ターコイズ別館・読書録

――図書館へ行こう。

49 言葉の心理作戦 多湖輝

2008-02-28 06:11:12 | た行
 ごまブックス。

 昔買った本だが、「女性の三迷」「緊張をやわらげるにはその状態を言葉に出す」「相手と価値判断が違ったら、質問者になる」「人を発奮させるには疑問形を」「数字の端数は信用を増す(91万円貸してくれ)」など、いつの間にか自分の知恵となっているものが多い。
 初版は1972年。

 ドッグイアー。
#人が自分の考えや意志を相手に伝えるには、相手との目の距離が30~50センチになったとき(略)いつもの半分の声で話すことである。(鈴木健二)

48 詭弁論理学 野崎昭弘

2008-02-25 21:45:51 | な行
 中公新書。

 前作、『詭弁論理学』が楽しかったので買ってみた。前作は、いきなり余談だが、遊びに来た友達が「譲ってくれ」と言ったので譲ってやった。

 しかし今回は半分理解できたかどうかいうところだ。「アキレスと亀」「ガリレオのパラドックス」「自己言及」までならなんとか追いつけるが、カントールまで出されるともう駄目だ。

#十五世紀のドイツの問屋では、荷箱の中の荷物の重さが、規定より多ければ+という印をつけ、規定よりも少なければ-という印をつけたそうです。

#もしパリをびんの中につめることができるならば、1たす1は5である。(略)
 これは、「前提がまちがっているときは、どんな結論をつけても、ウソをついていることにはならない(論理的には正しい)」という数学者の習慣によれば……(略)

47 洒落者たちのイギリス史 川北稔

2008-02-11 19:33:03 | か行
 平凡社ライブラリー。

 むかしイギリスでは「身分の低い者は毛布とさらししか身に着けてはいけない」という決まりがあった。輸出を減らすため、下層民に舶来品を禁じる上流階級が、舶来品を競って求める皮肉。衣服の流行を規制することはかなわないのだ。

 「羊が人間を食う」で知られる羊毛ブームは、さわやかでプリント可能なコットンに追いやられる。すなわち生産の舞台はインドに移り、イギリス本国はまた貧しくなってしまう。

 こういう日常生活をよく調べるものだなあ。

 ドッグイアー。

#服飾史の用語では、なかば自然発生的に数年から数十年かかって起こる変化を、ドイツ語を使って「トラハトTracht」とよぶ。
 

46 身につけよう! 江戸しぐさ 越川禮子

2008-02-10 08:32:32 | か行
 ロング新書(KKロングセラーズ)。

 腰巻きによると、「社員教育に、学校の授業にとり入れられ始めています」とのことだが、ずいぶん未整理な印象である。話の内容が行ったり来たり。
 でも、廊下で道を譲らない人には、この本を読ませてやりたくなる。

 ドッグイアー。

#(返事は一回)「ふたつ返事」というのは、ためらうことなくすぐ承諾することで、意味が違います。

#三つ心 六つ躾 九つ言葉 十二文(ふみ) 十五理(ことわり)
 世辞と言っても、(略)「おべんちゃら」などとは違って、「さようでございます」「お寒くなりました」「今日は天気が良くて気持ちがいいですね」といった共感する大人の言葉です。