シンジ君が私の書斎にやってきたのは、12月10日の夜であった。 | |
その日の深更(正確には12月11日の01時頃)、私はシンジ君に「おやすみ」を言って、寝室に引き上げた。 | |
そして翌朝、見てみると ―― | |
「ぐ、ぐはあーッ!?」(私の声) | |
「ご、ごめんね。僕、ケージに慣れてないもんだから……」 | |
更に、その日の昼にも ―― | |
「ぐはああああーーーッ!」(再び私の声) | |
「ご、ごめんね」 | |
「だって……トイレが小さすぎるんだもん」 | |
そう。その通り。 シンジ君の名誉のために、解説しておかねばなるまい。 | |
私が用意したケージは、小さめであった。 (ちなみに、後ほどボランティアさんからうかがったところでは、小さめのケージのほうが、猫は暴れることなく早く慣れるそうだ。) さて、ケージに合わせて用意したトイレが、これまたかなり小さめであった。従って、ひっくり返り易かったし、砂も外にこぼれ易かったのである。 | |
私はトイレの底に重しを入れるなどの工夫をした。 ―― しかし、こんな「事件」も、最初の一~二日だけであった。 | |
賢いシンジ君は、すぐにトイレの使い方を覚えた。 三日目頃からは、ほとんど問題なくトイレを使えるようになったのである。 | |