王様の耳はロバの耳

2009年12月21日 16時21分00秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんは、ブルーな気分だった。

というより、ムシャクシャしていた。
おかか先生と、ケンカをしてしまったからである……。
そこでおむさんは、この「秘密の穴」の所に来た。

ご覧の通り、ここには小さな穴があいているのだ。
おむさんは、イライラした時には、この穴の中に向かって大声で叫び、ストレス解消をするのである。
「おかか先生の、ばか~~~っ!」
「あ~、スッキリした♪」
ところが、おむさんが、ふと脇に目をやると、
そこに、おかか先生がいた。
「ああっ!?」
「おい……まる聞こえだぞ……」
「すっ、すいませんっ! 先生がそこにいるとは知らなかったものですからっ」

ぺこぺこ
「というわけで……やり直します」
「おかか先生の、おりこうさ~~~んっ!」
「今さら遅いわっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


オトナは子供よりも子供っぽいのである

2009年12月21日 15時51分00秒 | B地点 おかか

 

 

この日、小さな女の子がやって来た。

しかし、おかか先生は子供が苦手である。


※参照、「コドモは動物以上にアニマルである」

だから先生は、高い所に逃げてしまった。

「おい、子供には気を付けろよ……」
「な~に。大丈夫ですよ」
「いや、油断ならん。子供ってのは何をするか分からんぞ!」
「大丈夫ですってば。先生、ほんとは羨ましいんでしょ?」
「ふ、ふん! 羨ましいもんか。どうなっても知らんぞ」
おむさんは上機嫌である。

「おや、今度は首に掛けてくれるのかい?」
「ふふ。どうもありがとう」
「あ、あががっ!?」

一瞬の、不幸な事故であった……。
「そ~れ見ろ。言わんこっちゃない」
―― とまあ、そんなこともあったけれど、
子供嫌いのおかか先生も、結局は、
この有様 ―― 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


昨夜、宇宙人が来たらしい

2009年12月20日 16時26分00秒 | B地点 おかか

 

 

おむさんである。
いつもの黄色い毛布の下で、うとうとしている。
そこへ、おかか先生が、血相を変えてやって来た。
「おい起きろ!」

「……は?」
「おい大変だ! えらいこっちゃ!」

「ど、どうしたんですか?」
「じ、じじ、実は、昨夜のことだが」

「さ、昨夜……?」
「宇宙人に、へそを盗られた……!」
「えっ!?」
「へそを盗られたですって!?」

「うむ! お前は大丈夫だったか?」
「ま、まさか……」
「あった! 先生、僕のへそはちゃんとありますよ!」
「へー。そう?」
「……」
「ちぇっ。だまされた。しかもダジャレ……」
「はっはっは~!」

 

 












 

 

 

 

 

 

 


ほのぼのパターン

2009年12月19日 16時22分00秒 | B地点 おかか

 

 

おかか先生が、のんびり毛繕いをしている。

「……はて」

「そろそろ日が暮れるぞ」
おむの奴、まだ来ない」
「まさか事故にでも遭ったんじゃ……」
「先生、こんばんは」

「おお、来たか……」
「どうかしましたか?」

「いや別に。無事ならそれでいいのさ」
「リュックに乗っていいですか?」

「いいとも。お前のリュックじゃないか」
「でも……先生も乗りたいでしょ?」

「む……。だが、お前のために空けておいたんだぞ」
「じゃ、こうしましょう」

「ん?」
「僕は、カメラのお兄さんの膝に乗ります」
「先生は、どうぞリュックに」

「そうか? すまんな」

「どっこいしょ。ありがとう。いい気持だ」

―― これが最近の、ほぼ毎日のパターンなのです。


(※かなり実話: 参照、どうかいつまでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


単なる記録

2009年12月18日 13時56分00秒 | B地点 おかか

 

 

この日、作者にはヤボ用があったけれど
先生に眼軟膏の塗布だけはして差し上げたかった
そこで作者はいつもと少し違う時間に、おかか先生の許を訪れた
それでもおかか先生は喜んで下さったようだ
例によって「お尻ぽんぽん」もして差し上げた
先生は大変ご満悦の趣であらせられた
しかし作者は、早々に先生の許を辞さねばならなかった
後ろ髪を引かれる思いであった
そんな日もある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


逆転の発想

2009年12月17日 15時56分00秒 | B地点 おかか

 

 

オムイ外伝シリーズ 第五部(人情濃厚篇) 第26話



追忍は、考えた ―― 。
いつも、最後には「グハー」で負けてしまう……。
……逆に考えたらどうだろう?
そ、そうだ! 「グハー」を武器にするのだ!
今度オムイと対決する時は、いきなり「グハー」をぶちかましてやろう! さだめし奴も驚くだろう。
ふッふッふ。いっそ、「グハー」を連発してやろうかな?
倒せぬまでも、奴の機先を制することができるだろう!
「よし! さっそく練習してみるか!」
「ぐはーッ」
「ぐはあーーッ!」
「ぐはああああぁあぁあーーーーーーッ!」
「ぐはあーーーッ」
「ぐはーッ」
「ぐ、ぐはあぁ……」
「……」
なんだか、馬鹿らしくなってきた。
自分が惨めに思えてきた。
これが武器とは……余りにも情けないではないか。
「う、ううっ」
涙が出てきた。
追忍は、毛布をかぶり、顔を隠して、忍び泣いた。