京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のおつり時間」

2019-06-11 09:10:36 | 時計修理

6月11日火曜日。
明日は図書館で田辺聖子さんの作品を借りてこようか?この訃報にはまいった。
「ジョゼと虎と、、」の本は引っ越しの際になくした。
山崎豊子、田辺聖子氏二人とも逝ってしまった。なんとなくぽつんと残された気分です。
大阪でひどい目に遭うたびに彼女たちを思い出した。
 演奏会に向かう途中の電車でおばあはんからcelloを「邪魔や!」と蹴られたりハレの「大阪店」開店祝いに店先でやくざが暴れても彼女達が大阪に居るというだけで我慢できた。

「銅貨がいっぱい詰まったツボに金貨が一枚でも入っているとツボの価値は上がる」実例のようなものでした。
米朝もいない、枝雀もいない、藤本義一もいない。戦争で解決!極右維新だけなぜか張り付いて残っている。
大阪のツボからどんどん金貨が消えていくのは寂しものです。
聖子さんが天皇陛下から勲章をもらった時のきれいな顔は忘れられない。
あの世で「かもかのおっちゃん」と再会したところでしょう。明日は彼女の「反戦」小説を借りてこようか?
「大人が本を読まへんようになったから日本は子供のような国になってしもた!」
聖子ねえさんからいわれんように本読も!
合掌!

令和になってからつり銭時間で人生を送っているような気がしています。
「壮絶な失敗記」の時計産業です。こちらも合掌!
1970年代はクオーツ技術で文字通り世界一を取ったが凡庸なトップが続いたため90年代になるとあっという間にトップから転び落ちた。
シュリンクスパイラルにはまり込んで抜け出せません。
国産時計では国内シェア90%の80年代から今や30%と恐れなし存在に落ちた。
工房に修理依頼品が30年前のモデルばかり目立つ。

百貨店に行っても国産時計はまともなスペースをもらえない。セイコー、シチズンでは売り上げが取れないのだ。
 「安倍晋三」モデルがやたらと目立つのでセイコーコーナーは皆さん遠巻きに迂回してしまいます。
プレスティージュはスイス・フランス、バジェットは中国製。
日本製の時計はヨドバシ、ビッグカメラでも売り場が最近縮小傾向になっている。そのうちネットからも消えてしまうか?

ほろびの美学だ。絶滅危惧種 キセル、がま口、マッチ、時計、勇気、平和。
昨日は時の記念日でした。
明日は定休日の水曜日。病院で抗アレルギー薬をもらったら工房を開けます。
つり銭のような残った時間をしっかりと握りしめて少しでも社会に貢献できればいいね!

10歳年上のダニエル・ロート、3つ年下のフランクミューラー、同年代昭和30年生まれのチェリスト、ヨー・ヨー・マ。
同世代の人たちから何周も遅れているのだけどまだ引き分けに持ち込む気分の時計師なのだ。
今日は7時まで営業します。営業時間だけはいっちょ前に働いておりますよ~。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする