ターコイズ別館・読書録

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45 印欧語の故郷を探る 風間喜代三

2008-01-15 21:42:00 | か行
 岩波新書。
 岩波らしいハードな本である。印欧語という言葉を聞いたことがない人には厳しい。

印欧語がどこから来たのか、それを説明する各説について、通時的に述べている。ヒトラーの第三帝国の補強としてゲルマン説が唱えられ、その後しばらく故郷論が停滞していたというのが印象的だ。

 筆者は、これ以上ない繊細さをもって結論を避けているが、カスピ海と黒海に近い、南東ヨーロッパ説を最も有力としている。