ターコイズ別館・読書録

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163 眠れなるなる宇宙の話 佐藤勝彦

2010-11-14 07:47:40 | さ行
 図書館より。宝島社。

 宇宙のことを中学生向きに書いた本。宇宙観の歴史に多くのページが割かれている。確かに天動説から地動説へのパラダイムシフトはおもしろい。ルターがコペルニクスを攻撃していたことも始めて知った。
 土星より外の惑星は、理論が先で発見が後だった。人類の英知を感じる。


#ところで、ブラーエは非常に傲慢で怒りっぽい人だったと伝えられています。貴族出身のブラーエは小作人にひどい仕打ちをしたりして、領地のひとびとから嫌われていたそうです。ついには国王の信頼も失い、晩年には国外へ去らなければなりませんでした。ブラーエの最期の言葉は「私の人生を無駄だと思わせないでくれ」といううわごとだったそうです。

#当初は冥王星よりも大きな天体を格上げし、太陽系の惑星は全部で十二個になることが提案されました。しかし天文学者からの反対が相次ぎ、逆に冥王星を格下げするという決着になったのです。
 ローウェルやトンボーの出身国アメリカでは、アメリカ人が発見した冥王星への愛着が強く、惑星からの格下げに対して国民から広く反対の声が上がりました。また(略)「プルート」が「評価を下げる」とか「降格する」という意味の動詞として使われ、二〇〇六年の流行語大賞になったそうです。

 惜しむらくは味も素っ気もないイラスト。なんだこのやっつけ仕事。