約50年にわたって学校教育を
受けたが、
たったひとりだけ、
いまでも赦せない男がいた。
と
述べた。
ある瞬間から、
赦せる、と
思えた。
わたしをよく知っている人は、
それがだれか、
わかっているだろう。
しかし、
自分で気づいたのだが、
その男と
同様の部分をもった、
自分を
赦せなかったのだ。
同じような性向。
「赦せる」
と
思った次の瞬間、
自分をも赦せる、
と
思った。
自分自身を嫌っていたのだ。
それで、
ずいぶん
楽になった。
罪はおかすが、
最善を尽くして
人と向かい合える、
自分になれるかもしれない。
ああ、楽になった。
彼に、
感謝しなければならない。