安全・安心ー８ 「嘆きの公園」

  ○　団地にある我が家の前には市が管理している小さな公園があります。広さは約５，０００平方メートルほどと思われますが、大部分は運動広場で、我が家の反対側には団地の集会施設と滑り台やブランコなどの遊具もあります。

○　そして公園の周辺の緑地帯には桜、クスノキ、アカシヤなどの高木やツツジ、クチナシなどの低木も植栽されています。団地の周辺は国有林ですが、団地の中央公園は住民の憩いの場であり、我が家にとっては家の前にある緑のアメニティー空間です。

○　ところが今月の１０日頃、市 役所から委託された業者が公園の樹木を剪定しましたが、その作業は樹木の特性や景観を無視した乱暴な作業でした。道路にはみ出している枝は容赦なく切り落とし、桜は枝の途中から無惨に切除し、今から美しく香しい臭いを放つ花を咲かせるクチナシの花芽も容赦なく剪定されてしまいました。

○　市役所はこの公園の剪定をシルバー人材センターに委託しているらしく、従来から樹木の剪定には全く美的感覚や樹木の種類、特性をふまえた施業はされていません。クスノキも道路側の枝だけが切り落とされ、数年前は立派な枝振りのキンモクセイの枝が全部切り払われました。お陰で公園の桜はことごとく枯れ枝が目立ち幹まで腐食が進行してている状況で、公園を散歩しても骸骨が露出した墓場を見るような気持ちになります。

○　私はかつて、１２カ所の県立公園を管理する責任者を務めたことがあります。また、金沢の兼六園は毎年行きますし、水戸の偕楽園、岡山の後楽園、高松の栗林公園などの名園も訪れたことがあります。いずれも一木一草が長年にわたって丹精を込めて育てられ、天下の名園が今あることが伺えました。

○　憤懣やるかたなく、市役所の公園担当課へ苦言を呈しに行きました。担当課では設計や仕様書もなくシルバー人材セ ンターに依頼したようで、施業の完了検査もしていないとの事でした。また、市役所としての公園管理にかかる理念や今後の対応策も説明されませんでした。

○　立派な市役所の玄関に、「日本一美しい三木市めざそう」という立派な看板が建てられていました。この日私は、市役所の税務課で、涙ほどの年金から高額の市民税を支払いました。

○　深い緑と清流の大和・熊野路の余韻が今も残っています。