いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

対局日誌82~93歳の巨匠と闘う~

2019-07-26 20:18:32 | 対局日誌


本日は、無料道場にて3局。

相手は、93歳のH四段。
この方は、93歳の高齢であるにも関わらず、
自らバイクを運転して道場に通われる。
認知症とは、縁がない。
棋歴90年。
矢倉と棒銀が得意だが、何でも指しこなす。

1局目。
相手が矢倉、こちらは、典型的な矢倉くずしの右四間飛車。
思い通りに進んだはずが、見たこともないような絶妙手を指され、
あえなく投了。

2局目。
こちらが四間飛車、相手は山田システム。
これも、相手は手筋をよく知っている。
それでも、手を尽くして攻め、勝勢に。
ところが、終盤王手飛車を食らって、大逆転。
あえなく連敗。

3局目。

あえて、相矢倉にいどんでみた。
なにしろ、相手は、矢倉を指して90年。
なんでもかでも知っている。
あえて、そこに踏み込んだ。
相手は矢倉棒銀、こちらは、37銀型の応手。
玉はあえて69のまま闘う。
飛車、角、銀が86に殺到してきて、総交換に。
手順のアヤはあったが、飛車を取って攻勢に出る。
こちらはほとんど裸玉だが、攻めも厳しかったろう。
敵は、入玉を策してくる。
こちらは龍をつくっているが、
45玉から逃げる手を指されて、困った。
こちらの持ち駒は金、金、銀、桂、香。
だが、19馬と54馬が効いていて、待ち駒ができない。
工夫して、39に香を打って入玉阻止を図る。
最終的には、45玉に対して57金、と待ち駒。
これが、妙手で、8種類の詰みをみた必至。
自玉も危なかったが、駒一枚残していた。
ついに、H四段投了。

会心の一局であった。



























対局日誌81~金星をあげそこねたM三段~

2019-07-25 22:15:30 | 対局日誌


佐伯九段将棋サロンが行われた。
注目の一局は、サロンで一番強いK五段対M三段。
相居飛車の戦いとなり、終盤はもつれにもつれた。
127手目、K五段は、68歩、69玉の形で、周辺に駒はない。
一方、手番のM三段は、28龍の形で持ち駒は金、金、銀。
67銀と必至をかければM三段の勝ち、という局面。
M三段には王手がかからない状態。
67銀を打たずに、一気に詰め切ろうとしたが、
わずかにおよばず、切れ模様となったところで時間切れ引き分け。
サロン終了後の茶話会のとき、聞いてみると、
K五段は、67銀と必至をかけられたら投了する予定だったという。
M三段、惜しくも金星を逸した。









対局日誌80~M四段との闘い~

2019-05-27 18:21:26 | 対局日誌


地域将棋サークルで、M四段との闘い。
矢倉模様から力戦となり、
激しい寄り身を受けて立つ。
飛車に成り込まれ、
玉は囲ったものの、
危険な状態に。
金銀をべたべた打って受けまくり、
飛車を何とか成り込んで、
勝負。
相手は、飛車を縦横に使って自陣をおびやかす。
相手の形は、72玉、43銀、61金のかたち。
こちらの持ち駒は、桂、銀。
58の飛車が成り込めることは決まっているが、
相手に52金の好手がある。
ここでちょっと考え、
64桂と、犠打を放つ。
同歩の一手に、53飛車成。
52金の受けに、63銀から攻め込んで、
43の銀をとる。
そこから61銀とし、
成り込んだ飛車を使って、玉を追い、
93玉に縛りをかけて、必至寸前。
相手は、馬、飛車、銀を捨て、
桂を打って即詰みを狙ってくるのは見えている。
これは詰まないと読み切り、
78龍と詰めろをかける。
最後の抵抗はあったが受けきり、
即詰みに打ち取った。

相手は強敵であったが、いい将棋が指せた。



























対局日誌79~Hさんとの闘い~

2019-05-25 19:19:48 | 対局日誌


地域将棋サークルで指した。
相手は、Hさん。四段。

戦いは、相手得意の中飛車に対し、
こちらは、三間飛車。
ゴキゲン中飛車に67銀、47金型で対抗。
飛車をとられ、
51龍、41飛車の堅陣に挑む。
こちらの持ち駒は、金、銀、桂、歩5枚。
相手の美濃は、歩攻めで、頭が開いている。
82玉に、84歩とたらしておいて、
75桂。
角が47と67にいるとき、
55桂で両取りをかけられた瞬間、
84と64にたらしておいた、歩を起点に攻め込む。
次々に駒得を果たし、必至をかける。
こちらの玉は、安泰だった。

久しぶりにHさんに勝った。
こんなにうまくいくのは、どうかしている。
案の定、そのあと3連敗した(笑)。































対局日誌78~コーちゃんとの対局④~

2019-05-24 19:11:15 | 対局日誌

地域将棋サークルでの対局。
コーちゃんとの対局④。
この人は、中飛車のスペシャリスト。
ほとんどの対局で、中飛車を使う。
本日も、中飛車できなさった。
こちらも、意地になって、中飛車で戦った。
いつも、
33角、44銀対77角、66銀から、同型になる。
ここから捌きあい、どちらかが攻め込む、
と、手順は決まっている。
問題は、高美濃にするかどうか、
玉のこびんを開けるかどうか、
で異なった展開になる。
今日は、私の方が、玉のこびんを開ける手段をとった。
この一手は、微妙な問題を含み、
桂の活用、角のにらみがどう作用するかで
まったく異なった将棋になる。
今日は、攻めつぶされ、
あっけなく勝ちを譲った。

対局が終わってから、
「相中飛車にはしない方がいいよ」
と、諭された(笑)。
































対局日誌77~Mさんとの対局~

2019-05-22 22:05:42 | 対局日誌


久しぶりに実戦を指した。
地域将棋サークルにて。
相手はMさん。
粘り強く、狙いを秘めた手を放ち、受けも強い。
常に狙いを持った将棋である。
戦いは、相振り飛車となった。
中盤は当方が、押しまくり、
完全に敵玉をとらえたに見えた。
ところが、それからがすごかった。
有効に受けの歩を打たれ、
龍が右往左往。
62玉、72銀の形なので、金けを手に入れ、
82銀を目指した。
これは達成。
ところが、決め手がない、
巧妙な受けをしながら、
頓死筋も狙ってくる。
追い詰めた玉には、逃げられた。
相手も入玉、当方も入玉で、
引き分け。

久しぶりの実戦だから、いい方だったかもしれない。



































対局日誌76~コーちゃんとの対局③~

2019-05-08 23:10:18 | 対局日誌

地域の無料道場でコーちゃんとの対局。
相中飛車。
コーちゃんの得意戦法は、中飛車。
それを承知で相中飛車にするのが、私流。
銀冠にした。
そこで、35歩とのばしてくる。
それを許したうえで、36歩、同歩、同銀と歩を取り払う。
当然、35にあった銀を砦にして、36歩と抑えて、攻撃の拠点としてくる。
26の銀に働きかけてくるが、銀交換のあと、
また26銀と打って、がんばる。
千日手になるので、
コーちゃんは、飛車をさばいて、
猛烈に攻めてきた。
こちらの玉は、端に呼び出され、
16玉~15玉と逃げる。
コーちゃんも駒不足になって、
即詰みがない。
相手は、美濃囲いにがっちり守っているが、
端の香はなくなっている。
コーちゃんの手持ち駒が
角と桂しかないのを見越し、
15香~91銀と王手して、
とっかかりをつくる。
最後はわずかに残し、
相手に必至をかけた。
自玉はギリギリ詰まず、
逆転勝利。
ひやひやした一局で、
コーちゃんの力が、ますます増していることを
実感させられた。



















































対局日誌75~O四段との闘い~

2019-05-05 21:27:42 | 対局日誌

対局日誌。
地域のサークル(善行将棋サークル)にて。
於・善行公民館。
相手は強豪O四段。

60歳、3級から始め、10年後には四段になった人。
佐伯九段の弟子で、徹底的に学んだ。
いわば、佐伯九段のアマの秘蔵っ子。
棒銀を得意とし、銀の捌きに特徴がある。
一時、「棒銀男」の異名をとった。
純粋居飛車党。
駒落ちの場合以外は、振ることはない。
一手違いの激しい勝負を好む。

相手が飛車先をついてくるので、
棒銀を警戒し、77角から88銀とあがった。
本来なら、68銀として、右四間飛車に誘導する手もあるが、
そうしたときに、棒銀でこられるとまずい。
相手も、角換わりは避けようとするので、
本来は68銀と突っ張りたいのだが。
銀の位置ひとつで、優劣は極端に変わる。

案の定、44歩から角換わりを拒否されたので、
右四間飛車にくむ。
作戦負け。
銀が進出してきて桂の捌きを抑えられた。
34歩が拠点だったが、
巧妙に受けられ、金が進出してきて、
この歩をただ取りされたのが敗因。
勝負は、終盤の入り口で決まったが、
形だけは作った。
わたしが、そのような考え方をしたのかどうかは
わからなかったらしい。
爽やかな後口が残った。









































対局日誌75~O四段との闘い~

2019-05-05 21:27:42 | 対局日誌

対局日誌。
地域のサークル(善行将棋サークル)にて。
於・善行公民館。
相手は強豪O四段。

60歳、3級から始め、10年後には四段になった人。
佐伯九段の弟子で、徹底的に学んだ。
いわば、佐伯九段のアマの秘蔵っ子。
棒銀を得意とし、銀の捌きに特徴がある。
一時、「棒銀男」の異名をとった。
純粋居飛車党。
駒落ちの場合以外は、振ることはない。
一手違いの激しい勝負を好む。

相手が飛車先をついてくるので、
棒銀を警戒し、77角から88銀とあがった。
本来なら、68銀として、右四間飛車に誘導する手もあるが、
そうしたときに、棒銀でこられるとまずい。
相手も、角換わりは避けようとするので、
本来は68銀と突っ張りたいのだが。
銀の位置ひとつで、優劣は極端に変わる。

案の定、44歩から角換わりを拒否されたので、
右四間飛車にくむ。
作戦負け。
銀が進出してきて桂の捌きを抑えられた。
34歩が拠点だったが、
巧妙に受けられ、金が進出してきて、
この歩をただ取りされたのが敗因。
勝負は、終盤の入り口で決まったが、
形だけは作った。
わたしが、そのような考え方をしたのかどうかは
わからなかったらしい。
爽やかな後口が残った。









































対局日誌73~ライバルBさんとの闘い①~

2019-04-28 20:43:27 | 対局日誌

地域の将棋サークルにて8局。
5勝3敗。

ライバルBさんとの一局。

彼は、将棋に熱心になって、間がない。
にもかかわらず、センスが良い。
そして、よく読む。
相手も、私も、
充分時間を使う。
待った、2歩、王手放置など、論外である。

彼の棋風は、まだ定まっていない。
だから、いつ指すときも、
作戦から、序盤、中盤、
もちろん終盤、
じっくり考える。

本日は、角換わり腰掛銀となった。

序盤から、
注意深く指す。
どうも、彼は、この戦法に
まだ慣れていないようだ。

だから、手を抜く、ということはしない。
手を抜くのは、失礼である。

たとえ、相手が10連敗の戦績でも、
全力で戦う、
というのが、
わがサークルのモットーである。

Bさんは、よく考えた。
ただ、角換わり腰掛銀の経験があまりない。

対して、
わたしは、これが得意戦法のひとつであった。

「であった」というのは、
ある理由から、
今ではオールラウンダーになったからである。

緩みなく攻めて、勝ち。

Bさんは、連休中、ずっと将棋を勉強するそうだ。
いいじゃないか。
ぼくも、しっかり勉強して、
返り討ちにしてやろう。

(Bさん、ひょっとして、これ、読んでいるだろうか(笑))


















対局日誌72 ~コーちゃんとの対局②~

2019-04-26 19:01:52 | 対局日誌



無料対局道場で数局。

コーちゃんとの対局。
この方は、中飛車党である。
中飛車に関してはベテランだから、なかなか勝てない。
しかし、
「あなたの居飛車が見たい」とリクエストすると、
応じてくれる。

本日第1局。
得意の中飛車できた。
意地を張って、相中飛車。
超急戦で、こちらが踏み込んで
攻撃し、駒得をする。
緩みなく攻めて、
快勝。

第2局。
また、相中飛車。
これは持久戦となり、
押したり引いたり。
お互いに手筋を駆使する。
結果は、わたしが幸いした。

第3局。
今度は、居飛車できた。
相手の注文に応じ、
相腰掛銀。
65角と打たれ、
受けに回る。
一段落ついたところで、
猛攻を仕掛けたが、
詰めろをかけられ、
即詰みに打ち取られた。

コーちゃんとの対局は、楽しい。









対局日誌72~T三段との戦い~

2019-04-25 20:43:42 | 対局日誌

本日は、定例の佐伯九段将棋サロンに行ってきた。
今日は、平成最後のトーナメント大会。
3つのクラスに分かれて戦い。

その第1局。

相手は、ライバルのT三段。

彼は、中飛車党(らしい)。
ゴキゲン中飛車できた。
それなら、私もゴキゲン。
ゴキゲン中飛車対策は、バッチリ。

さて。

定跡通りに来れば、研究範囲内である。

ところが。

はやくも6手目に仕掛けてきた。
ふむ。
これでは、定跡の知識が役立たない。

で、ものすごい急戦に。

9手目に53飛車と打ったつもりが、
なんと角を打ってしまった。

それでも勝負に持ち込んだ。

相手の銀得に対し、
馬を作って対抗。

しかし、
序盤の一手の失着が響いた。

無念の投了。

彼は、準優勝に輝いた。

感想戦は30分に及んだ。

負けて悔しいけど、
はないちもんめ。











対局日誌71 ~昇段の一局②~名実ともに

2019-04-22 11:06:51 | 対局日誌

地域将棋サークルにて1局指した。

相手は、Nさん。

久しぶりに指した。

矢倉の将棋。
互いに切りあい、押したり引いたり。
1手の意味を深く考えながら指した。
思い切って攻めこみ、
一気につぶすことを考えたが、
うまくかわされた。

最後は、即詰みに打ち取られた。

これで、Nさん、昇段。

会の会長になったばかりで、
名実ともに
ナンバーワンになられた。

対局日誌70 ~印象に残る対局~昇段の1番

2019-04-22 09:59:35 | 対局日誌


38年前、
わたしは、藤沢の湘南将棋道場に通っていた。
有段者となり、
小学校4年生のM君とよく指した。
彼も、だんだん上達し、
1級になっていた。

「奨励会に入るの?」
「才能ありません」
「どっちが先に奨励会にはいるかな?」

などと冗談を言いながら。

ある日、
静かに1局指した。

負けた。

実は、そのとき知らなかったのだが、
昇級の一番だったのだ。
M君は、初段になった。

師匠の佐伯昌優先生。
「おめでとう。」

そうだったのか。

昇段の1番を、わたしに指させてくださったのか。

自然に、
「ありがとうございます」
という言葉が出た。

ほんとうに、うれしかった。





対局日誌その69~コーちゃんとの対局~

2019-04-21 21:27:48 | 対局日誌


地域の将棋サークルにて1局。

相手は、勝手知ったるコーちゃん。
このところ、分が悪い。

ライバルとして、認め、
同じ場所にいて、
力が拮抗しているのに、なぜか対局の機会がない。

久しぶりで対局できた。

相手得意の中飛車に対して、
三間飛車で応じる。
序盤、ミスをして、1歩損。
これが、最後まで響いた。

けれども、一進一退で、
押したり引いたり。
一瞬も気を抜けない。

そもそも、
「対局しよう」と言うので、
「今日は調子が悪いんだ」と言うと、
「それがわかっているから勝負するんだ」

と、
言うのだ。

わかっとる。
(わしは、浮かれとるんじゃ。)


あなたにはわかるだろう。

認めあっている。

で、中盤、一瞬逆転したか、
と思ったが、
手を緩めてくれない。

ついに撃沈(笑)。

そのあとが本番。

1手目から全部並べ直し、
感想戦1時間。

簡単にいかんことくらい、
わかっとるわい。

読みを披露しあい、
もう1局指せるくらい議論。

「実は、4連荘で疲れ切っとるんじゃ」

とホンネを言う。
ごまかせるような相手ではない。

コーちゃんは、賢い。


感想戦を1時間するなんて5年ぶりだ。

「明日はまた指そう」

と言って、別れた。

コーちゃん、明日のおれは今日ののおれじゃないよ。

生涯学べ(o^―^o)ニコ