京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の崩壊時間」

2019-06-28 09:43:10 | 時計修理

6月28日金曜日。
大阪大変、京迷惑!大阪たこ焼きサミットのおかげで売上・交通事情は大混雑。
大阪から暇じゃ~暇じゃ~の大合唱です。週末の売り上げはあきらめムードで早くも敗北宣言。
それでも何とか今月の支払いをすべて終わりほっとした朝です。

隣の工事、異常気象など何かと外的要因で大変だった6月。
来月は祇園祭で始まり祇園祭の神輿洗いで終わるので売り上げは期待できない。

昨日カシオG=SHOCKフロッグマンの電池交換を預かってしまい大失敗。
加水加工時代のG-SHOCKは樹脂が溶けるのだ。
裏蓋を開けるために保持器にセットしたとたんグズグズと樹脂が崩れてきた。
20年ほど箱に入れて保存していたそうで預かったときは新品状態、お返しした際にはベゼルは見事に崩れ落ちていました。
お客様に説明して何とか納得してもらったが作業台は樹脂の破片ゴミでべとべのまま掃除が大変でした。
昔大切に保存していたスニーカー。いざ使う場面で底のゴムが崩れた思い出がある。残念!

カシオの設計者は猛省してほしいが所詮7年で使い捨てられる電気屋さんの生まれ。ライフサイクルに15~20年まで先のことなど考えたことはないのだ。
逆に時計師の場合、3代90年使えて当たり前の感覚がある。
国産製品の中で長寿命ではヤマハSR400/500シリーズ、ホンダ・カブくらいか?
時計業界は異例なのかと思う。
昨日、いきなりベゼルの崩壊には本当に驚いた。同時に物つくりのモラルの崩壊でもある。

基本的に工房は次の世代に使ってもらうための修理、保存の仕事。
カルティエ・タンク、ブルガリ・スネーク、エルメス・クリッパーなど3世代目に入ってきました。
当然パティック・フィリップ、バセロン、APは4世代目に入る。
明治天皇御用達のパティックは令和天皇に引き継がれたことでしょう。
時計はコストパフォーマンスが安いのが常識でした。ロレックスでも価格を使用年数で割ると年間5000円以下になる。

ちなみにアンティークの場合、19世紀最大の生産地イギリス・コベントリの時計産業が崩壊してアメリカへ移った歴史があります。
イギリス製のアンティーク時計は買い!スイス時計は売り!がアンティーク仲間の常識で当たりまえ。

イギリス製は丁寧で大量生産前の手造り芸術品が多い。逆にスイス製はイギリス製のコストダウンのコピー品が多かった。
いまの日本製と中国製の関係のような状態でした。
その後20世紀のクオーツ時代が始まると俄然スイス製品は高級部門に差別化集中化してして生き残った。
19世紀はイギリス、アメリカ物、20世紀はスイス物を買いましょう。

今日からG20。大阪たこ焼きサミットが始まります。各国首脳の左手に目が行きます。
ハラハラするのがアベノおぼっちゃま。
令和天皇の即位式など今までトンチンカンの失敗をしてきただけに目をつぶりたくなるのは覚悟する。

今日は金曜日。時計はポケットに入れて遊びに行きたくなる日。
そのまま洗濯機に入れてしまうことが多い。水が入った時計は冷凍庫に入れて凍結させます。
その後、都合のいい日に冷凍庫から取り出して工房に持ち込むのが常識です。
最近スマートウオッチなどがあるので例外も出てきた。
とにかく6時30分まで受け付けていますので迷ったらお越しくだされ~。










コメント
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