「まごころ」を探せ

2009年12月07日 15時47分00秒 | B地点 おむ

 

 

「ひとつお前に、頼みがある」
「はい。何でしょう?」
「私のために、『まごころ』を見付けてくれ……」
「え……? まごころ、ですか……?」
「うむ。すぐ近くにあるはずだ」
おむさんには、先生の頼みの意味が、よく解らなかった。
「まごころ」などという抽象的なものが、そこらに落ちているわけがない。
だが、他ならぬおかか先生の頼みなので、ともかく探してみることにした。
近くをあちこち探し回ってみた。
しかし、当然ながら、見付からない……。
「おかか先生、ごめんなさい」
「お探しの『まごころ』は、見付かりませんでした……」
「いや、お前は見付けてくれた」
「妙な頼みを引き受けてくれたのは、お前が『まごころ』を持っているからだよ」
「……ふふ。許せ。ちょっとキザなことをしてみたくてな」