排膿

2011年01月30日 20時03分06秒 | B地点 おむ

 

 

おむさん。

保護されてから、三日め。
前日にいったん出血したものの、その後は特に問題もないまま30時間が経過した。
08時30分。

私なりに、触診してみる。

傷口(カサブタ)は完全に乾いて、ガサガサしている。(周囲にこびりついているのも、前回出血した時の血が乾いたものである。)だが、患部を軽く押してみると、カサブタの下は、なにやら、ブヨブヨしている ―― 。

目視した限りでは、ふくれているようにも見えないが、しかし、内部が少し化膿しているのかもしれない。
14時40分。

剥がれかけたカサブタの周囲の隙間から、自然に膿汁が出てきた ―― 。

化膿止めを飲ませてはいるのだが、やはり、少し膿んでしまったのだ。
「もし化膿したら、外科的に排膿する」というのが獣医師の方針であったことは、既述の通り。

ところが運の悪いことに、この日は日曜で、かかりつけの動物病院は休診である。

費用の問題もあるので、他の病院を探すことはせず、私自身が膿を出すことにした。

おむさんの頭部を押さえ、畳んだウェットティッシュを患部に当てて、膿を押し出す。この作業を、何度も何度も繰り返す。

ティッシュを15枚ほども取り換えたろうか。結局、何も出なくなるまで、膿を絞り出してしまった。

(この処置は良かった、と、後日、獣医師にホメられた。もっとも、獣医師なら、患部を切開したであろうが。)
意外なことに、この処置をしている間、おむさんは全く痛がりもイヤがりもせず、私にすっかり身を任せていた。

治りかけの傷というものは、ムズムズするものである。そこをギュッギュッと強く押さえてもらったので、気持がよかったのだろう。或いは、膿を出すことに意味があるということを、本能的に知っているのかもしれない ―― 。

20時00分。

傷口はきれいになり、カサブタがある部分は、凹んでしまった。カサブタは再び乾いてきた。

化膿止めの抗生物質は、あと数日、投与を継続。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


仲良くなれるかな?

2011年01月30日 16時30分29秒 | B地点 その他

 

 

よっちゃん。
ゆうちゃん。

前日の、初顔合わせ(?)の時は、些か不穏な雰囲気だった、この二匹。

(※参照、「もどってきたよ」

今日は ―― 距離を置いて、睨み合っている。張り詰めた空気。

そんな二匹を見守るのは、おかか先生。
どうなることか!? とばかりに、身を乗り出して注視している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


声が聞こえる

2011年01月30日 15時43分08秒 | B地点 おむ

 

 

読者もよくご存じのことであるが ――

猫という動物は、互いに遠く離れていても、「心の声」で会話することができる。

俗に言う、テレパシーである。
だが、テレパシーで会話するためには、すさまじい精神集中を必要とする。

この日、おむさんは、患部から膿汁をしぼり出す処置を受けたため、精神を集中することができなかった。
ぐったり
「むっ!? 奴からのテレパシーが途絶えた!」
「奴の身に、何かあったのでは……」
「えっ!? 大変だ!」
「僕、大声で呼んでみるよ!」
「無駄だよ。やめておけ」
「いくら大声を出しても、肉声があそこまで届くはずがない」
「で、でも、僕、じっとしていられない……」
「とにかく、呼んでみるよ!」
「おむさあああ~ん!」
「おむさあん!」
「おむさぁあああああ~~~んっ!!」
「はっ!?」
「き、聞こえる! ゆうちゃんの声が!」
「ゆうちゃあん!」
なんと、このエリザベスカラーが、集音器の役割を果たしたのだ!

ゆうちゃんの叫び声が、物理的に届いたのである。
「ううっ。僕、がんばるよ……。もうすぐ帰るよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


名探偵の危機

2011年01月30日 15時41分55秒 | B地点 その他

 

名探偵ホおむズ 事件簿019


怪盗ルパンは、形のないものを奪うのが得意である。

これまでに、「オチ」、「体温」、そして、「お株」を奪った。
「ふっふっふ……」
「き、貴様、今度は何を奪うつもりだ!?」
「ホおむズから……自由を奪ったぞ!」
「な、何っ!?」
←自由を奪われた
「しまったーっ!」
「わ~っはっはっは~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ひっくり返っちゃうよ

2011年01月30日 13時22分32秒 | B地点 おむ

 

「おしっこ、したよ」
「あっ、しまった!」

ガタッ ザザー
「……あ~あ。またやっちゃった」
「困ったなあ。どうすればいいのかなあ」

「……え? 針金で固定?」

「うん! こりゃいいね!」
「もう、ひっくり返らないね!」
「僕は、ひっくり返っていいよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


望みはただ一つ/転倒防止策

2011年01月30日 07時06分13秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんは、絶対に、室内生活には、なじめない。
「お座敷猫」には、なれない。

つまり、飼うことができない猫である。

これは、前回(二年前)の保護の時に、はっきりわかったことだ。
このブログにも、書いておいた。

とにかく、外に出たがる。
より正確に言えば、自分のテリトリーに帰りたがる。

保護中、おむさんの心にあったのは、そのことだけ。
あの川岸に帰りたい、ということだけである。

(幼猫であれば、「可塑性」があり、生活の変化に順応できるだろう。だが、おむさんは、おそらくもう10歳以上。新しい生活になじむことは、無理なのだ。)

  * * * * *

保護したその晩から、「夜鳴き」が始まった。
それは日を追って激しくなった。

前回の経験から、覚悟していたことだが……。

川原では聞くことのできない、激しい声で、
あるいは、切ない、悲しい声で、
おむさんは、いつまでも鳴き続ける。

明け方には、声が、かすれてくる。
それでも、鳴くのをやめない。

やがて、昼夜の別なく、鳴くようになる。
「ここから出してよ、いつもの場所に帰りたいよ」
―― と、すさまじい声で、ひたすら鳴き続ける。

   *  *  *  *  *

窓の外の、光と音。
わずかな隙間から入ってくる風、香り。
それらに反応して、おむさんは、狂ったように、鳴き続ける。

さて。

そんなおむさんは、障子や襖を開けてしまう。
障子を固定すれば、障子紙を破ってしまう。
だから、ケージが必要である。

私が在室している間は、ケージから出せるが、
私が部屋から出るときや眠るときは、
おむさんをケージに入れる。

   *  *  *  *  *

小さいケージを買ったのを、後悔している。
仔猫にはちょうどいい大きさなのだが ―― 。

しょうがないので、横に倒して使った。

小さなケージに合せて購入したトイレが、
これまた、たいへん小さいものなので、
どうしても、こういうことになってしまう。
銅の太い針金があったので、
トイレが倒れないように工夫をした。
トイレを動かすときは、
針金をぐにゃりと曲げればよい。

これでもう、大丈夫。