Dear Enemy

2008年11月09日 16時10分00秒 | B地点 おかか

 

今日も日が暮れる
夜がやってくる
瞳をしっかり開いて
さあ夜を出迎えろ
街灯の明かりが点る
冷え込んできた

寒さにしっかり備えて
夜に立ち向え

夜は愛しい、けれど仇敵
夜は厭わしい、けれど恋人
そんな夜が、今日もやってくる
さあ夜を出迎えろ、さあ夜に立ち向え

※タイトルは、Jean Webster, Dear Enemy, 1915 (邦題、『続あしながおじさん』)より拝借。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ニャーサル・ウェポン(続)

2008年11月09日 15時58分00秒 | B地点 おかか

 

承前

「どうした、リッグス?」

「いや~、飛び降り志願者なんだが、手に負えないんだ」

「よ~し、説得は私に任せろ。こういうことは経験がモノを言うのさ」
「よっこらしょっと。しかし、年寄りにはこたえる……」
「お~い、お嬢さん。どうしたんだね」
「いったい何があったんだね。私でよければ、力になるぞ」

「寝ボケてんじゃないわよ!」
「あたしはここで昼寝しようとしてただけよ! あの若いのが勝手に勘違いしたのよ!」
「……あ、そ」
「やったなマータフ、事件解決だ!」

「いや、そもそも事件じゃないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ニャーサル・ウェポン

2008年11月09日 15時54分00秒 | B地点 おむ

 

ロスニャンゼルス市警のはみだし刑事、ニャーティン・リッグスである。

「ん? あんな高いところに……。いったい誰だ?」

「危ないじゃないか。落ちたらどうするんだ?」
「待てよ、ま、まさか? ……飛び降りかっ!?」
「助けなきゃ!」

ダダッ
「おい、死ぬんじゃない! 馬鹿なマネはやめるんだ!」
「な、なによアンタ!?」
「邪魔すんじゃないわよ!」

「うわっ、おっかねえ」

「こりゃダメだ。おーいマータフ、来てくれ~!」

リッグスは、相棒のベテラン刑事、ロニャー・マータフに応援を頼んだのだった。

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


危険な安全

2008年11月09日 15時40分00秒 | B地点 おかか

 

おかか先生は建築にも造詣が深いんだ。耐震設計についても、玄人はだしの知識を持っているのさ。
部屋の耐震強度が気になっていた僕は、おかか先生に頼んで、徹底的に調べてもらうことにしたんだよ。

「どうでしょうか先生、このマンションは?」

「む、いま調べているところだ」

「地震が来たら、危ないでしょうか?」

「……うーむ、いや、これは、」

「実に素晴らしい耐震設計だ! 施工も完璧だぞ!」

「えっ、本当ですか」

「本当だとも。どんな大地震が来ても、ここに居れば絶対に安全だよ!」

「ありがとうございます先生。安心しました」

ちょうどその時、グラッと来たんだ。

「うわーッ、逃げろーッ!」

「せ、先生……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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