先日、かつての中国語の恩師の卒業論文作りを手伝った。彼女は日本文化を研究し、日本人の宗教観、それがどう生活に影響を与えているかを掘り下げてゆきたかったようだ。日本語のみならずも、よく勉強しているとひたすら感心した。
私も比較文化に関しては専門分野。相手も日本語はもちろん、日本の宗教をしっかり研究しており話を進めるにあたり何の問題もなかった。二人で丸1日宗教観、文化、中国人と日本人等々を議論し、文章化していった。その過程の中で、日本人でありながらも改めて気づくことがたくさんみつかった。
結論の部分を一部ご紹介。
日本人は無宗教と自ら言う。(もちろん中国人もそうだが)ところが、、神道で言えば、初詣に行くではないか。神社に行ってお祈りし、お守りを買うではないか。仏教で言えば、お盆には帰省し仏壇の前で手を合わせる。除夜の鐘を聞いて年越しを実感する。この時点ですでに神道、宗教は生活に影響を与えている。
そこには、『神よ・・・』と言わないまでも、一人ひとり、“心の支え”、“よりどころ”があると言える。逆に言うと、車を買ったら神社に交通安全のお参りに行かないと気がすまない。お盆にはお参りしないと心苦しいと言う感じがする。つまり、お参りしたという時点で自らの宗教観において精神的安定を獲得している。つまりは“よりどころ”となっている。
中国人にはどうだろうか?
日本人のような宗教観はない。つまり心の支えがなく、親親族、親友にそれを求める。だからこそ、日本人から見ると異常なほど(?)大切にするのだ。こんな見方も出来るのではないか。親族以外は同級生、同僚であろうと皆ライバルと捕らえる。知らない人は警戒する。
物に対してはどうか。
安くていい。壊れたら買い直すだけのこと。手入れもいい加減なもの。一方日本人は、大切に使い、物に対して“愛着”さえ感じる。お気に入りの服は長く使用し、捨てる時には心苦しささえ感じる国民だ。無宗教といいいながら、やはり日本人の生活には神道、宗教はしっかり根付いているような気がしてきた。
日本においては多神教、汎神教である。それでなお、他の神(宗教)を否定することは無い。 『神よ・・・』と言いながら、スンニ派、シーア派のような、訳のわからぬ争いも無い。本来宗教を必要とするのは、人間の弱い部分を支えるため、つまりは心の支えなのだ。
それにしても、日本人は日本発祥の神道があったにもかかわらず、都合よく宗教を取り入れたものだ。
その宗教を教えたはずの中国には今は無い。経済発展はいいけれど、精神的成長、文化的バックボーンの構築には程遠いような気がする。先進国に仲間入りするとはそういうことだろう。元来歴史ある国、誇り高き民族であるはずの中国。その崩壊の原因を、日本人は簡単には理解できないだろう。
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私も比較文化に関しては専門分野。相手も日本語はもちろん、日本の宗教をしっかり研究しており話を進めるにあたり何の問題もなかった。二人で丸1日宗教観、文化、中国人と日本人等々を議論し、文章化していった。その過程の中で、日本人でありながらも改めて気づくことがたくさんみつかった。
結論の部分を一部ご紹介。
日本人は無宗教と自ら言う。(もちろん中国人もそうだが)ところが、、神道で言えば、初詣に行くではないか。神社に行ってお祈りし、お守りを買うではないか。仏教で言えば、お盆には帰省し仏壇の前で手を合わせる。除夜の鐘を聞いて年越しを実感する。この時点ですでに神道、宗教は生活に影響を与えている。
そこには、『神よ・・・』と言わないまでも、一人ひとり、“心の支え”、“よりどころ”があると言える。逆に言うと、車を買ったら神社に交通安全のお参りに行かないと気がすまない。お盆にはお参りしないと心苦しいと言う感じがする。つまり、お参りしたという時点で自らの宗教観において精神的安定を獲得している。つまりは“よりどころ”となっている。
中国人にはどうだろうか?
日本人のような宗教観はない。つまり心の支えがなく、親親族、親友にそれを求める。だからこそ、日本人から見ると異常なほど(?)大切にするのだ。こんな見方も出来るのではないか。親族以外は同級生、同僚であろうと皆ライバルと捕らえる。知らない人は警戒する。
物に対してはどうか。
安くていい。壊れたら買い直すだけのこと。手入れもいい加減なもの。一方日本人は、大切に使い、物に対して“愛着”さえ感じる。お気に入りの服は長く使用し、捨てる時には心苦しささえ感じる国民だ。無宗教といいいながら、やはり日本人の生活には神道、宗教はしっかり根付いているような気がしてきた。
日本においては多神教、汎神教である。それでなお、他の神(宗教)を否定することは無い。 『神よ・・・』と言いながら、スンニ派、シーア派のような、訳のわからぬ争いも無い。本来宗教を必要とするのは、人間の弱い部分を支えるため、つまりは心の支えなのだ。
それにしても、日本人は日本発祥の神道があったにもかかわらず、都合よく宗教を取り入れたものだ。
その宗教を教えたはずの中国には今は無い。経済発展はいいけれど、精神的成長、文化的バックボーンの構築には程遠いような気がする。先進国に仲間入りするとはそういうことだろう。元来歴史ある国、誇り高き民族であるはずの中国。その崩壊の原因を、日本人は簡単には理解できないだろう。
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