いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

二兎を追って二兎を得た書道家

2017-02-06 18:39:38 | 日記
故・井上有一氏の書の展覧会を観た。
神奈川県の茅ヶ崎市、寒川町に住んだ人で、書家として活躍しながら、小・中学校の教師、校長を務めた。
芸術家には不幸な生涯を送る人が多いのだが、この人は書家であるとともに教師としても人望を集めた。
二兎を追って二兎を得たといってもいいだろう。
書は、前衛的で、力強い。ふくよかな味わいがある。
生徒や父兄の求めに応じて書いたものも多い。
表彰状、感謝状なども、残している。
教え子の思い出を紹介しておく。

  卒業にあたりお世話になった先生方にサインをお願いしたところ、井上先生は始めに絵をかいてくださいました。
 さらに私が何か一言書いてほしいというと、そのまま「一言」と、自画像を書いてくださいました。
 せんせいは、自分が一度決めたことを決して変えることのない人で、生徒にもそれを求めていたように感じます。
 実直で自分の信念は通す飾り気のない好感の持てる先生でした。