働く惑星

2009年01月19日 16時26分00秒 | B地点 おむ

 

 

 

※ ご注意 ※

以下は、『惑星ソラリス』のパロディです。いえ、パロディというほど立派なものではありませんが、ともかく、『惑星ソラリス』/『ソラリス』/『ソラリスの陽のもとに』の前半の核心となる設定の一部が、以下で用いられています。つまり、いわゆる「ネタバレ」です。映画および/または小説を未見/未読の方は、以下をご覧にならないよう、おすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

課長おむ耕作である。
惑星ソラリスにたった一人で出張中なので、無聊をかこっている。
ところで、ソラリスの海は思考を現実化してしまう。
そこで耕作は、「串刺しにされた自分」や、
「胴長になった自分」などを現実化して、ヒマつぶしをしていた。
しかしやはり退屈なので、
腹心の部下、係長おかか豊作を思考してみた。

やがて、おかか豊作が現れた。

(直下につづく)

 

 

暫くは二人で楽しく過ごすことができたが、やはり退屈である。

そこで耕作は、「おかか豊作の顔がとんでもないことになる」と思考してみた。
その思考はたちどころに現実化された。

「あひゃっ!?」
「あーはっはっはーっ!」

「ひ、ひどいですよ、課長……」
「……す、すまん豊作」

「いえ、いいんです。どうせ私は複製ですから。それより課長、仕事をなさって下さい」
「おお、そうだな」

「そもそも、課長のここでの仕事って何ですか?」
「ソラリス映画の第三作を制作する企画があってね。その下調べだよ」

「ええっ!」
「課長、ソラリスは二つで充分ですよ」

「……やっぱり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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拈華微笑(後編)

2009年01月19日 15時50分00秒 | B地点 おむ

 

承前


先生は、そっぽを向いたまま、何も言わない

僕も、謝るべきだって、理屈では解っているのに、
意地を張ってしまって、何も言えない
でもとにかく、先生が帰って来てくれて嬉しかった
思わず顔がほころんだ
その瞬間、先生が振り向いたので、僕は慌てて、ヘンな顔をしてごまかした
けれど、先生には僕の笑顔を見られてしまっただろう
それでよかったと思うんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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拈華微笑(前編)

2009年01月19日 15時49分00秒 | B地点 おむ

 

僕は、おかか先生と、
ケンカをしてしまった
先生は、ぷいとどこかへ行ってしまった
先生がいなくなると、僕は不安になり、心配になった
どこへ行ったんだろう
先生が帰って来たら、謝ろう
やがて先生は帰って来た

謝らなくっちゃ……


つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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課長のイスでは不満です

2009年01月19日 15時44分00秒 | B地点 おむ

 

このパイプ・チェア。読者にはお馴染み、「課長のイス」である。
意外なことかもしれないが、おむさんがこの「課長のイス」に乗るのは、この日この時が初めてなのである。
「社長のイス」や「部長のイス」に比べて、これは小さすぎるのだ。
なんとか乗れたが……
お尻が、はみ出て……
ずるっと落ちてしまった。
おむさんには気の毒だが、この憮然とした表情がなんとも言えない。
おむさんは、乗ろうかどうしようか、しばらく考えていた。
が、黄色い毛布の中には、ほかほかのカイロが入っているので、やはり乗ることにしたようだ。
ひょい
どっこいしょ
ちょっと不満げ。