いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

将棋の効用

2013-12-28 20:46:49 | 日記
昔、上司に「将棋はやめろ」とよく言われた。
それなりに含むところがあったのだろうが、
これだけは、決してやめなかった。
生まれてから、半世紀をだいぶ過ぎた。
よくも生きてきたものだと思う。
今にして思う。将棋をやめなくてよかった。
時間がある程度とれるようになり、暇な休日もある。
思いが千々に乱れて、眠れぬ夜もある。
しかし、いつも将棋は友達である。
空いた時間、棋友(将棋のともだち)と指す将棋の楽しさは、格別である。
定跡を並べて、優れた理論に感動することもある。
眠れぬ夜は、詰将棋を解いて過ごす。
指し終えて、棋友と歓談する楽しさ。
アマとして、勝ち負けを越えた楽しみ方ができる。
プロの将棋を並べて、感動することもある。
指している最中、すべてを忘れて時間が過ぎる。
没我の楽しさである。
あと、どれだけ生きることができるかわからないが、
指せる限り、指していたい。
将棋の効用。
来世でも説きたいと思う。

天ぷら?焼き芋?

2013-12-13 20:28:28 | 日記
地域の小学校で、授業参観をしました。
一番印象に残ったのは、「なかよし組」。数人で構成されているクラスです。
サツマイモを収穫したばかりで、どうやって食べるか、たのしみにしている様子。
サツマイモを絵に描いて、「天ぷらにしたい」、「煮て食べたい」と、添え書き。
国語の授業を見せてもらいました。
それぞれが、独自の課題に挑戦。
ひとり、4年生の子がきて、いたずらをしていきましたが、
6年生の男の子が「やっちゃいけないんだよ」と
たしなめました。さすが最上級生。
彼は、ずっと漢字ドリルをやっていて、
帰りの会になるまで、集中して課題に取り組んでいました。
帰りの会も終わったので、「がんばったね」というと、
「がんばったでしょう」とうれしそうな返事。
「サツマイモ、どうやって食べるの?」と聞いたら、
「考え中」だそうです。
ほかにも、「あなた、だれ?」と聞いてくる女の子もいました。
「名無しのごんべえ」と答えました。ただのおっさんが見ていただけだし。
また、行くね。みんな、たのしみにしていてね。
そのとき、サツマイモをどうやって食べたか、教えてね。

IT教育を誇る地元高校

2013-12-10 20:26:34 | 日記
地元の高校の授業参観をしました。
大学の教師としてではなく、地元の一住民として、参加しました。
参観したのは、「情報」の授業。
コンピュータ室で、ティームティーチングの授業でした。
担当の先生からの、生徒たちの中に入ってご覧ください、
というお言葉に甘えて、教室の中を回りました。
かなりレベルの高い授業で、エクセルを使った資料作成です。
課題のできた生徒は、まだできない生徒のところに行って
教え、できない生徒はできた生徒のところに行って聞いていました。
「教えあう姿」は好ましく、授業以外の雑談は一切ありません。
授業を終えてから、担当の先生から、意見を求められました。
授業後、先生が来られて、10数年教えているが、まだまだ満足がいかないとのこと。
「進みつつある教師のみ教える資格あり」という名言がありますが、
それを地で行く姿勢で、感動しました。
いつもなら、静かにさせるために怒鳴ることもあるそうですが、
そうしなかったのが、かえって良かったようです。
小集団学習、という範疇で、教えあう姿勢が、生徒たちにあるからです。
そのことを、お話ししました。
高校の授業参観では、「地域の人」に意見を求める、
ということが「盲点」になりゃすいことを、
管理職の方が、意識しておられました。
地域には、優れた人々が存在するはずで、
この資源を活用しない法はない、ということが、
学識者によって指摘されています。
そうしたことを、立派に実践されている学校です。
普通高校であるにもかかわらず、IT関係の難しい資格を
とる生徒が多く、その意味でたいへん優れた学校です。
さらに学びを重ねて、企業や学校で、優れた人材になる
生徒が多いことでしょう。高校で身に着けたら、能率よく
力を伸ばすことができると思います。
良い授業を観ることができました。
感謝、感謝。

甥の結婚式

2013-12-08 19:43:09 | 日記
7日の土曜日に甥の結婚式が執り行われた。甥が2人、姪が1人いる。わたしには子どもがいないので、
かかわりが多かった。兄が45歳で亡くなり、下の甥は小学校4年生から、父のいない生活を
送った。
それゆえ、ときどきは一緒に呑んだり、会食をしたりして過ごした。
父をはやく亡くしているので、普通の結婚ができるかどうか、
というのが心配の種であった。
上の甥は、すでに挙式を終えていて、下の甥の結婚式が、おととい、
ということになった。
細かなところまで配慮してあり、サプライズもあって、
善い式だったと思う。
甘えっ子で、将来を心配したが、しっかりした社会人になってくれた。
昨日も、花婿の役割を、充分に果たしてくれたと思う。
甥の上司の話によると、人柄の善さが仕事に生きているそうで、
安心した。我が足りぬところを備えているということは、
辛くはあるが、世のためには、そのほうがよかろうと思う。
式の後、親族で短い会食をして、満足な1日となった。
姪も、来年3月に結婚が決まり、叔父としてはほっとしている。
下の甥は、兄嫁のはからいで、母の葬式の後、ひとりぽっつりになったわたしの、
事務的な処理を手伝ってくれる、など、逆に世話になっている。
2人で行動することも多かった。
「人生の師」はほかにいたようだが、
わたしを「父に一番近い人」と思ってくれているようなのは、うれしい。
3人の子どもたちが、末永く、元気にやってくれれば、
叔父として、思い残すことはない。
めでたしめでたし。
感謝、感謝である。

韓国 葛藤の先進国 読了

2013-12-05 14:54:21 | 日記
「韓国 葛藤の先進国」内山清行著(日経プレミアムシリーズ)読了。
北朝鮮と対峙しながら、独特の発展を見せる韓国。少子高齢化など、日本と同じような
背景を持ちながら、進みゆく韓国。日本の後を追う部分、日本の先を行く部分、
様々な様相。
現代史をふまえながら、問題点を活写。
中国に遠慮せざるを得ないという地理的、歴史的な運命を受け入れながら、
アメリカ、日本との関係を続ける韓国。
日本とも共通する、そしてそれに輪をかけた大学入試の問題もあり、
財閥を擁しての問題点、非正規職の比率の多さ、福祉問題における
高齢者と若者のせめぎあい。
矛盾を抱え込みながら、世界に存在感をアピール。
領土問題、精神的な問題、どれをとっても簡単ではない。
とくに、大統領問題は複雑で、強力な権限を持つと同時に
5年任期、1期だけの就任という脆弱さ。
朴大統領に期待される部分、危ぶまれる部分。
隣国のもつ複雑な事情を、事実に基づいての述べてある。
この書を読み、韓国の様々な面を認識し、
どうつきあったらよいか、ひとつの考え方を
形成することができた。
韓国理解のための良書と思われる。

失語症、ADHD

2013-12-04 09:30:01 | 日記
「夫はバイリンガル失語症 日本語教師が綴る闘病と回復の5年間」読了。「失語症」とは、脳梗塞等の
後遺症として、脳に障害が残り、言葉が不自由になる病気。
この本は、ドイツ人で、日本の大学で教えている教師が、脳梗塞の後遺症で「失語症」になり、
医師、言語聴覚士、日本語教師の妻の二人三脚で対応したが、道は厳しかったことを述べている。
本人は大学教師で、病識がなく、それゆえ、妻とその子供が奮闘した。
100の失語症があれば100の症状がある、といった実情で、特に妻は、対応に
苦慮した。
本人は自分が健常者であると思いこんでいたが、大学の講義を再開
して、失語症のために講義が普通にできず、結局退職に至った。
妻が、家庭内で日本語教師としての教育を施したが、
「失語症」に振り回されて、順調にはいかなかった。
そして、息子まで巻き込んだ家庭内騒動。
ロコバンド氏はドイツ人であるが、日本語を使う、ドイツ語、憲法の研究者。
家庭内では、ドイツ語、日本語が意識することなく使われている。
妻もドイツ語が話せるので、授業ができるよう努力したのであるが、
ついに夫の大学での授業は不可能になり退職に至る。
この例では、それでなくとも難しい「失語症」の回復が、ドイツ人である患者
(彼は日本語を21歳から学び始めた広義のバイリンガルである。)
の属性により、問題を難しくしたのである。
筆者の専門である教育学の中に「ADHD児」という概念がある。
これは、学校教育のなかで、脳に障害があるため、様々な奇妙な
行動をとる子供のことである。
これについては、原因究明、臨床的対応が研究されているため、
様々な手立てが確立している。
そのため、問題には賢明に対処する方策がある。
これに比して、失語症の対策は極めて難しい。
患者がバイリンガルである、病識がない、となると、方策も
見つけにくい。
そのような中で、著者は「心の文法」を喪失した夫と消耗しながら格闘した。
現在は、「心の文法」(優しい心根)を取り戻した夫と、安らかな生活を送っておられる。
失語症の回復は5年でドラスティックに回復することが多いといわれる。
エルンスト氏と、靖子さんが、幸せな老後を送られることを祈る。

8年目のボランティア

2013-12-02 19:37:52 | 日記
8年前、介護していた母が亡くなりました。
その分、社会に何かお返ししたいと思っていました。
たまたま、社会福祉協議会でボランティア講座の受講をしていました。
そこからお話が来まして、1人で特養のホームで将棋を指すボランティアを
始めました。お相手は2人。
その後種々の方が参加してくださり、最高齢では81歳の方までいらっしゃいました。
そうしていましたら、「佐伯九段将棋サロン」でご一緒させていただいている方が
次々と加わってくださいました。
現在70代3人、60代1人でボランティアをしております。
男性2人、女性2人で、バランスよく集まりました。
特養老人ホームでは、「月1回の名人戦」ということで定着し、10名の
常連の方が、たのしみにしてくださっています。
母がいなくなって、ぽっかり空いていた穴が埋められる感じで、うれしく感じます。
しかも、私自身も、スタッフも月1回のボランティアを
おおいに楽しんでいます。
いつまで続けらるかわかりませんが、
スタッフと、「わたしらが世話になるかもしれないね」と、いいながら、
笑って楽しんでいます。
ホームのみなさん、今年もありがとうございました。
来年も、楽しくやりましょう。
感謝、感謝です。

最新の現代中国史

2013-12-01 18:34:59 | 日記
「中華人民共和国史 新版」天児慧(早稲田大学現代中国研究所所長)著、岩波新書、読了。
2013年8月出版で、現代中国史研究の第一人者による解説書。
現代中国のことで、すぐに浮かぶのは大気汚染のことなどですが、現代史はより複雑にして怪奇です。蒋介石と毛沢東、
共産主義と市場経済、ソ連、アメリカ合衆国や東南アジアとの関係など
の問題を、切り口鋭く分析しています。
文化大革命、天安門事件、小平の実績、胡錦濤、温家宝の役割等を、事実を踏まえながら
明らかにしてあり、現代中国の実態を解説した書として、出色です。
今、手に入れやすい解説書として、最新、最良と思われます。