の首の周りで輝いていた」だけですが,「彼女の明るい髪がほどけ」,それを見たメリーが思わず「何かしなくては!」 ‥‥あら,そういう事だったんですか。まったく,男って‥‥(笑)

そして魔王の悲鳴を聞いた他のナズグルが,バラド=ドゥアに知らせに飛んだ,という一文も入っていたのだそうですが,それは削除。‥ほう,私は覚えておりますだ正式版。ずっと後の方で,フロドとサムです。知らせに飛ぶナズグルを見ておりましたね。

メリーの剣について,塚山丘陵にあった物で,遠い昔ある人間が,魔王への恨みをこめながら,ゆ~っくり,作ったものだという記述が,もうここに入ってきます。

HoME8 3-VIII:The Story Foreseen from Forannest (2)

2006-11-21 00:15:43 | Tolkien・HoME
<Sketch>
(続き)‥彼らはモランノンで(そう言えば,黒門とは書いてない),エント及び,ロリアンの軍勢と合流。驚きと喜び。どうやら木の鬚は,ガラドリエルが送った鷲から,ロリアンが攻撃された事を聞き,猛スピードでローハンに入って敵を片付け,アンドゥインに戻ったのだそう。で,原作ではレゴラスがナズグルに矢を撃った辺り(原作でこれをやったのはレゴラスです,それもFOTRで,忘れないでね(笑))まで上がり,ロリアンのエルフ達と合流。
アラゴルンとエオメルが角笛を吹き,サウロンに出てくるよう要求。しかしサウロンは遣いを出す。(アングマールの魔王?) ミスリルをまとった遣いは,既にメッセンジャーのホビットを捕らえたと言う。何故知れたのか? ゴラムが訪れていていた事から推測?あるいはフロドがうわ言で喋ったか? 指輪の事でなく名前と出身地を。遣いは,ガンダルフを,自分が来ないで弱いメッセンジャーを送るかと嘲る。ガンダルフとアラゴルンの狼狽を見て取った遣いは,サウロンの申し出を受けない場合,彼はゆっくり拷問され,廃人になった頃に解放されるだろう,と言う。
ガンダルフは涙を流しながら,要求は?と訊く。遣いが,アンドゥインの西側の地域をサウロンに差し出す事や,エント達に従うよう求めると,ガンダルフは,まず捕虜をよこせ,と言う。承諾するのか否かという遣いに,ガンダルフは,ミスリルは思い出に頂こう,じゃが,他は一切渡せん。恐れおののくピピンとメリー,遣いは笑って,恐ろしい叫び声を残して,走り去る。その後,彼らはモルドールの軍勢に包囲され,ナズグルが襲い掛かってくる,その時,鷲達が飛来。。
その瞬間,指輪が滅びの罅裂に投げ込まれ,火山が噴火し,サウロンの作った物は全て壊れ去る。モルドール軍は大混乱になりキリス・ゴルゴルへ逃げる。
</Sketch>

ここもまた,細かい所で,え!,な所がありますね。メリーも参加していたりとか。(うむ,映画と一緒だ(笑))。サウロンの遣いは「口」ではなくてどうもアングマールの魔王っぽかったりとか。(お~~そう言えば! セオデン,エオウィン,メリーと,魔王の戦いは,まだ書かれてませんでした! これは非常~~に大事な所を見落としてました!)

ところで,この下書き,最後にさらに不思議な事が書いてあるんですよ。
<Sketch>
(鉛筆で)ガンダルフは指輪が炎に到着した事を知っている。サウロンは,突如その事に気付き,最後の瞬間彼の頭は戦いを離れる。(だからモルドール軍が大混乱になる)フロドを止めようとする。彼はアングマールの魔王を送る。筋書きは明らかだ?? 彼は石(パランティアの事)を破壊するつもりだ。そうすればオルサンクの石も破壊され,アラゴルンが死ぬ事になる。
ガンダルフは急いでグワイヒアをオロドルインへ送る。
</Sketch>

へぇぇ,裏にこういう事情があったんですか。何故モルドール軍があっという間にへたれになったのかずっと不思議に思っていたのですが,サウロンの集中力が切れたからだったのですね。また,バラド=ドゥアのパランティアが破壊されれば,アラゴルンの命もあぶなかったという事だったんですね。

‥という事で,結構びっくりの"Foreseen"でしたが,ここから清書しているうちに,またどんどん変ってしまうんですよね。(汗)

Run!Run!Run!