いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

佐伯九段の57銀~46銀急戦の解説

2019-02-28 23:25:03 | 将棋


佐伯九段将棋サロンのときに、
深浦九段がNHKの将棋番組で
紹介している
「振り飛車は怖くない」を題材に、
先手居飛車の46銀右戦法の解説があった。
多岐にわたる変化があるが、
今回は、
そのひとつを、わかりやすく解説された。
これから、諸変化をとりあげられる。
いずれにせよ、
相手の出方により、想定通りにはいかないものである。
だから定跡ならべは意味がない、
という人もいるが、
本当に強い人は、
大筋としての指し方、手筋をしめすから、
きわめて有益だ、という。

これが、もっとも的を得た説だと思う。

対局日誌~その54~

2019-02-28 22:44:14 | 対局日誌


佐伯九段将棋サロンにて4対局。

佐伯九段による四間飛車講座のあと、4局指した。

第1局は、対B弐段。

Bさんは、某大学の教授であるが、
このサロンでは
新しいメンバーで、
わたしのライバルでもある。
わたしの58玉対相手早繰り銀の力戦。
果敢に攻められて、
37歩成から、85桂の馬金両取りをかけられ、
苦戦に陥る。
必死で馬を作り、
居飛車からの
98角の攻めを受け止めて、
接戦となった。
85金、同飛車から逆転し、
攻め倒して1勝目。

第2局は、Bさんともう1局。

相手居飛車に四間飛車で対抗。
はやばやと6筋の歩交換を果たし、
作戦成功で優勢に。
そのあと微妙な駆け引きがあったが、
最後まで正確に指して、
2勝目。
これで、対戦成績は6勝4敗となった。

第3局は、女流強豪のK弐段。

穴熊にされて、驚いた。
彼女が穴熊にしたのは、
はじめて見た。
落ち着いて対応し、
2枚飛車で攻め立てる。
最後は1手違いになったが、
大差の勝利であった。

第4局は、もう1局対K弐段。

居飛車対四間飛車となり、
互いに譲らぬ熱戦。
しかし、一失をとがめられ、攻め込まれる。
追いまくられて、詰まされた。

これで、Kさんとは、34勝1敗。

まずまずの結果を残せた。


















対局日誌~その53~

2019-02-03 20:35:03 | 対局日誌


善行将棋サークルにて4局。

1局目。
Bさん。
相居飛車となり、
棒銀対腰掛銀の展開になった。
序盤で相手にミスが出て、
大差に。
そのまま
中盤でBさん投了。

2局目。
Mさん。
四間飛車で対抗するも、
次々に繰り出される妙手に、
たびたび投了したくなる、という局面。
どうも、今日の力は、彼が上、
と思ったが、
終盤詰め損ねた相手に
頓死筋があり、
決まった。

3局目。
Yさん。
有利な序盤、
慎重な中盤で、
勝ちは間違いない、
と確信。
ところが、
終盤、
王手飛車をかけられ、
それまでの努力は
ふいになった。

4局目。
相手はOさん。
相横歩取りから、
必勝の局面を迎えるも、
わたしにポカがでて、
せっかく抑え込んだ飛車を捌かれ、
1手違いで敗局。

これで、善行では6勝4敗。
降級しない、昇級する、
という目標に向けて一直線。





透き通るような手~肉欲を超えて~

2019-02-03 20:03:27 | 健康


美しい手を持った人というのは、いるものだ。
電車の中にせよ、
レストランの中にせよ、
本屋のカウンターにせよ、
思わずみとれてしまう。

肉欲ではない。
ただ、美しさ、みずみずしさに
心打たれるのである。

神の造詣ではないかと思えるほどに。

その人の人生や年齢において、
手は重要な意味を持つ。

生まれつきの美しさは最上だが、
仕事やたしなみのゆえに磨かれた手であるなら、
拝みたいような気分になる。

美しい手。
永遠の憧れ。

共同体に属するということ~掟と絆~罪の赦し

2019-02-03 19:46:02 | 人生


人はみな、
ある共同体に属している。

家族
職場
学校
宗教団体
趣味の団体

なにかのきずながなければ、
その人の存在の基本が
おびやかされる。

それぞれに、
掟があり、
決まりがあり、
しきたりがある。

いいことばかりではない。

いいことばかり言うなら、
いかがわしい新興宗教、
と言われても仕方がない。
バランスがとれているべきなのである。

そのかぎりにおいて、
人は、罪の赦しにあずかることができる。

わたしも団体に所属しているが、
いいことがたくさんある一方、
決まったルールを守り、
厳しさにも耐える。

ただ、罪を強調し、無理やり服従させる団体ではない。
やさしさと赦しに恵まれた集団である。

この両面を備えていない、
あるいは
この2つのバランスがとれていない団体は、
健全ではないと思うのである。

掟と赦しは、車の両輪である。



サバンナ、象のうんこ、だるい、せつない、こわい、さみしい

2019-02-03 19:27:53 | 人生


サバンナ、象、うんこ、だるい、せつない、こわい、さみしい

これだけ聞いて、あきれる人もおられるかもしれない。
これが、
高名な歌人の代表作のひとつなのである。

サバンナの象のうんこよ聞いてくれ だるいせつないこわいさみしい
                           穂村弘・作

なんだこれは。
上の句は汚物。
下の句は甘ったれの子どもの泣き言。
おとなげない。

そう思われる方があるのは、しかたがないが、
今のわたしは、これを批判できない気がする。
発表されたときは、
評価が分かれ、
賛否両論がふきあれた。

美しい歌をつくるのは立派なことである。
愚痴は短歌で言うものではない。

しかし、
美しい歌の言葉の羅列を聴いても、
なんとなく物悲しいことはある。

人生の
今の
ありようを
もったいぶらずに表現する歌が
あってもいいではないか。

ぶつくさ、このような文句を並べつつ、
今日も過ごしている。







その人は、まるごと評価される

2019-02-03 19:13:38 | 人生


人の評価というのは、相対的なものだ。
性格、
実績、
病気
障害、
人間関係、
仕事、
親、
子ども

などなど、基準は多い。
そして、評価する主体も異なる。

障害があるから、
病気だから、
と特別視してはもらえない。
そうした負の遺産は、
すべて、
自分が自らかぶるべきものだ。
それらの総体的なものを、
さらけ出すほかない。

だから、
厳しい。

世間の目は、
あなどれない。
ウソはつけない。

そうしたなかで、
なんとか世間と折り合いをつけながら、
わたしたちは暮らしている。

世間からの評価は
そうですか、
と一応認めるほかはないのだ。

そのうえで、
「自分はこう思う」
ということを主張する。
これがルールというものだろう。

穏やかな死のためには?ある女医さんの取り組み

2019-02-02 21:46:09 | 人生


金谷潤子先生という
女医さんが、
札幌におられる。

もっぱら、在宅介護、
自宅での逝去を心掛ける。
勿論家庭とはよく連絡をとるし、
関連スタッフも
縦横無尽に活躍している。

どう言う死が望ましいのか。
穏やかな死を迎えていただくために、
患者、家族、看護者、介護者、医者が
ミーティングをひらいて、
方向を決める。

なかには、
点滴をやめるケースもある。

安らかな、満足な死が訪れるまでの
長い道をサポートする。
時には、死後のことまで話す。

金谷潤子紹介ケースは、詳しく書かれていて
その文章は、ときに詩のごとくになる。

金谷潤子先生、がんばれ。

アララギ派の重鎮土屋文明~斎藤茂吉がらバトンタッチ~

2019-02-02 21:16:50 | 短歌


斎藤茂吉の後継者として、
「アララギ」の編集、活動を引き継いだのは
土屋文明である。
写生と叙情性の双方をもちあわせた。
教育者として、教頭、校長を務めたあと、
大学教授となった。

長命で、100歳まで生きた。

92歳にして94歳の妻を喪い、
つくった歌が下記のものである。

………

終わりなき時に入らむに束の間の後先ありや有りてかなしむ

………

自らも数年で夜を去るのに、
いまさらじたばたしてもしかたがないが、
と思いつつつくっている。、

戦災に会い、
家を失って、
疎開先で
農作物をつくって、
時代をしのいだ。

100年にわたる生涯には、
茫漠足る事実の積み重ねがある。

………

時代ことなる父と子なれば枯れ山に腰おろし向かふ一つ山脈に

にんじんは明日蒔けばよし帰らんむよ東一華の花も閉ざしぬ

点景~上田三四二の世界~

2019-02-02 20:16:24 | 短歌


上田三四二は、
短歌だけでなく、
小説、エッセイ、歌論も
精力的に作り、書いた。

自らが死病(癌)に侵され、
命が短いと知るがゆえに、
創作へと向かわざるを得なかったのである。
それゆえ、
死との対話をつづけ、
すきとおった感性を、
作品の中に結晶させた。

………

をりをりに未来をなげきいふ妻はわれの日記を読みゐるらしき

マンボなどききゐる妻を憐れめどいくばくかわれの苛立つものを

いつまでも厨にうごく音のしてこのごろ妻の歌わずなりぬ

眠らぬ子を負ひてうたへる妻のこゑ闇こくなりし庭よりきこゆ

俵万智とアダムとイブの世界

2019-02-02 20:01:55 | 短歌


俵万智は、日常の平凡なことを
なにげなく歌った。
彼女の作品のなかには、
平安な毎日の生活をおびやかすものを
意識した歌もある。

あくまで静かに語っているものの、
ひんやりとした
情感を漂わせるものである。

核戦争後のアダムとイブになりたい、
という願望を歌っている。

………

君の言う核戦争の
そのあとを
流れる水にならんか
我と

After the nuclear
conflict you go on about…
What do you say
about becoming, with me,
part of some flowing water.

プロの自戦記から学べること~将棋の真髄~

2019-02-02 18:37:36 | 将棋


わたしは、将棋の初心者ではなく、上級者でもない。
ちょっと中途半端なのだが、
上達の方法はあると思っている。
特に役立つ強化法は、
プロの実戦の棋譜を並べることである。
とくに、自戦記がよい。

将棋のプロの棋譜を並べると、
いいことがたくさんある。

手筋を覚える、
実戦の勘を養える、
定跡がわかる、
対局心理を学べる、
等々。

とくに、将棋用語が、
実感を以て体感されるのはありがたい。

棋譜と図面をみながら、
将棋用語を覚え、
その生きた使い方を
体得できる。

捌く
味が良い
筋が良い
攻めが続く
時間の使い方がうまい、

などなど。

それぞれ、
図面を見ながら、
生きた知識として身についていく。
定跡書を読むとか、
実戦を積むとか、
それは大切だが、

自戦記を読むと、
理論的なこと、
技術的なこと、
心理的なこと、
考えるツボ、

そういうことが、
生き生きと実感され、
実際の闘いに役立つのである。







髪型に思う~時代の証言~

2019-02-02 16:51:27 | 髪型


女性の髪型の変遷をみると、
ほんとうにおもしろい。

奈良、平安時代の貴族のロン毛(?)
は、言うに及ばず、
江戸時代の女性の髪型が
身分や年齢に応じて
窮屈であったこと、
明治、大正、昭和…と
髪型が自由で美の表現の象徴とされたこと、
近代に短髪がはやったこと。

時代の流れをうつしている。

最近、
女性の髪型はみんなロン毛で、
ショートは「女優みたい」
といわれたこともあった。

暇だからそういうことを考えるのだが、
女性自身にとっては、
日常性を帯びた
悩ましくもうるわしい話題であろう。


上田三四二の歌論~藤原定家にも似て~

2019-02-02 16:39:55 | 短歌


上田三四二は、
前衛短歌グループに組みしなかった。

岡井隆
塚本邦雄

といった歌人とは距離を置き、
ないしは批判して、
伝統を踏まえ、
正統的な歌を主張した。

藤原定家が、
「社会詠」を志向しなかたように、
前衛短歌に溺れることを
拒否した。

岡井隆と塚本邦雄は
前衛短歌の盟友であったが、
上田三四二は違う。

たとえば
宮柊二や
近藤芳美のように
生活詠をふくんだ、
わかりやすい短歌を
称揚したのであった。

学問の世界と歌論の世界

2019-02-02 16:11:35 | 人生


上田三四二の歌論を読んでいる。
彼は、医者であり、歌人である。

学問の世界では、
論文を書くとき、
原理原則の問題は
勿論書くが、
助詞、助動詞ひとつで、
他の論文を批判することがある。

上田三四二の歌論の場合も
同様で、

岡井隆
塚本邦雄

といった前衛歌人を
原則的に批判するとともに、
細部にわたる意見の相違をふまえ、
評価して、
自らの立場を明らかにする。

ひとつの独立した考え方を、
普遍的な文学論議の俎板に乗せるのである。