イキなことをしてみたい

2009年12月16日 16時25分00秒 | B地点 おかか

 

 

「どっこいしょっと」

「……お気に入りのリュックに乗ったはいいけど」
「寒いなあ」
「うむ。今日は特に寒いな」
「……よし! 私に任せろ」
ぽっふん
おかか先生は、おむさんの背中に、優しく尻尾を載せたのだった。
「どうだ? 暖かいだろ?」
「……あの……せっかくですが……尻尾だけじゃ……あんまり暖かくありません」
「ふふ。そう言うな。要は思いやりだよ。気持の問題さ」
「気は心。ハートが暖かくなるだろ?」
「な、なるほど。気は心、ですか……!」
「うーん、さすがおかか先生。イキだなあ!」

すっかり感心したおむさんは、先生のマネをしてみたくなった。
―― やがて、先生は用を足しに行った。
「先生っ! お尻をナメナメしてあげますよ!」

「わわっ!?」
「な、何をするっ!」

「ご遠慮なさらず! 思いやりです! 気は心ですよ!」
「お尻をナメナメするのは、ちょっと違うぞ……」

「え? そうですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


けんか

2009年12月15日 15時28分00秒 | B地点 おかか

 

 

おむさんと、
おかか先生は、
仲良しだけれど、でも、時々、けんかをする。
そんな時、
おかか先生の表情は、とても悲しそうだ。
おむさんの表情は、険しい。
どんなに仲が良くても、諍いは必ず起こるものだ。
そんな時、おかか先生は、辛そうだ。
おむさんも、苦しそうだ。
―― 暗い表情のまま、おむさんがリュックに座る。
おもむろに、おかか先生もやって来て、
おむさんの隣りに座る。
きっと、すぐに仲直りするだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今日までの軌跡

2009年12月15日 12時28分00秒 | B地点 その他

 

 


撮影日 08月12日

シンジ君の話をしよう

既に掲載したエントリとの重複もあるけれど

まだ結末のないストーリーだけれど


撮影日 同上
シンジ君が現れたのは八月の半ばだった

撮影日 同上
ガリガリに痩せていて

撮影日 同上
被毛もボロボロだった

撮影日 同上
顔は、洟や目やにで汚れていた

撮影日 同上

撮影日 08月13日
これでは生き延びられないだろうと思われた

撮影日 同上
だが、シンジ君の瞳の奥には、力強い光があった

撮影日 同上

撮影日 09月04日
九月に入っても、シンジ君は逞しく生きていた

撮影日 10月20日
十月には、見違えるほど立派になった

撮影日 同上
顔付きも精悍になった

撮影日 12月10日
やがて ―― ボランティアさん達によって捕獲と保護が行われた

撮影日 同上
そして、私の書斎がシンジ君の仮の住まいとなった

撮影日 12月11日
鳴くときに下の牙が光るこの表情は、変わっていない

撮影日 同上
瞳の奥の不思議な光も、あの頃と同じだ

撮影日 12月12日
シンジ君は、暴れたりしないし、噛むことも、引っ掻くこともない

撮影日 同上
トイレも上手に使える

撮影日 同上

撮影日 同上
いよいよ「里親募集」が始まった

撮影日 12月15日

撮影日 同上
シンジ君は今、私の膝の上で、のんびり喉を鳴らしている

撮影日 同上
もし期日までに応募が無ければ、シンジ君は元の場所にリリースされる

撮影日 同上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


嵐を呼ぶ男

2009年12月14日 16時31分00秒 | B地点 おむ

 

 

オムイ外伝シリーズ 第三部(武芸帳篇) 第48話



オムイの命を狙う、追忍である。

タッタッタッ
「オムイ! 覚悟せい!」

「む、追忍か!」
「俺は尻尾を鍛えたッ」
「し、尻尾を!?」
「鍛えに鍛えた、この尻尾で、」
「貴様を倒ぉおおーーすッ!」

ダダッ
追忍の尻尾が、
オムイの顔面を直撃した。

バキッ
「ぐはッ!?」

更に、もう一撃。

ビシッ

「ぐはあーッ!」

オムイ、絶体絶命の危機である。
「くッくッく! 今日が貴様の命日だな!」
「う、ううッ……」

オムイは念じた。一心に念じた。
「来たれ、寒波よ! 来たれ、北風よ!」
するとその時、猛烈な吹雪が!

びゅわ~~~ッ
「うわああっ!?」

追忍は、もろに吹雪に巻き込まれてしまった。
オムイは毛布を被っていたので無事だったが、
追忍は、体の芯まで凍えてしまった。

「あああ……も、もうダメだあああッ」
「う、うう……」
ガクッ
「か、勝った……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


侵入警報発令

2009年12月13日 16時04分00秒 | B地点 その他

 

 

おかか先生が、リュックの上でのノンビリ過ごしている。
おむさんも、ノンキに遊んでいる。
と、そこに近付いてきたのが、チビ君である。
チビ君は、いつぞやのように、お散歩中のワンちゃんと一緒に歩いていて、いつの間にかおむさん達のテリトリーに侵入してしまったのだ。
し、侵入者かっ!?  ―― と、スクランブル発進するおむさん。
おかか先生もリュックから降り、緊急出動。
その間にチビ君は、完全にテリトリー内に入ってしまった。
チビ君の挙動を注視する、おむさん。
テリトリーの境界付近で待機する、おかか先生。
チビ君は茂みの中に隠れてしまった(矢印)。

おむさんは、チビ君を連れてきたワンちゃんに事情を聞いている。
おむさんは、ワンちゃんの話に、一応、納得したらしい。
そして、いきなりキッス!
チビ君は、とまどっているようだ。
おむさんが、更に何かを語りかける。
び、微妙な前肢! すわ猫パンチか?
……いや。平和的な話し合いが続くようだ。
チビ君は、おかか先生にもアイサツをする。
初対面のアイサツが済んだらしい。
他方おむさんとしては、まだまだチビ君に言いたいことがあるようだ。
何やら諄々と説いている様子。
チビ君はチビ君で、物怖じしない。
ああっ、またしても微妙な前肢!
や、やはり猫パンチかっ!?
……いや、両者とも、理性的である。

結局、仲良しになったようだ。