ターコイズ別館・読書録

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176 フーミンのお母さんを楽しむ本 柴門ふみ

2010-12-25 07:34:09 | さ行
 図書館より。PHP文庫。

 柴門ふみに人はどんな印象を持っているのであろうか。大ヒット作家。お茶大出の才媛。文章を読むと理詰めの理系に感じられる。私が読んだ最新作(?)『小早川伸樹の恋』では面倒くさげな描線が目立った。ネガティブですみません。

 この本を読んで目からうろこが落ちた。子供に対して100%の愛情を注いでいる。かわいくて、楽しくて、仕方がない。幼児の娘と赤ちゃんの息子に、心から出会えてよかったと思っているのだ。

 子供と接しているのは楽しい。私の場合、それをウェブに書こうと思っても忘れてしまうことが多い。あまりにも些細なことだからだ。それを著者は見逃さない。
 こちらは子供に早く食事をして欲しい。子供は「おかあさん、わたしのあしはゆかについているでしょうか、ついていないでしょうか」なんて他愛のない質問をして進まない。なんて屈託のない。

 スパイスとして夫ヒロカネさんが効いている。漫画ではあえて悪相に描かれている。メディアでは『島耕作』の作者として日本経済について論じているのに、ここではボックスティッシュや缶詰が安かった、と喜んでいる。