日々の生活にみる驚きの中国

単身赴任中の中国(大連)で日々発生する“驚き”を強引かつ身勝手な比較文化で紹介。

あこがれの Made in Japan

2011年03月02日 | 比較文化
最近食料品の価格が世界中で高騰してきている。 中国では人件費、原材料、経費も・・・ 一方、工場生産品価格は下がる一方だ。メーカーの血を絞り出すようなコストダウン。 それでも足りずに、生産拠点を発展途上国に移転。 そこでは世界中の企業と激しいシェアー争いを展開する。 各種メーカーは、開発コストを回収することさえ難しく、昨日の敵と手を結び、共同開発へと進む。 薄型テレビは最たるもの。 スマートフォンも来年は半額以下になることだろう。

これまで日本製品は、単価を下げないために、商品発売後も、新商品として機能を段階的に付加し、買い替え需要を追求した。 むしろ初回の商品はあえて機能を抑えたとも聞く。 今はスピードの時代、そんなことをしていたら他国(多国籍)企業に市場を奪われてしまう。

いずれにしろ、日本人は高品質商品に囲まれて生活している。海外での生活はそのことを身にしみて感じる。  日本の製品は使う立場でよく考えられており、品質、デザイン、機能に支えられ、世界にも通用してきた。 商品としての完成度は群を抜く。 Made in Japanがいい事は世界中の人が知っている。 『日本ではこんな事はない。』 中国人には嫌がられるだろうが、つい使ってしまう。

ただ、それもある程度まで、やはり物には適正価格、限界もある。

数年前、100円ショップが登場する前までくらいか?? 『物は大切に使え』から“使い捨て商品”なる言葉を使いだし,その範囲が急速に広がってきた気がする。 大工さんが使うノコギリの刃でさえ使い捨てだそうだ。 修理を頼めば、買った方が安いと言われる時代。 確かに、修理するには全てが手作業になる。 こうなると使い捨てにならざるを得ない。壊れても安ければいい。この世界は確実に存在する。 問題は、ではテレビもそうか? 少なくとも車は違うだろう。

オーバーではないと思う、物を大切にするという日本の文化が変わってきている。

工場の生産機器はそうはいかない。海外の工場で仕事をして、修理とメンテナンスの違いを理解させることは重要だ。『壊れたから修理する。』『壊れないようにメンテナンスする。』 日本人のように、物にも愛着を感じるような文化はなく、使い捨ての感覚が強い中、ましてや会社のもの、特に気をつけなければいけない。

今や、日本のメーカーは品質を犠牲にして単価を下げシェアー(数量)を守る。 いいのだろうか?  ただ、日本で作るものはいいのだが、コストを下げるために海外から調達した部品が粗悪だとも聞く。

日の丸製品はシェアーを犠牲にしても、品質は守るべきでは。 ある意味、日本(国として)のいいところ、独自文化、他国(製品)との差別化、最終的には日本の国際競争力にはならないか? といっても、厳しい世の中、私も質より価格を重視する商品は少なくない。

そんな中で“リコール”実に難しい判断。メーカーの逃げ場はない。物作りに責任を持つということは大変なことだ。 せめて、憧れの Made in Japan であって欲しい。



数十年前、メーカーに入社したてに社長に言われた話を思い出した。
『100円で売られている爪楊枝のコスト計算をやってみろ』 
爪楊枝といえども、手が滑らにようにギザギザが入り、むろん先は尖っている。手作業でできるものではない。ただ、機械で作ったとしても

① 材料 (木を育て、山から運び出し、納品する規格に加工、運搬+利益)
② ケース (金型をつくりプラスチック加工、運搬+利益)
③ 運搬費 (販売拠点への配送、箱詰めもある+利益)
④ 販売費 (販売するための営業と店舗での販売費+利益)

んっ? すでに100円を超えている。 製造コストはいずこへ




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