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これは、おなじみ「課長のイス」である。
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さてこの日 ―― 作者は、このイスを持ってくるのを忘れて、家に置いてきてしまったのだった。
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そこで、作者はあぐらをかいて座った。 |
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そこへ、おかか先生がやって来た。 「ほほう。あぐらの上の座り心地はどうかね？」 |
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「いい気持ですよ」 |
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にやり 「……先生も乗ってみますか？」 |
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「な、何っ！？」 |
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「い、いや……私には無理だよ……」 |
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「別に難しくないんですがねえ」 |
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「だ、だが、お前も知っての通り、私は一度もニンゲンの膝に乗ったことがない」
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「絶対ニンゲンには抱かせない！ それを信条として生きてきたのだ……」
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「しかし……あぐらには、乗ってみたい気もする！」 |
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「乗ったら……一体……ど、どうなるんだ！？」 |
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「ああっ」 |
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「な、悩むなあ。どうしたらいいんだ！ 」 |
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「乗るべきか、否か！？」 |
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「ああーっ、助けてくれーっ！」 |
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「……ま、とりあえず、いつも通りリュックに乗っては？」 |
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「はっ！？ そ、そうか！ そうだな」 |
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すたすた |
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ぽっふん |
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「ふふ。やれやれ……」 |
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