いがらしゆみこ 水木杏子 「キャンディ♡キャンディ」 講談社なかよしコミックス
まぁ、何と言いますか。色々大人の事情(著作権が絵にあるか原作にあるか…)で
アニメも漫画も絶対(ってことは世の中にないけども、多分もう)無い、昭和少女漫画。
そばかすなんて気にしない~鼻ぺちゃだって気にしない~と開き直りの歌詞、
オルガンのメロディ、タータンチェックの男スカート…まぶたの裏で走馬灯のように蘇りますね!
読めないとなると読みたくなるのが、人情です。
実は大してキャンディが好きではなかったのですが、こちらでポチりました。
幼少のみぎりに読んだ時でも、ルックスもかわいくないし乱暴なキャンディが好かなくって、
大人しくて女の子らしいルックスもかわいいアニーが大好きで、
孤児院にいた事を隠したい、アーチやステアに知られたくないって気持ちは当然だと思うから、
キャンディがそのことを責める、というか気が弱い、とか思うのがうーん…。
きっついいやがらせしなければ自分に正直なイライザがいいなぁと思ってました。
ルックスもそう悪くないし、アニメだとちょっと顔色悪いですが。
んで、大人になって読み返して…やっぱ、諸悪の根源とまではいかなくても、
キャンディと出会わなければ、アンソニーは落馬しなかったろうし、テリィも貴族の跡取りとして
暮らしていけた訳で、たとえそれが望んでなかったにしても、
あんなスザナみたいなへばりついて離れない女なんか寄って来なかった!と憤ってしまいました。
キャンディの、いや少女少年漫画の主人公における、一生懸命正義感、現状を打破!とかって
実は壊し屋クラッシャーなだけで、ちっともよくないことが多いんですよね…。
喜怒哀楽が激しくて結局、問題行動を起こしてテリィも巻き添え食って学校を退学(放校)
看護学生になるも失敗ばかり、そりゃ失敗は誰でもするだろうけど、すぐに怒るし、
仕事だけはちゃんとすると思ってた、とフラニーが怒るのは無理もないのです。
一生懸命=正義みたいな、なんというか参加する事に意義がある、は、100%正しくはないですよね。
結果を残してこその、一生懸命で、なんかねぇ…。
大人になって読み返すと、キャンディの傍若無人な所が痛快ではなく、
ただの無知で子供(いや、子供なんですけどね…)に思えてしまって素直に楽しめないですね。
水木杏子こと名木田恵子とはもめにもめたせいで、「ティム・ティムサーカス」も
絶版ですか。。。。