待つ

2008年11月01日 15時18分00秒 | B地点 おむ

 

僕はここで、じっと待っている
無論、ここは給餌を待つ場所でもあるけれど、
決してそれだけじゃない
でも、だとすると、僕は何を待っているんだろう
幸福とやらを待っているのか
新たな運命が開けるのを待っているのか

生の意味とやらが悟了される「その瞬間」を待っているのか
畢竟、ただ死を待っているに過ぎないのか……

それとも……
自分が何を待っているのかが明らかになる、その日を待っているのだろうか
ここには、おかか先生もいる
辛いこともあるけれど、僕は自由で幸福だ
何も待つ必要はない筈なのに
それでも僕は、今日もここで何かを待っているんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


幻の名三塁手

2008年11月01日 14時31分00秒 | B地点 おかか

 

千本ノックはなおも続くのだった。

カキーン

「あっ、しまった」

「ボールをよく見んかあ!」

カキーン

「わっ」

「ボールに食らい付けと言っとるだろうが!」

カキーン

「うわああっ」

「ボールを怖がるな!」

カキーン

ゴチッ

「痛てっ」

「そのくらい捕れんでどうする、ばかもん!」

「ちぇっ、偉そうに……。そう言う父ちゃんは捕れるのかい!」
「捕れるに決まっとろうが! 打ってみい!」

カキーン

ゴチッ

「痛てっ」

「きょ、今日の練習はこれまで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿時バージョン→

 

 


えいえい、おー!

2008年11月01日 14時31分00秒 | B地点 おむ

 

「おや、向こう岸に誰かいますよ」

「そうだな。誰だろう」
「誰だかわかりませんけど、……ねえ先生、向こう岸は、明るく陽が当たって、暖かそうですねえ」
「うむ。こちら側は、午後は日陰になるからなあ」
「今だって、ちょっと肌寒いくらいだ」
「……また寒い冬が来ますね」

「うむ。我々野良猫には、辛い季節だな」
「……でも、ま、くよくよしても始まりませんし」
「冬に備えて、気合いを入れていきましょう!」
「冬に向かって、がんばるぞーっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


千本ノック

2008年11月01日 14時22分00秒 | B地点 おむ

 

父親と共に、野球に青春を賭ける男、星 飛雄男夢(ほし ひゅおむ)。

 

「新魔球完成」 を参照

「飛雄男夢よ、今日は捕球の特訓だ。わしの千本ノックを受けてみよ!」

カキーン

バシッ

「よーし飛雄男夢、ナイスキャッチだ!」

カキーン

バシッ

「その調子だ!」

カキーン

バシッ

「うむっ、よく捕った!」

カキーン

バシッ

「そうだ、体の正面で捕るんだ!」

カキーン

「うわっ、しまった!」

「ばかもん! ボールに食らい付けっ!」

「わ、わかったぜ父ちゃん!」

アグアグ

「い、いや、文字通り食らい付いてはいかん……」

 

 

 

 

 

大リーグ養成ギプスが憎い!
……というオマケのネタでこの画像(10月16日撮影)を投稿したところ、右上の牙が欠けているように見えるというご指摘を頂戴した。はてさて?

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿時バージョン→

 


ちょっぴり痛いけど

2008年11月01日 14時17分00秒 | B地点 おむ

 

「おむの奴が、またケガをしたよ」
「ほら、鼻筋のところ。ケンカしたのかな」
「ま、ケガというほどでもない。キズという程度か」
「血はもう固まっているし、今の季節なら傷口が膿むこともないだろうが……」
「それにしても、おい、大丈夫かね?」

「ええ、大丈夫ですよ」
「このくらい、へっちゃらです」
「この通り、元気ですよ!」  がんばる
「そうか。だが、体を大事にしろよ」

「はい、先生。ありがとうございます」

優しくいたわるおかか先生であった。