ターコイズ別館・読書録

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182 フレディから学んだこと 日野原重明

2011-01-08 07:55:04 | は行
 図書館より。童話屋。

 著者は日本でもっとも有名なお医者さんの一人。
 前書きに「童話屋に電話をして」なんてあるから童話作家を揶揄してそう言っているのかと思った。出版者の名前なのね。

 前半は著者の音楽劇の台本。フレディだダニエルだと片仮名の名前ばかりで、女の子はバレエを習い、葬式にはフォーレを歌う。西洋的だ。と思わせておいてクライマックスでいきなり「良寛が『うらをみせ……』と詠っている」とお坊さんが出てくるから仰天する。

 後半は著者の哲学的随想集。生死について突き詰めているのがよくわかる。「日本人の死への対応」で「無関心型、楽天型、現業型、あきらめ型、ゆりかご型(運を天に任せる)、覚悟型、受容型、対決型、恐怖型、逃避型」の十に分類しているのが興味深い。

 最後の読書の感想で、「死が怖くなくなりました」と子供も書いているが、私は底まで悟れない。ずっと恐れていくのかもしれない。