黄色い物体、走る!

2009年12月09日 16時43分00秒 | B地点 おかか

 

 

「いやあ、寒いなあ」

「地面の上にじかに寝るのは、冷たくてかなわん」
「やっぱり毛布の上がいいな」
「……それにしても、おむの奴、遅いなあ」
「今日も奴に薬を塗ってもらわにゃならんのだが」
「……奴のリュックか」
「奴が来るまで、このリュックの上で待たせてもらおう」
「うん。快適だ」
「……快適ではあるが」
「やはり寒い……」
おかか先生は、黄色い毛布の下にもぐり込んだ。
そして、いつの間にか、眠ってしまった……。
「うわああーーーっ!?」

―― 突然、背中に衝撃を感じて、先生は目を覚ました。
遅れてやって来たおむさんが、先生に気付かず、毛布の上に(つまり先生の上に)乗ってしまったからなのだ。

先生は驚いて、毛布をかぶったまま走り出した。

おむさんは、慌てて先生を追った……。
―― そんなハプニングもあったけれど、とにかく今日も平和だった。
とにかく今日も、ふたりは仲良しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


犬に嫉妬

2009年12月09日 16時13分00秒 | N地点

 

 

チビ君である。
既にお伝えした通り、チビ君はこのワンちゃんが大好きである。
今日はワンちゃんが赤い服に着替えてきたので、チビ君も一層はしゃいでいるようだ。
男爵Aとしては、はなはだ面白くない。

(「男爵A」というヘンな名前であるが、サビ猫である以上、乙女である。)

「アタシというものがありながら、よりによってイヌに恋するなんて……!」

とか何とか考えて、腹を立てているようだ。
だから男爵Aは、
チビ君を無視することにした。
チビ君は、困ってしまった。
誠心誠意、話をすれば、男爵Aもきっと気分を直してくれるだろう。
というわけで、チビ君は一所懸命に説明をした。
ちゅっ
……どうやら、仲直りしたらしい。