いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

ある高名な医師のひとこと

2019-08-23 23:18:17 | 医療


高校時代の柔道部員の友人が、
今は高名な医師になっている。
高校時代から、
「大物になる」
との評判が高かった。
進学大学は、医学部ではなかった。
それから意を決し、
医者になることにした。
ところが、カネがない。
親戚のいい人が、
大金を出してくれた。
それで医学部に入り直し、
よく努力した。
今は高名な名医である。
よく、カネをだしてくれたな。
と言うと、
「人は他人ののことはあまり気にしないんだ」
とタネをあかした。
その割り切りが合ったこそ、
クラスメートにもあがめられる名医になったのである。






精神障害をめぐって~それは~奇病か?

2019-07-16 18:31:00 | 医療


先日、先崎学九段の「うつ病九段」の内容を説明しながら、うつ病について書いた。

うつ病もそうだが、精神障害は、現代的な問題である。
種類には、統合失調症、気分障害(うつ病、躁病)、不安障害、などがある。

このうち、とくに問題となるのは、統合失調症である。
発症率は50~100人に1人、といわれる。
1学年3クラス、30余人の子どもがいると、
学年当たり1~2人の統合失調症の子がいることになる。
これだけの人数にひとり、となると、
学年に、とびぬけて成績の良い子がひとりいる、と言う感じで、
ありふれた病気だということになる。
症状としては、次のようなものがある。

幻聴(頭の中から声が聞こえてくる)、
何かによって体が支配されたような感じになる、
幻覚(目の前に像が浮かび上がる)、
自分の考えたことが、他人に伝わっているかのように思われる。
など。

治療は難しく、
精神科医や周囲の協力が必要になる。
かつては「分裂病」と呼ばれ、夏目漱石が罹患していた。
その診断や治療はたいへん難しく、
精神科以外のお医者さんにとってもハードルが高いそうだ。

さて、現代の世界に、精神障害者は4500万人いるといわれる。
また、生涯罹患率は4人に1人であり、
任意の成人年齢の10人に1人である。
世界の人の4人に1人がかかる病気、となると、
問題にせざるを得ない。

今後も、高齢化や社会の不安定化、競争の激化で、精神障害を患う人が増えることが予想される。

ひとごとと思わず、心して向き合いたい病気である。




















身内や友人、知人にも罹患している人がいる可能性が高い。


















よく売れている「うつ病九段」~うつ病の教科書~

2019-07-10 20:53:24 | 医療


大型書店に行くと、「うつ病九段」という本が、たくさん置いてある。
先崎学九段著。
将棋書籍としては、異例の売れ行きである。
本ブログでも、その内容は紹介した。
グーグルなどで、
「いい日旅立ち」and「うつ病九段」を検索すると、たくさんでてくる。
将棋のプロ棋士先崎九段の作品で、
自らのうつ病の発病、経過、症状、現況がわかりやすく書かれている。
大要は、本ブログでもわかると思うが、
買ったり借りたりして読まれると、
現代日本人には不可欠な、「うつ病とは」に関する知識を効率よく
得ることができる。
特に、将棋が好きな方なら、「うつ病」の絶好の教材となる。
今では、うつ病もごく普通の病気で、うつを持ちながら活躍している方は大勢いらっしゃる。
また、不治の病でもない。

精神的な病の中では、一番多い病気である。
正確に言うと、「気分障害」のなかの「うつ」の症状である。(「精神医学特論」・放送大学教育振興会刊)

私も精神医学の勉強をはじめて20年になる。
精神医学のキモの部分は、このブログでも紹介したいと思っている。












地域医療センターの役割

2019-06-22 22:09:12 | 医療


長きにわたって、定時に開かれる病院にしか行かなかった。
ところが、先日、本日、とのっぴきならぬ症状が出て、難渋した。
昨夜から独特の症状が出て、収まらなかった。時間が遅いので、
主治医に診てもらうことができなかった。
今日は、午前、午後と会合に出たが、頭が重く、気持ちが悪くなった。
帰って寝ても、症状は収まらない。
しばらく我慢したが、意を決して、緊急にみてくれる医者を探した。
その末に、「地域医療センター」というものを見つけた。
平日、土曜は20時から23時まで、日曜、祝日には9時から23時まで診療している。
診察してもらった医師は、ベテランで、的確な分析をしてくれた。ただ、この時間の診療には限界があり、本格的に診てもらうなら、平日午前から大病院に行くのが良いそうだ。
地域医療センターでは、軽い事案を扱い、それで満足できない場合は、2次救急、3次救急で見てもらった方がよい、その責任は、患者自身にある、というスタンスである。自らの診療範囲を明確にし、医療にメリハリをつける制度の一種なのだろう。

いまだ、症状は残っているが、大々的な検査を受けるには、来週月曜日以降に大病院に行った方がよさそうだ。

医者とのつきあい方も、これからますます選択可能なものとなるのだろう。




104歳まで現役医師として生きた日野原重明先生の「生きかた上手」

2019-06-21 20:55:08 | 医療


人生の多くの時間を「公的」な文章の書き手として仕事をしてきた。
その軛から離れて、地元の図書館のコンクールに読書感想文を発表した。
それまでは、評価者として、字数制限を課して仕事をしてきた自分が、
私的な文章を発表できることは、新鮮な喜びにつながった。
104歳まで現役医師として活躍した、日野原重明先生の「生きかた上手」の感想文、200字以内、である。

……

著者は、医師として4000人を看取り、何百歳分の人生を生きた。それをふまえて、誰もが無限の才能を持ち、開花させ得ることを例示する。医療で、治せる病気は一割に満たないが、善き医師に助けられ、病とつきあう方法はある。老いた患者を安らかに見送るにはどうすればよいのか、を論じた部分は、この書の白眉となっている。この書を読んで、人生・医療との理想の付き合い方を学び、著者の人生訓を汲み取ることができた。

……

このときから、改めて、「私的」な文章を書く自分、を意識した。









歯医者に行って、泣く(笑)

2019-05-20 17:53:22 | 医療

久しぶりに歯医者に行った。
もう30年も診てもらっている歯医者さんで、
腕はいいのだが、
今日は、ちょっと困った。
歯石をとってもらうとき、
水が喉にたまって、呼吸ができなくなる。
進んで、吐きそうになる。
口が使えないので、訴えることもできない。
削ったくずと水とを飲みこむことしかできない。
治療が終わるころには、ふらふらになった。
表情がゆがんでいたことだろう。
被害妄想だろうが、
「いじめられているのだろうか」と、ちょっと思った。
これからの注意や、現状を説明してもらったが、
苦しいのと、水が喉にたまっているのとで、
返事ができない。
と、
「聞いているんですか?」
と、おこられた。
思い込みなのだろうが、
かなり苦しかった。

気のせい?

たぶん、そうでしょう。
次回も、この歯医者さんに行く。
そのときには、愉快な記事を書きたい。

















































定期健診~主治医おちこむ~巨人3位

2019-04-16 14:49:01 | 医療


月2回の定期健診にでかけた。

調子は良いので、診察はすぐ終わった。
血液検査でも異常なし、極めて健康。

ところで、主治医は、熱烈な巨人ファンである。

巨人が3位になってしまったことを、嘆いておられる。

「今日は、広島と当たる。またやられるかもしれん」

慰めた。

「いえ、巨人は永遠です。」

今日は、巨人対広島。

巨人の先発山口、
広島の先発ジョンソン。

はたして、どうなるか。

あなたは、AEFが使えますか?~命を救う機器~

2019-04-15 10:40:00 | 医療


写真のような機器に気が付いたことはありますか?

医療機関
商業施設
娯楽施設

などに設置してあります。

ひとことでいうと、
心臓が止まった人に
それが動くようにする機器です。
一般市民でも使えます。

自動的に心電図の解析を行い、
徐細動を起こす、
つまり
心臓が再び駆動するのを助けるのです。

誰でも使えますから、
ぜひ、使い方を覚えてください。

人命救助です。

「生きかたじょうず」に学ぶ~104歳まで現役医師であった日野原重明先生~

2019-04-13 12:33:10 | 医療


著者は、医師として4000人を看取り、
何百歳分の人生を生きた。
それをふまえて、誰もが無限の可能性を持ち、
開花させ得ることを例示する。
医療で治せる病気は1割に過ぎないが、
善き医師に助けられ、病と付き合う方法はある。
老いた患者を安らかに見送るにはどうすればよいか、
を論じた部分は、この書の白眉となっている。
医師も患者も、この書から、
多くを学び、生きかたじょうずになりたいものである。

うつ病を知る 先崎九段に学ぶ⑨~軽く励ますのは良い~

2019-03-19 20:13:17 | 医療


うつ病の人を強く励ますのはいけないと言われる。
これは程度の問題であり、
見ず知らずの人に励まされるのは苦痛であるが、
親しい家族や仲間に軽く励まされるのは、
うれしいものだそうだ。

患者は、
孤独を感じ、
人に見捨てられたような気分に
なりがちである。

だから、
親しい人が、気を付けて、
軽く励ますのは良いようだ。

医者は、
繰り返し、
「必ず治る」と励まし続ける。

「うつ病は必ず治る」。

患者が自殺しないよう、
われわれは
注意深く接していかなければならない。

あなたの親族や親しい友人がうつ病になったら、
温かく接していただきたい。

うつ病を知る 先崎九段に学ぶ⑧~うつ病患者は不眠になる~

2019-03-19 20:05:50 | 医療


うつ病患者は、しばしば不眠を訴える。
眠れない。
眠っても、夜中に起きてしまう。
目が覚めると、朝飯迄の時間が長く、
じっとしているのがつらい。

午前中、不眠のために、
ますます落ち込む。


うつ病を知る 先崎九段に学ぶ⑦~うつ病になると知力が衰える~

2019-03-19 19:53:40 | 医療


うつ病になると、
知力が落ちる。
先崎九段の例では、
文字が1字も読めなくなる、
絵を見るのが苦痛である、
といった症状が出た。
彼は、一流プロ棋士だから、
20手くらいの手を読める。
詰め将棋も、20手くらいは平気であった。

ところが、
うつ病の症状の重い頃は、
5手詰めもできなくなったという。

少し回復してからも
7手詰めができるようになるまで、
長い時間を要した。

ピンク映画や
グラビアは、
やっと見ることができたようである。

ところで、
「うつ病は必ず治る」。

だんだん回復してきた先崎九段は、
対局もできるようになった。

1年足らずで、
プロの対局もできるようになったのである。



うつ病を知る 先崎九段に学ぶ⑥~うつ病患者は、1日の中の気分変動が大きい~

2019-03-19 19:45:14 | 医療


うつ病患者は、
1日の中での気分変動が大きい。
朝に弱いのは、特にめだつ。
そのあと、
回復したと思っても、
また落ち込む。
その変化の幅と程度が激しいのである。

健常者の「落ち込んだ」状態とは、
明らかに、違う。

それゆえ、
自分自身のアイデンティティーが侵される。
どれが本当の自分か、
わからなくなってしまう。

それゆえ、自分に自信がなくなり、
自殺願望につながる。


うつ病を知る⑤ 先崎九段に学ぶ~うつ病患者は朝に弱い~

2019-03-19 19:35:28 | 医療


うつ病患者は、朝に弱い。
なかなか起きられない。
だるい。
朝食を食べたくない。
起きたくない。

できれば、ずっと寝ていたいと思う。

これを治すため、
精神病院では、
患者を強制的にでも早起きさせる。

そして、散歩したり遊んだりすることを
促す。

できるだけ体を動かすようにさせる。

うつ病には、
規則正しい生活が
一番の薬なのだ。

うつ病を知る 先崎九段に学ぶ④~なぜわたしがマジになるのか~

2019-03-19 19:14:57 | 医療


わたしが、うつ病のことを
なぜこのように強調するのか。
この先、再々述べるが、

わたしが「自死遺族」だからである。
つまり、自殺した人の家族のことを
「自死遺族」と呼ぶ。

約25年前、
実兄が、
首つり自殺をした。

精神科の診察も受け、
入院もした。
ところが、精神科医に
「病気ではない」と言われ、
入院は1日だけで終わってしまった。
それから1か月後、
兄は、あっけなく、首をつって
死んでしまった。

兄の主治医であった精神科医は、
その後、
「あなたは、お兄さんは病気だったと思うか」
と聞いた。
はっきり、
瞬時に「うつ病だったと思います」
と答えた。
主治医には一言もなかった。

誤診だったと思ったのだろう。

それゆえ、
「もう自死する人に出てほしくない」
の一念で
うつ病の治療に関する発言をしてきたのである。

「うつ病患者を冷たく突き放している」
と感じられる方もあろう。
しかし、
黙っていて、
これ以上
うつ病による自死を起こしてはならないと思うのである。

次回から、引き続き、うつ病の兆候の話をする。
うつ病だと判断する基準をわかっていただきたいのである。