京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のうたかた時間」

2019-06-07 09:31:56 | 時計修理

6月7日金曜日。旧暦「京の端午の節句」五月五日。
私はちょっと昔は子供だったので旧暦の「子供の日」の柏餅がぴったりとくる。
今では誰にも怒られないで酒たばこが買える。
タバコは10年前に止めた。ギャンブルは仕事だけ、今日も危ないカルティエ、ショパールにチャレンジします。

酒、たばこと続いて女遊びがある。男の理想!
以前下半身にあった脳みそがいつの間にか頭に移動していました。
仲間内にまだまだ下半身に残っているのもいるし、チェロの大先輩カザルスは80歳のころ20歳代の嫁を貰った。
さぞや大変だろうと思う。

明日から夏のボーナス商戦の始まりです。
高額商品から売れます。
「女性には未来を見せろ!」「男性には過去を誉めろ!」「オヤジには息子を褒めろ!」
ところが売り場では女性に過去の売れ筋を説明、男性には今後20年は大丈夫などと言ってしまうから客は逃げてしまいます。

未婚の女性に将来公園デビューするアイテムでカルティエ、ブルガリ、エルメスは欠かせないのだ。セイコー・ルキアよりクレドールになる。
若い男性に未来を見せても将来嫁さん子供を抱えて苦労する。長年勤めてやっと自分の世代になると目の前から突然年金政策も破綻、年功序列は消える。
こんな未来を見せる時計はいらない。過去の良かった時代ロレックス、オメガ、ホイヤーの物語で満足します。

ひと昔、「高等遊民」という憧れの種族がいました。今では「引きこもり」と社会のごみのような扱いの数ランク格下げになった層です。
今ではオヤジから刺されてしまったり危険だ。
「高等遊民」は時計業界に多かったのだ。
ヨーロッパ滞在費一日2万円の給与と親、祖父からの支給で豪華な3ポケット生活ができる同僚たちが普通にいた時代。
親が代々地域一番の時計屋だったりする。
私の場合、立命館大学卒、日本中からこぞってやってくる貧乏学生があふれていた大学でした。
衣笠校舎に向う貧乏学生は壮大な社会現象。貧乏人でも大学に行けるうれしさがありました。
同じレベルの苦学生ばかりなので自分が貧乏だとは気が付かないのだ。

お風呂は週に一度、チャーハンにライス、焼きそばに大盛りご飯、醤油ご飯で生活しながら病気の親に月々3万円を仕送りする。
アルバイト時間給500円の時代だ。
教科書、専門書はもちろん何世代か使った先輩たちのありがたい残留物を使う。
私が卒業するときもどこから現れたか貧乏後輩が鍋、スプーンまですっかりお持ち帰りいただいた。

そこを何とか卒業して社会人になるといきなり「高等遊民」社会の常識を見せつけられる。
別に働かなくてもいいのだがとりあえず親が決めた会社だという腰掛気分で入社。
私のように爪一つだけひっかけてよじ登っていた下層階級とが違うのだ。
小説では「ボンクラおぼっちゃま」のスタイルでかかれる層だが現実は非常に優秀でした。
レストランのマナー、航空券の手配、スーツの数、シャツの保有数などなどびっくりするほどの差がある。
語学会話のスキルもレベルが違う。
炭鉱町で育った私にとって仲が良いのは華僑の中国人か在日朝鮮人くらい、経済的に不安なく育った人たちは初めて出会った文化の違いがあった。
ちなみにレストランでは料理と同額のワイン費用の予算を用意するなどの当たり前の知識はない。
もちろんメニューが読めないし高いか安いかすらわからない。
オリーブオイルの高級品バージン・オイルが合わないので毎日のようにお腹を壊してさまよっていた日々だ。
貧乏人はサラダを食うな!もったいないのだ。

「今日は旧暦・子供の日」昔子供だったオヤジ。時計と思い出は古い物に限るね~。
今週末!今日から夏の商戦の始まりです。
「20センチと♪10センチ~ろうそく灯して行けますか~立派に行ってもどれます~♪」ダンディーおじさん。
この歌をつぶやきながら時計サイズ調整。計るのは二回、切るのは一回で決めましょう。

今日も6時30分受け付け7時閉店で御待ちしておじゃ~る。





コメント
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