堅壮院メダカ庵

百姓生活やメダカ飼育についての日々の記録です。

ボロ船世界クルーズ記ー30 「ソマリア沖で漂流」

2012-11-28 | 自然と共生

  ○ サウジアラビアを出港したボロ船は、翌月10日は紅海を南下し、夕方にはアデン湾との境のアルマンディブ海峡に近づきました。

○ 11日と12日は海賊が出没するソマリア沖を通過しますのでDscn3717_2、船団を組んで海上自衛隊の護衛艦に護られながら航行します。その間は船の明Dscn3745かりが漏れないように窓は密閉し、必要以外の 灯火を消し、海賊が乗り込まないように舷に鉄条網を張り巡らし、放水しながらの航行です。

○  数年前の航海では海賊が乗り込んで来たため大騒ぎとなり、結局、NATO軍に助けられたとの体験談もリピーターに聞きました。今回、もし海賊に襲われた場合は、自室に逃げ込み部屋をロッDscn3779クするようにとのことですが、海賊船 らしきものが近づいた時の船内放送の暗号まで教えられました。

○ 11日は緊Dscn3752_2張のうちにも無事に通過、ところが12日の夕方、ほぼ危険海域を脱出した頃に、ボロ船の名に恥じない」トラブルが発生しました。夕食中の18時10分に突然船内が停電しました。もしや海賊の襲撃か?と思いましたDscn3737が、事態の詳細はわかりません。真っ暗な船室、ロビ ー、デッキも右往左往ですが、船側の説明はありません。

○ 夜になっDscn3756_2て船のエンジンの故障とわかりましたが、発電機程度と思っていましたが、結局、エンジンの蒸気バルブが破裂して配電盤が熱湯を浴びたため、エンジンも電源も停止したとのことでした。僅かに非常灯用の予備発電機は動きましたが、冷房シャワーDscn3748_3、トイレの水もストップでした。

○ このボロ船は船齢が50年近い船で、これまでの航海で も度々トラブルがあったとのことです。以前にはニューヨークで故障し、結局は 代船をチャーターして帰国したこともあるそうで、この航海でも用排水のトラブルは日常茶飯事で、Dscn3767_2船室が10㎝ほど浸水することも度々あるようでした。

○ 船室内の温度は34℃にもなりましたが、海賊対策のためにDscn3765_2窓は密閉されております。私は窓のない部屋でしたので、サウナにはいったような暑さです。結局、多くの乗客はデッキに出て過ごしますが、ベッドカバーや毛布を持ち出してデッキで寝る人も多くなりました。

○ ソマリア沖を通過したために隊列から離れていた護衛艦も再び戻ってきて、ボロ船から10㎞ほどの海上で護衛に当たっていました。船側の詳しい状況説明はほRscn3770_2とんど無く、食事はキャベツやゼリDscn3739_2ーのようなものが少々です。こんな時の非常食としてビスケットや缶詰類は全く用意されていないこともわかりました。

○ 乗客は焦燥の極致に達し、船の運営に対して改善を求める署名活動まではじまり、ほら吹き大会の企画まで始まりましたが、責任者は一切、面会に応じません。要するに乗客が困っている内容を聞く姿勢は全くありません。ピースボートという名のもとに、世界平和、発展途上国支援、ボランティア、人権の保護等々の綺麗事を並べて運行しているNPOですが、所Dscn3749_2詮、ジャパングレイスという弱小旅行会社Dscn3753_2、この事故の対応をみるとNPOに名を借りたサギ会社に思えました。

○ 不安の内に二晩デッキで過ごしましたが、夜空が綺麗で、北斗七星が大きく 見え、金星が月と間違えるほど大きく輝き、その光の帯が海面に映えて私の前まで繋がっていました。15日の午後になってやっと試運転に入り、船の煙突から煙が上り始めました。

 「ボロ船は 船も心も 腐ってる」 道生 


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