からすねこ×２

 

	ついに撮影に成功した。噂に聞いていたサクラの子供、二匹である。まだ幼い。現地では烏猫（からすねこ）と呼ばれている。つまり黒猫のことである。
	チッチが興味を示し、近付く。
	チッチは仔猫をいじめはしない。ただ興味があるだけなのだろう。
	それを心配そうに見守る、母親サクラ。（ひどいブレボケ写真で恐縮。体が正面を、顔が向かって左を向いている。） ちなみに現地のボランティアさん達の間では、サクラとナナとシロに不妊手術を受けさせようという計画が進行中である。（シロの捕獲は容易であろうが、サクラとナナについては微妙である……。）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうぞよろしく

 

	やあ今晩は。ぼくチッチ。
	もう暗いから、ぼくの瞳も真ん丸だ。
	さて！　車の下に居るのは、ぼくに似てるけどぼくじゃない、新顔くんだよ！　ぼくよりも、更に若いみたいだ。
	数週間前から、このあたりに来るようになった。人間にも或る程度慣れてるけど、じゃれつくほどじゃない。
	この子は、ぼくたちと遊びたいらしい。こういうふうに、ニャーニャー鳴きながら近付いてくるんだ。（この子はよく鳴くんだよ。）
	でも、ぼくが、友達になろうとすると、この子は、おびえて逃げてしまうんだ。ほらね。
	ねえ、待ってよ！
	……で、こんなふうに、にらみ合いになったりする。（写真に向かって右がぼくだよ。念のため。）
	名前が無かったこの子。この日、この場で、ボランティアさんから、ゴンちゃんという名前を貰った。「名無しの権兵衛」から取ったんだって。
	ゴンちゃん、なかなか、かっこいいよね。ほら。
	そんなわけで、この新しい仲間、ゴンちゃんを、どうぞよろしく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう日

 

	おむさんが居た。
	寂しそうに見える写真だが、おむさんは実際は、川に釣りに来た子供達と遊んでいた。
	おかか先生は子供達を恐れて避難していた。 （こんなブレボケ写真しか撮れなかった。）
私は子供達に遠慮してその場を去ったので、今回の写真はこれだけである。 そういう日もある。