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「どっこいしょっと」 |
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「……お気に入りのリュックに乗ったはいいけど」 |
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「寒いなあ」 |
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「うむ。今日は特に寒いな」 |
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「……よし! 私に任せろ」 |
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ぽっふん |
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おかか先生は、おむさんの背中に、優しく尻尾を載せたのだった。 |
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「どうだ? 暖かいだろ?」 |
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「……あの……せっかくですが……尻尾だけじゃ……あんまり暖かくありません」 |
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「ふふ。そう言うな。要は思いやりだよ。気持の問題さ」 |
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「気は心。ハートが暖かくなるだろ?」 |
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「な、なるほど。気は心、ですか……!」 |
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「うーん、さすがおかか先生。イキだなあ!」
すっかり感心したおむさんは、先生のマネをしてみたくなった。 |
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―― やがて、先生は用を足しに行った。 |
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「先生っ! お尻をナメナメしてあげますよ!」
「わわっ!?」 |
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「な、何をするっ!」
「ご遠慮なさらず! 思いやりです! 気は心ですよ!」 |
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「お尻をナメナメするのは、ちょっと違うぞ……」
「え? そうですか?」 |