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カナちゃんである。まだ飼い猫にならず、ここにいる。 |
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この日、カナちゃんは、小鳥を追って木に登り、 |
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降りられなくなってしまった。 |
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まあ、よくあることである。 |
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読者もご存じの通り、猫は一般に、「登る」のは上手だが、「降りる」のは苦手である。 |
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カナちゃんはまだ若いので、木登りや「木降り」の経験が浅いらしい。 |
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時間はかかるが自力で降りるだろう、とボランティアさんはおっしゃる。 |
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私もそう思った。 |
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否、より積極的に、「自力で降りる(ことを学習する)べきである」と考えた。で、私も静観していた。 |
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それにしても、なかなか降りられない。 |
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哀れな声でニャーニャー鳴く。 |
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こうなると助けたくなるのが人情というものである。 |
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それに、まさか木の上で夜明かしさせるわけにもいかない。 |
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ボランティアさんも私も、色々と骨折ってみたが、なにしろ足場が悪く、うまくいかない。 |
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そこで、長い棒か板を持ってこようという話になったが、 |
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結局、カナちゃんは自力で降りた。 |
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後で調べてみたら、木の上にいたのは正味20分ほどであった。 |
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降りてきたカナちゃんは、暫く興奮していた。 |