いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

障碍への目

2019-08-31 20:31:09 | ペット


夕方5時、
趣味のサークルからの帰り道、
飼い主と犬が前を歩いていた。
犬は、大きなブルドッグ(最近犬を飼ったことがないので正確な名はわからない)
のような種類で、
歩きかたに、特徴があった。
4本の足がみんな内股で、
ひょうきんな、しかし、苦しげな足運びだった。
後ろからなので気づかれる心配はなく、
なにか複雑な気分でながめていた。

すると、ひとりの女性が立ち止まって、笑顔で頭をなでる。
連れの男性も、やさしそうに見ている。
飼い主の様子には、変わりはない。

あ、障碍を持っているんだな、とわかった。

そのとき、
あの犬は幸せなんだな、と思った。
障碍をもっていても、
それゆえになお、
愛される。
恵みだ。

健常な犬には、それなりの恵みがある。
しかし、障碍をもったあの犬は、
また別の恵みをいただいている。

その恵みは、どちらが上、というものではない。
まったく違った恵みなのだ。

そこで気がついた。
私は、さかんに、
障碍をもった人に、理解をもって、優しく接してほしい、
と主張してきた。
それって、おかしくないだろうか。

障碍があろうと健常だろうと、
違った種類の恵みをいただいているだけだ。
めくじらたてて「偏見をなくしましょう」
と言うこと自体、差別ではないのか。

そう、その差は連続的なものであって、
程度が違うだけでもあるのだ。

ひとつの気づきを与えてくれたワンちゃんと、
ワンちゃんを笑顔でなでていた女性に教えられた。

感謝。








カナリア「ピー」の一生~その2~

2018-11-27 19:52:39 | ペット

わたしは、
ピーの死体を、
植木鉢から
とりだし、
ビニール袋に
入れた。
黒土で、ところどころ、
ぶちになっていた。

広島の実家で

死体を
庭に埋めようとした。

が、
母か、
庭に埋めてよいかどうか、
市役所に問い合わせた。
了解を得て、
庭に埋葬することになった。
母は、黒ずんだピーをみて、
「ああ、こよおうになって」
悲しんだ。

そのとき、
母は、
大地に帰るのだから、
ビニール袋から
出しなさい、といった。

そのようにした。

板で、
墓を作り、
ねんごろに
弔った。

カナリア「ピー」の一生~その1~

2018-11-27 19:39:58 | ペット

かつて、
カナリアを飼っていた。
変わったカナリアだった。

カナリアのオスは、
メスを読んで囀る。

うちのピーは、
少し違う。

わたしを恋して鳴くのだ。
電話していると、
ピーの囀りが聞こえてくる。

そして、
手乗りでもないのに、
籠の前で
「ピー」と
呼ぶと、
うれしそうにはばたくのだ。

嬉々として、とびまわる。

そのピーは、
病気で、帰らぬカナリアとなった。

アパートに住んでいたので、
土に埋めることができない。
そこで、
近くの空き地から
黒土をとってきて、
死体を植木鉢に入れ、
保存した。

実家で庭に埋めようと、
ビニール袋に
死体を埋めた。

その死体を、
広島に持ち帰ったのだが………