おむさん。 保護されてから、三日め。 | |
前日にいったん出血したものの、その後は特に問題もないまま30時間が経過した。 | |
08時30分。 私なりに、触診してみる。 傷口(カサブタ)は完全に乾いて、ガサガサしている。(周囲にこびりついているのも、前回出血した時の血が乾いたものである。)だが、患部を軽く押してみると、カサブタの下は、なにやら、ブヨブヨしている ―― 。 目視した限りでは、ふくれているようにも見えないが、しかし、内部が少し化膿しているのかもしれない。 | |
14時40分。 剥がれかけたカサブタの周囲の隙間から、自然に膿汁が出てきた ―― 。 化膿止めを飲ませてはいるのだが、やはり、少し膿んでしまったのだ。 | |
「もし化膿したら、外科的に排膿する」というのが獣医師の方針であったことは、既述の通り。 ところが運の悪いことに、この日は日曜で、かかりつけの動物病院は休診である。 費用の問題もあるので、他の病院を探すことはせず、私自身が膿を出すことにした。 | |
おむさんの頭部を押さえ、畳んだウェットティッシュを患部に当てて、膿を押し出す。この作業を、何度も何度も繰り返す。 ティッシュを15枚ほども取り換えたろうか。結局、何も出なくなるまで、膿を絞り出してしまった。 (この処置は良かった、と、後日、獣医師にホメられた。もっとも、獣医師なら、患部を切開したであろうが。) | |
意外なことに、この処置をしている間、おむさんは全く痛がりもイヤがりもせず、私にすっかり身を任せていた。 治りかけの傷というものは、ムズムズするものである。そこをギュッギュッと強く押さえてもらったので、気持がよかったのだろう。或いは、膿を出すことに意味があるということを、本能的に知っているのかもしれない ―― 。 | |
20時00分。 | |