嬉しくて淋しくて

2008年11月22日 16時05分00秒 | B地点 おむ

 

おかか先生が教えてくれた。あの子は、病院に連れて行ってもらったんだって!
しかも、飼い主さんが内定しているらしい。日ならずして、あの子は暖かい家庭に迎えられるだろう。
よかった、よかった!
……あの子も、ここでこうして水を飲んでいたっけ。ほんの数日だったけど、あの子と一緒で楽しかったな。
淋しいな。
おかか先生も淋しそうだ。
もう会えないんだろうな。
日が暮れて寒くなったので、僕はカメラのお兄さんの膝に乗った。お兄さんは僕の体を、毛布で包んでくれた。

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すこやかに生きよ

2008年11月22日 13時44分00秒 | B地点 その他

 

仔猫は、かなりの水を飲んだ後、

吐いた。

※猫が嘔吐している場面の写真です。このサムネイルをクリックすると、モザイクなしで拡大表示されます。ご注意下さい。

吐物はかなり多いが、無色の液体だけのようだ。飲んだばかりの水を吐いてしまったのだろう。

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一般に、猫はよく吐く。猫の嘔吐は、必ずしも常に重篤な症状を意味するわけではない。むしろ吐くために水を飲む、という説もあるようだ。

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特に、離乳して間もない仔猫の場合は、一時的な胃腸障害を起こすことも多い。

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一昨日と昨日の摂食の様子や、今日の状態を考え合せてみる限りでは、一過性のものに過ぎないように思われる。無論、私には断定などできないが。

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仔猫は暫くじっとしていたが、やがて岸の上に上がり、植え込みの中に腰を落ち着けた。
おむさんも近くに陣取って、見守っているようだ。
おかか先生も。
それから間もなく、仔猫はボランティアさんによって保護され、病院に運ばれたそうだ。飼い主となるであろう人も、ほぼ決まっているらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


川面を

2008年11月22日 13時36分00秒 | B地点 その他

 

既にお伝えした通り、例の仔猫は、一昨日、ちゃんと固形食を食べていた。

(20日撮影)

昨日も、元気よくモリモリ食べていた。

(21日撮影)

だが今日(22日)は、全く食べようとしない。

それでも、おむさんと遊びながら、

或いは、おかか先生に見守られ、
川のほとりに降り、
しきりに水を飲んでいた。
ざっと一時間で、降りては水を飲む、を都合四度ほど繰り返した。
そして ―― 川面を見つめたまま、ニャーニャーといつまでも鳴いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


川の字(後編)

2008年11月22日 13時33分00秒 | B地点 おむ

 

承前


「そういう演技は苦手なんですよ。困ったなあ、う~ん」

「そう言わずに、やってやれよ。あの子のために」

「……よ~し、やるか!」

「そうこなくちゃ」
「ほ~ら、向こうからパパが来ますよ~」

「えっ、パパ!?」
「おーいパパだぞ~。ちゃんとおヒゲもあるだろ~」
「パ、パパ~!」
「寂しがらせてごめんな~」

「わ~い、パパ~♪」
「よかったわね、パパが来てくれて」

「うん」

「よしよし、いい子だな」
こうして、いわゆる「川の字」が、遂に完成したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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効果が現れテイル

2008年11月22日 13時32分00秒 | B地点 その他

 

あの子の体調は、必ずしも万全ではないようだ。そこで私は、得意のツボ押しをやってみることにした。
「元気になるツボを押してあげるからね~」
「ツボはね、ここにあるんだよ~」
ぐぐっ

しっぽピーン!

「おおっ、効いた!」

バシッ

「痛てッ!」

「ま、まあ、これだけ元気があれば大丈夫だろ」

「もうすぐボランティアさんが迎えに来てくれるからね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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優しく抱く

2008年11月22日 13時12分00秒 | B地点 おむ

 

「どこへ行くんだい?」

「お水飲みに」
「気をつけるんだよ」

「うん」
「さあ、飲もう」
「おいしいなあ」
「あっ、あれは何!?」
「怖いよう!」
「どうしたんだい?」

「怖いよう……」
「大丈夫だよ、あれは鳥さんだよ」

「鳥さん?」
「怖くないんだよ」

「うん、もう怖くないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


川の字(前編)

2008年11月22日 13時11分00秒 | B地点 おかか

 

おかか先生は、半ばヤケクソで、今日も仔猫の母親役を務めていた。

「ほ~ら、ママですよ~」

ちゅっ

「パパ……」

「えっ!? 何だって?」
「パパ~」

「そ、そうか、今度はパパが欲しいのかい?」
「パパ~!」

「……あいつに頼むしかないな」
スタスタ
「頼みがあるんだが……あの子のために、」

「パパの役をやってくれないか」

「ええーッ!?」

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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同じ夢

2008年11月22日 12時46分00秒 | B地点 おむ

 

或る所から、おむが現れた
やがて、同じ所から、
あの子も姿を現した
昨夜はどこで寝たのだろう
おむと一緒に居たのだろうか
おむが移動すると、
この子も付いていく

昨夜二匹は、寄り添い温め合って眠ったに違いない
そして、一緒に同じ夢を見たのだ……
私はそう信じている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日だまり

2008年11月22日 11時08分00秒 | B地点 おかか

 

「なんだ若造、一体どうした? こんなに早く?」
「ま、話は後だ。ここは寒くてかなわん。移動しよう」
「こっちだ」
「ほら、ここだ」
「どうだ、ここだけ光がよく当たるだろ。日だまりってやつさ。体がぽかぽか暖かくなるんだよ」
「で、何の話だ? ああ、あの仔猫か!」
「あの子は、今ここにはいないよ。おむの奴と一緒じゃないかな」
「あの子もどうなるか……。生きて欲しいな、日だまりで」