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ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME9 VI : The Steward and the King (1)

2007-04-16 23:40:36 | Tolkien・HoME
この章も前の章と同様,最初に下書きが書かれた後に,そんなに大きな変更があったわけではありませんが,細かい変更はたくさんあったそうです。

下書きの1つに,タイトルは付いてないけど,鉛筆で"Faramir and Eowyn"と書かれた物があるそうですよ。でも次の下書きにはやはり鉛筆で今度は,"The Watchers on the Walls"と,書かれているそうです。で,その次にようやく,"The Steward and the King"になったそうです。

初期の下書きでは,療病院の番人さんがこんな事を言うそうです。

<下書き>
「それはそうなるかもしれません,好むと好まざるにかかわらず。しかししばらくは,待たなくてはなりません。それは常に難しい事です。しかし,姫,やがて来るかもしれない暗黒の時の為に,時間の許す限り医者の言う通りにして,準備された方がよいと思います。」
</下書き>

このセリフ,似たような事を後にファラミアが言う事になるので,番人さんのセリフではなくなりますが,エオウィンの心をちゃんと見抜いているセリフですね。ローハンでは誰も彼女を止める事はできませんが,これはやはり,ボロミアの存命中は次男として兄を引き立て,父を引き立て,執政になれば王を引き立てる事が宿命付けられている(でも彼らの後ろに隠れているわけではない)ファラミアが言えばこそ,ですね。

フィンドゥイラスという名前は当時アラゴルンのお嫁さんになる人に付けられていました。では彼女の方は,どうだったかと言うと,Emmeril,Rothinel of Amroth,と変化して。最終的にフィンドゥイラスになったそうです。

エオウィンのあのセリフ,最初は"I love or have loved another."だったそうですが,それが"I hoped to be loved by another."に変わり,最終的に,"I wished to be loved by another."になったのだそうです。最初のやつは,エオウィンが積極的に相手を変えている印象になりますね。強ぇ,エオウィン!って感じでこれでもよかったかも(笑) 最終案は女の子らしくまとまっちゃいました。(hopeとwishの違い:hopeは単純な希望,ですが,wishだと,叶いそうもないけど。。というニュアンスが入ります。)トールキンさんの世代では,ここらが許せる女性像だったのかな。

初期の下書きの戴冠式は,
<下書き>
アラゴルンがひざまずきます。ファラミアとイムラヒルが2人で一緒に王冠を被せ,ガンダルフが肩に手を置いてアラゴルンを立たせると,皆彼をじっと見ています。そしてファラミアが「Behold the King!」と言い,彼の白い杖を折ります。
</下書き>

‥後の下書きでは,アラゴルンは杖をファラミアに返し「That office is not wholly at an end.」と言うそうです。(正式版は「That office is not ended, and it shall be thine and thy heirs' as long as my line shall last.」ですが)
そして,この頃から彼は自分の相続の為に働いてくれた人達から王冠を被せて欲しい,と,言い出し,最初は,フロドとサムが2人で被せたそうですよ。と,そんな経過を経て,ようやく,王冠リレーの末にガンダルフが1人で被せる事になったのでした。

HoME9 V:The Field of Kormallen (2)

2007-04-15 15:56:55 | Tolkien・HoME
ついに,The Children of Hurinが出ちゃいましたが,HoMEまだ終わっておりません。(^^;) でも今日は久しぶりに筆が進みましたよ。

<下書き>
最初にフロドとサムは別々にテントに連れていかれ,古い服を脱がされ(でもきちんとたたまれました)きれいな麻が渡されました。ガンダルフが子供のような騎士と一緒にやってきました。フロドとサムは彼を見て驚きます。彼は剣を持ち,エルフのマントとミスリルの鎖帷子を持ち,サムには金箔のコート,さらにフロドの右の中指にはめる,ミスリルでできた,宝石をつけた指輪を持っていました。でも,彼らが本当に驚いたのは,その騎士は,ピピンだったからです。「話を聞くのに何週かもかかりますだ。」と言うサムに,「でも今は祝宴の時間だからね,後でフロドはミナス・ティリスの塔にこもって,ノート取りだ。でないと,ビルボがっかりするよ。」
</下書き>

しかしこれは変更,ピピンはカットされます。(残念!)

<下書き>
ガンダルフは(1人でやってきて)フロドの中指に,細いミスリルの星のような宝石をちりばめた指輪をはめてあげました。準備ができたら,2人はそれぞれサークレットをして祝宴へ。そこには,王様になったアラゴルンと,エオメル,他の武将と,レゴラス,ギムリがいました。しかし,ワインを配りに来た銀と黒の服を着た,子供のような騎士にサムはびっくり。ピピンでした。ピピンは「祝宴が終わったら,まずガンダルフ(の話)だ,彼はもはや以前の近しい彼ではないよ,以前のように笑ったり,話したりしているけど。」

夜も更け,美しいイシリアンで,フロド,サム,ピピン,レゴラス,ギムリはじっくりお話。そしてガンダルフが「王様の手は癒しの手じゃ。しかしあんた達は,死の縁まで行った。まだ休養が必要じゃ。フロド,サムだけでなく,ピピンもじゃ。」
</下書き>

書記の下書きでは,祝宴の翌日にミナス・ティリスへ向かったそうですが,やがて何日か滞在する事に。皆,イシリアンのいろいろな所を訪ねて楽しんだようですが,サムだけは,じゅうの姿を求めて彷徨ったとか。彼は,ゴンドールが包囲された時,50頭ものじゅうがいたけれど,皆殺されたと聞いて,大変残念がったそうです。

さて,いよいよここから「The Story Foreseen From Kormallen」です。

<メモ>
ギムリ,ピピン救出の様子を語る。
船でゴンドールへ向かう。
メリー,ファラミア,エオウィンの話。
エレスサール王,戴冠式,Berithielの裁判。
ホビット達,結婚式の為に滞在,アラゴルンとフィンドゥイラス,ファラミアとエオウィン。
ホビットはエオメルと一緒にローハンへ。セオデンの葬式。
サルマンを訪ねる。恩赦。
裂け谷で。ビルボに会う。彼は年を取っている。つらぬき丸とミスリルをフロドにプレゼント。
シャイア,Cosimoとロベリア。ロベリアは混乱の中,発作を起こして死ぬ。サム,木を植える。1~2年静かに過ぎる。フロドとサム,末つ森へ。エルフを見る。フロド,Havensへ。ビルボにさよならを言う。
サムの本
</メモ>
ちなみに,この当時,フィンドゥイラスとはアルウェンの事。

クリストファーさんの解説。このメモは,この章が書かれた時のものだろうとの事です。ギムリがピピン救出の話をするって,ホントは正式版にはないんですけど,彼は,ペレンノールで?死体の山から救出された事になっていたそうです。そして,ファラミアとエオウィンの結婚について言及されたのは,この時が初めてだそうです。ビルボが年を取り,既にフロドにつらぬき丸やミスリルをあげた事を忘れているという記述も初めて。フロドがビルボにさよならを,というのは,え~~!?ですが。。。,

ラストについては,
サムとフロドは海の傍の緑の国へ行く,とか,
サムとフロドは年を取って西へ船で行く,とか,
いろいろ考えられたそうですが,1944年11月には,フロドは,ビルボ,エルロンド,ガラドリエルと共に,西へ発つという事になっていたそうです。だから,クリストファーさんは,上の「フロドがビルボにさよなら」は書き間違いでは?と考えているそうです。

サルマンについても,ラストはなかなか決まらず,放浪の魔術師になったとか(以前その話は見た事ありますね),オルサンクを出て以降行方不明になったとかのような話もあったようです。

HoME9 V:The Field of Kormallen (1)

2007-04-12 23:19:57 | Tolkien・HoME
しかし,LOTRの下書きとしては,ここからは注目ですよ。。。とは言っても,実はこの章もまた早いうちから決まっていたそうですが。。。,違いもあるようなので,覗いてみましょう。

ホビットの冒険にも出て来た大鷲が,グワイヒアという名(1951年にこの名になったそうです。以前はGwaewarとかでしたね)でシルマリルに出て来たThorondorの子孫である事は正式版通りですが,彼の兄弟の名がLhandrovalと難しい綴りになってます。
ちなみに,グワイヒアはWind-lordですが,LhandrovalはWide-wingだそうです。

初期の下書きでは,サムが目覚めて最初にガンダルフを見た時の驚きが入ってないそうです。(原作ですから,目覚めのシーンはサムです。(^^;))いきなり,
「昼? 何日の昼だ?」するとガンダルフ「新年の3日目じゃ。もしホビット庄紀年なら3月28日じゃ。しかしゴンドールではサウロンが倒れあんたが火の中から運び出されて以降既に新年じゃよ。」

「何着たらいいんです?」とサム。ベッドの下にたたんである,旅の間に着ていたぼろぼろの服しか見えなかったので。「ある物でよいがの。絹も麻も鎧も紋章も,それには及ばぬじゃろう。しかし,後で見ておこうかの。」(The clothes that you were found in. No silks and linen, nor armour or heraldry, could be more honourable. But afterwards we shall see.
実はこのガンダルフのセリフ,1966年までそのまま残ったのだそうです。つまり初版はこのまま出て行ったのですね。

ローハンの騎士達が贈った初期の賛辞はこうでした。

Long live the halflings! Praise them with great praise! Cuio i Pheriannath anann, aglar anann! Praise them with great praise! Hale, hale cumath, wesath hale awa to aldre. Froda and Samwis! Praise them! Kuivie, Kuivie! laurea'esselinen! Praise them!

吟游詩人の歌の後,アラゴルンは立ち上がり,皆も立ち,テントを準備して,食べ,飲み,楽しく過ごしました。フロドとサムはアラゴルンと一緒に王座から降り,ふと見ると,王のガードの服を着た小さな人物がいます。こんな所に子供? するとサム,「あれはペレグリンの旦那ですよ。我々以上に話がありそうです。全部聞くまで何週間もかかりそうだ。」フロド「そうだね,どこかに閉じこもってノートを取らないと,ビルボがっかりするよ。」

次回は,この辺りの書き直し,と,できれば,この章の最後についている,お楽しみThe Story Foreseen From Kormallenを紹介したいと思います。

HoME9 IV:Mount Doom

2007-04-11 00:02:44 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによると,お父さんは,指輪棄却のシーンは,他のシーンより早い時期からできていたのだろうと言う事です。(確かに,ビンゴの時代から,かなり近い下書きを見てきましたね) フロドはようやく滅びの罅裂に来るけれど,自分では棄てられず,そこへゴラムがやってきて,それを取って,自分もろとも落ちてしまう。。。

今いよいよ終りの近付いたハリポタと妙に重ね合わせてしまいます。すみません;ファンなもので。。そう,決まっているんだよね,1番大事なシーンは。。。

<下書き>
「旦那さま!」とサムが叫ぶと,フロドはサムが聞いた事のない,はっきりとした力強い声で
I have come. But I cannot do what I have come to do. I will not do it. The Ring is mine.
と言って消えてしまいます。サムは,はっとしましたが,その時たくさんの事が1度に置きます。誰かがサムを乱暴に叩き,足を取られ,頭を石にぶつけ,倒れてしまいます。
そして,遠くでフロドが指輪をはめ,その瞬間バラド=ドゥアが振え出し,冥王が彼に気付きます。怒りに火が付き,恐怖の黒煙が立ちます。軍隊は動きを止め,大将達は戦う意思を奪われ,国中の全てが震え出します。奴隷達は怖気付きます。しかし,全ての物が山の上の大きなパワーに曲げられ,叫びが起き,ナズグル達が一斉に滅びの山へ向かいます。。。
</下書き>

その他正式版と違いのある所と言うと,この章の始まりの朝,フロドが起きて,サムに"I can manage it, I must."と言った直後の事です。

<下書き>
彼らは穴から穴へ,北の方角から隠れるように進みます。フロドは,「これではあと1日か2日で疲れきってしまう。行かなくてはならないのなら,危険を冒してでも,道を行った方がよい。」

"I can't manage it. It is such a weight to carry, such a weight."の後,
サムはわかっていましたが,なにか励ましを,と思って「少し荷を軽くしましょう。真っすぐ登りましょう。どうしても必要でない物は持って行かないのがいいです。」 フロドはちょっと考えて「もちろん! 欲しくない物は置いて行こう。空身で行こう。」彼はオークの盾,兜,ベルト,灰色のマントまで捨てます。
サムはそんなフロドを見て哀れに思いました。
</下書き>

これが,サムが指輪を持ちましょうと言う話に変わるんですね。

クリストファーさんによると,指輪棄却により,サムは最初,また召使いに戻れる事を大変嬉しく思ったのだそうですが,これは削除され,ゴラムを許そうという話に変わったそうです。

と,いう事で意外?とあっさり終わってしまいました,最大のクライマックス。やはり,最も大事なシーンは最初から決まっているから,うだうだ下書きはないという事なんですね。。(最終巻発売を3ヶ月後に控えた時節柄,ついついため息ハリポタファンでございます。)

HoME9 III:The Land of Shadow

2007-04-03 23:43:17 | Tolkien・HoME
このパートは、すぐに正式版と殆ど同じになったそうです。ただ、フロドとサムがMorgaiで聞いたオークの会話が随分違うのだそうです。
<下書き>
何か違う臭いを嗅ぎ付けた小さいtrackerのオーク、叫びを上げると大きなオークの一群が来ます。彼は、山の方へ向かって何か知らない臭いがする、と言いますが,大きなオークは「鼻水垂らした鼻より目で見た方がいいだろう。」と言います。でもtrackerは,「何を見るんだ?」
</下書き>

クリストファーさんによると,この頃お父さんがどのオークに何を文句言わせるか,まだ決めかねていたそうです。

この章,かつて原作を読んだ時,先を早く読みたくて急いで読んだ所なので(汗),どこがどこだか覚えておりません,すみません。とりあえず,書いてあった事を簡単にまとめてみます。

<下書き>
フロドはサムの手を取って,「ガンダルフに脅されたけど,ガマにでもなった方が安全だったね。」と言います。サムは「ロベリアとCosimo(=後のロソ)が何か汚い事をしていると思いますだ。帰ったら厄介な事になりそうですだ。」するとフロドは「今そんな事を考えるべきではない。東へ,東へ,だ,西ではない。私達が捕まり,この潜行と苦行が終わるのはいつの事だろう。。」
</下書き>

クリストファーさん,ここでサムがこんな事を喋るのは興味深い(おかしい,とも訳せます)とツッコミ。何故ならガラドリエルの鏡で,シャイアの行く末を見たのは,フロドの方だから。

フロドが,サムにつらぬき丸と玻璃瓶を任せる,の下書きはこんな感じです。
<下書き>
「自分の手以外に持つ手段がないし,暗い所では必要になるだろう。サムの剣(原作ですから,塚山丘陵の剣です)をなくしてから,オークの武器を持っているが,この先誰かを討とうとは思わないので。」
</下書き>

<下書き>
フロドは,裂け谷でエルロンドにモルドールの地形を教わり,プランを立てていたのですが「他の荷物と一緒になくしてしまって,おぼろげにしか覚えてない。」という事で,覚えている所をサムになんとか説明しました。
</下書き>

ゴラムについての記述です。
<下書き>
サムは眠っているフロドの後ろにゴラムを見ます。もし体力が残っていたら飛びかかる所でしたが,ゴラムは気付いて後ろを向いてしまいます。サムは,ゴラムの青白く光る目に,狂気を感じました。
</下書き>

HoME9 II:The Tower of Kirith Ungol (3)

2007-03-30 00:35:07 | Tolkien・HoME
ぐずぐずしてたら、The Children of Hurinの発売まで1カ月切ってました。(汗) 急いで読まなくては。。。。

サムは、ラッキーにも簡単にキリス・ウンゴルの塔に入れて、まるでシャグラトかゴルバグが自分の味方をしてくれたみたい、と感じたようですね。誰も生き残ってないみたいだ。。。でも、本当に誰も生きてない? ここで慌ててフロドを捜し始めるサム。生き残っていた2人のオークが襲ってきますが、サムは1人やっつけ、もう一方は慌ててシャグラトに助けを求めに走りますが、シャグラトは怪我をしていて、死んだゴルバグの側に横たわっている模様。。。

次は塔脱出のシナリオだそうです。

そもそものこの争いの原因は、ゴルバグが、フロドのミスリルをくすねようとした所から。シャグラトは自分の役割に忠実に、バラド=ドゥアにメッセージを送ろうとして、フロドには薬を与えて尋問しようとしていたようですが、そこで争いの勃発。(以前からシャグラトはちょっといい子だなあと思ってました(笑))

サムは飛び出しますが、シャグラトはお宝を持ってLugburzの所へ。フロドが泣いているのを見てサムは追うのを諦め。
指輪の引き渡し、フロド「マントと○○(多分juwelだそうです)を無くした」ということで、オークの服を着る事に。
食べ物。オークはレンバスは取らなかったそうで。そして建物の中に井戸。水筒を満たします。(オークも飲むんだというのは印象に残りました。正式版はこことはちょっと違ったと思いますが、ちゃんとした水を調達してますね)

最後にサムがフロドを見つける直前に歌った歌の下書きがありますが、正式版とあまり変わらないそうですので、省略。ビル・ナイの歌声で"I sit upon the stone alone; ..."♪は、とても素敵で印象に残ってますよ!

HoME9 II:The Tower of Kirith Ungol (2)

2007-03-16 00:08:03 | Tolkien・HoME
キリス・ウンゴルの塔の前に来た時,原作正式版では,サムは倒れて気を失った?(そうだっけ?すっかり忘れてた(汗)確認確認。。。おっと,冒頭に書いてありました;)

最初の案では気を失ってはおりませんが,ここでトールキン父さん,にわかに「フロドが目覚めて戦う時間を作る為」,サムに時間を取ってもらおう,と決意したようです。(まあ,そんな計算も映画では無視されたようですが。。(汗))

サムはしばらく閉じられたドアの前で言葉を失って立ってましたが,急に狂ったようにドアに突進して,倒れてしまいます。どの位時間が経ったか,しかし,気が付くと,まだ周りは闇でした。

ホビット庄紀年で3月12日,フロドとサムがミナス・モルグルを抜けて3日目,その頃西側では,アラゴルンは黒船に人を集め,メリーはドゥルアダンの森,ミナス・ティリスは炎に包まれ,殿はファラミアのベッド脇に。。。。だったそうです。

ここで,トールキンさんのメモ。
指輪がそれが作られた炉から現れる。サムは自分が挑戦してはいけないとわかっている。とてつもない重荷で誰も助けに来ない事も。

次のアウトライン。
<Outline>
サムはシャグラトやゴルバグの仲間がどの位いるのか,何を争っているのか,と考える。「今だ!」彼は叫んでつらぬき丸を抜き,開いた門へ突進。すると何かシェロブの巣のような見えない障害物が。。実は,奥に2つの見張りがあり,それぞれ3つの体と禿鷲のよラな頭を持ち,足は内側と外側を向いている。サムはとっさに玻璃瓶を出す。一瞬見張り達の目が光ったが,彼らの敵対的な態度は,ゆっくり恐れに変る。

中は殺されたオークで一杯で,組み合ったままの者や,逃げたオークを撃っていて後ろから刺されたと思われる射手も。。
サムは幸い誰にも会わずに広間から階段を上がり,少し気分も盛り上がってきた。(続く)
</Outline>

HoME9 II:The Tower of Kirith Ungol (1)

2007-03-14 00:33:33 | Tolkien・HoME
正式版では、Cirith Ungolと表記されてます。
前の章の最後にもありましたが,1944年11月以来、トールキン父さんは、フロドとサムの話に戻るまで、3年以上かかったみたいです。

サムはキリス・ウンゴルの塔の全景を見て仰天。西からは塔のてっぺんしか見えませんが、東から見ると500フィートの高さの4層の建物が山の崖にへばりついて建っていました。上に行くほど細くなる作りだそうで。《必要以上に高く見えそう。実物を見てみたいですね》
サムは突如気付くのですが、この塔は人を「モルドールに入れない為」の見張り台じゃなくて、「モルドールから出さない為」の見張り台です。昔ゴンドール人がモルドール内部を見張る為に作った物でした。《なるほど。。》
でも、ゴンドール人がいなくなってからは、サウロンが自分の奴隷を見張る為に使っています。
サムは見れば見るほど嫌な風景と思って、指輪をはめて下っていきます。争う音。半分ほど降りた所で2人のオークが走って行くのを見ます。彼らはメインロードに出た所で倒れて動かなくなりました。誰かが門の影辺りから撃ったようです。サムはさらに降り、下層部の壁のレベルまで来ました。狭い角があり、よしよしと思ったら道がありません。どうやら。門に行く道は1つのようです。。

しかし、トールキンさんは、この時点では、ここでサムに指輪をはめさせてはいけないと思い、この下書きはボツになったそうです。

正式版では、指輪をはめて「庭師王サム」の妄想が入るんですね。

HoME9 I:The Story of Frodo and Sam in Mordor (6)

2007-03-02 00:18:51 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによると、トールキン父さんは、1944年から1946年までの長いお休みの後、ミナス・ティリス等のの、一旦捨てた章に戻ってきたみたいですね。
お手紙によると、1946年の後半、106とか107番辺りに「また始めた」とか「もうちょっとでお見せできそう。」とかあるそうで、まるでちょっと前のハリポタ7巻の状況を思い出します。(笑)こんな思わせ振りな状態が、さらに1948年頃までうじゃうじゃ続いたみたいで。。。今よりはのんびりした時代とはいえ、ホビットの冒険からのファンの人達は、本当に待つの大変だったでしょうね。

トールキン父さんがなかなか書けずに延ばしに延ばしたのは、もちろん、フロドとサムのモルドールの冒険部分。主人公やお気に入りのキャラを苦しめる話はどの作家も嫌みたいで、ハリポタもシリーズ後半は話が重いのでなかなか出て来ません。とりわけ、きっつ~いロスのある最初の巻は、出るのに3年かかったもんね。

これでようやくこの章は終わりですが、註の後ろの方に、アラゴルンに関する新しい話があるのでちょっとだけ覗いてみます。

ハラド人退治に関する話のようです。同じ内容の下書き3つだそうですが、不思議な話とか。。。

概略:アラゴルンは死者の道を抜け、黒根谷の谷に到着、角笛を鳴らし、死から蘇った王だと言って、人々を驚かす。皆を連れて出発し、戦いの矢を送り、エレヒの石へ向かう。それはLameduiとEthir Anduinの間にある。

2番目では、アラゴルンは陰のような男達が付いて来る事になってます。昼間は彼らは見えないそうで。そして彼はパランティアで見たのは事実→ハラド人がEthirにいて、レベンニンの人達は防御用の壁を作っている。アラゴルンは遣いを出す。。。。

HoME9 I:The Story of Frodo and Sam in Mordor (5)

2007-02-24 22:21:21 | Tolkien・HoME
<Outline>
11日未明にフロドを捕まえた後,シャグラトはゴルバグに,すぐにメッセージを送らないよう説得。何故なら,仲間(本物の戦士)がいるかどうかチェックしたかったので。オーク達は散らばって捜索する。サムは11日の夜ようやく道を見つけ,たくさんの家から成る小さな砦の崖に上る。

12日早朝フロド救出。シャグラトはメッセージをLugburzに送る。ナズグルが来て,ミスリルのコートと剣を受け取り,バラド=ドゥアへ。
フロドとサム,岩に隠れる。ゴルゴロス原は兵で一杯。横断はとても無理。ゆっくり北へ向かう。
</Outline>

また別の,フロド救出劇。
<Outline>
(IV)
フロド,10-11捕らえられる,3月12日,捕虜。(サウロンは東エムネトで,エントやロリアンのエルフ達に敗退した事にショックを受けていた)
しばらく暗黒の塔にはメッセージが途絶えていた。1つの理由として‥‥(解読不能)。フロドは服を脱がされ,ミスリルが発見された。シャグラト?はこれを欲しがり,ゴルバグがメッセージを出そうとするのを止める。最初は一緒に盗もうと嘆願するが,やがて争いに。シャグラトとゴルバグに仲間も加勢。その頃。サムはようやく道を見出す。争いはゴルバグが勝利し,シャグラト派は全員殺される。ゴルバグは,エルフのマントを見逃すが,ミスリルをバラド=ドゥアにメッセージと共に送る。彼自身の部下も残り少なく,しかも1人ではスパイが怖いというので,2人出す。《何か,かわいいなあ。。。(笑)》サムは残っていた2人を殺し,ゴルバグも殺して,フロドの部屋へ。フロドは裸にされ縛られていた。彼はオークにもらった解毒剤で正気を取り戻す。
</Outline>

シャグラトって,原作では,戦争が終ったらのんびり暮らしたいような事を言ったり,何か人間臭くて,好きなオークなんですよ。(笑) しかし,この辺りは,他のオーク達も,人間臭い様子が描かれておりますね。

Run!Run!Run!