役者と芝居といろいろ

昔、声優になりたくて役者になろうと思ったことがありました。
だから、中学・高校と文化祭などで演劇をやっていました。
結局は虚弱体質を理由に、役者の道には進みませんでした。


お芝居を見るのは嫌いじゃないです。
そりゃ役者を目指したぐらいですから。
でも、見るよりも演じる方が好きだったんですよね。

私が好きな芝居は、劇団◎季みたいな大掛かりな舞台装置や衣装を使わない、小劇場系です。
劇団☆新感線、キャラメルボックス　みたいな。
って、どちらも既に小劇場系じゃなくなっていますけど(苦笑)

ぶっちゃけて言うと、舞台に子役が出てこない芝居が好みです。

役者って、舞台の上に上がれば、子供にだって動物にだって、無機物にだって何にでもなれる。
それが好きなんです。
子役って、子役でしょ？
子供の姿をした大人の役ってあったっけ？
(私の知る範囲では該当するものが無いので、あったらゴメンナサイ。あ、名探偵コナンを除くｗ)

ＴＶドラマや映画はある程度のリアリティを求められるから、大人が子どもや動物を演じるには無理があるけど、
舞台だと、それが可能なんですよね。
それって素敵じゃないですか？
後ろが暗幕しかかかってなくても、役者の演技次第では、そこが宇宙にもなり、家庭の居間にもなり、変幻自在。
観る側の想像力を掻き立て、自分たちの世界に引き込んで、同じ物語を楽しませるのが役者です。


私が中高生で、アニメが物凄いブームになっていた頃の声優さんは舞台を経験した人が殆どでした。
ぶっちゃけ、舞台だけじゃ食べていけないから映画の吹き替えやアニメの声の出演をしたのが始まりだそうですけど(苦笑)
だから、当時の声優さん達の演技力って半端じゃなかった。
オールナイトニッポンの生放送でラジオドラマをやっちゃうぐらいだったんですから。
(当然、ＢＧＭも効果音もその場で入れる)
舞台を経験したからこそ、出来る事だったんですよね。
だって、リテイクできないもの(笑)
それに、声を変えなくても演技を変えるだけで、どんなキャラクターの声もやっていらっしゃった。
とにかく演じ分けが凄まじかった。

私が最も敬愛する声優さんは、故・富山敬さんです。
宇宙戦艦ヤマトの古代進は有名過ぎて今さらですが、他にも
銀英伝のヤン・ウェンリー
タイガーマスクの伊達直人
UFOロボ・グレンダイザーの宇門大介(デューク・フリード)
マルコ・ポーロの冒険のマルコ・ポーロ
と、いったヒーローから
ロッキーチャック物語のキツネのレッド
ニルスの不思議な旅のキツネのレックス(またキツネｗ)
ゲゲゲの鬼太郎のネズミ男
ちびまるこの友蔵じいさん
まで、幅広く演じていらっしゃいました。

どのヤマトの時でしたでしょうか、富山さんが「僕の歳で古代進みたいな若い役は照れる」というような事を仰った事があったと記憶していますが、きちんと演じていらしてるんだから素晴らしいです。
特に、ヤマト完結編では、ヤマトⅢの時よりも古代くんの年齢が下がっていて(納得いかないんですけどね、私は)、
富山さんはきちんとⅢの時よりも若い古代くんを演じていらっしゃいます。

身体を使わずに声で芝居をする。
これって難しいと思うんですよ。
身体が動けば、そのポーズに見合った発声ができます。
でも、台本を片手にマイクの前であまり動くことなく声だけで演じる。
凄いなあって。
(だからって、舞台俳優の演技がどうこうって訳じゃありませんからね)

だから、私も声優になりたかった。
正直に言うとアニメーターでも良かった(爆)
とにかく、アニメに関わる仕事がしたかったんですよ、ケツの青いガキだった頃はね(苦笑)

って、なんだか前置きが本文のようになってしまいましたが。
(ええ、これは前置きなんですよ、前置き：爆)


今、日曜朝６時だっけ？(いつも半寝ぼけで見てるので、時間を覚えてない)に放映している「聖闘士聖矢Ω」。
(うお。"せいんとせいや"で一発で変換したよ)
今期から新しく登場した聖闘士(？)の昴くんですが、演じていらっしゃるのはそろそろ大御所の域に達してきた感のある、水島裕さん。
(ひょうきんぽんぽんって言ってた頃が懐かしいｗ)

昴くんは１２歳です。いいですか？１２歳です。
演じる水島裕さんは　５７歳　ですよ？
大事な事なのでもう一度言います。
５７歳

５７歳が演じる１２歳！！
裕さんが凄いのは、ちゃんと少年声なんですよ。
元々高めの声ですし、少年向きとはいえ、父親役などもやっていらっしゃる方です。
そこで敢えての１２歳！！
古いアニメファンとしては、「うわー、ゴッドマーズの明神タケルの声に近いよー！凄い！！」と、
感嘆符を幾つも幾つもつけたくなってしまうんですよね。

ちなみに、ゴッドマーズでズール皇帝を演じていらっしゃった故・納谷悟朗氏ですが、当時、今の裕さんとあまり変わらない御歳だった筈です……(震笑)

そういう、声優の個性が良いなあって思う次第です。
裕さんはブログの中で「昴に抜擢してくれた東映さんの決断に感謝」というような事を仰っていましたが、やはり、昴くんにあっているからこそ、若手声優さんでなく裕さんだったのでしょうね。

久々に裕さんの少年声を聴けて非常に嬉しい、オールド・アニメファンです。
(ついでに昴くんが苦悶の声をあげてくれると更に嬉しいのですが←をいｗｗ)


役者って演技次第でどんな役でも出来る。
本当に良いなあって思います。
(役を作るに当たっての苦労話はあまり聞きたくないです。だって役を作って演じるのが仕事なのですから)

と、芝居とか声優さんとか諸々を、徒然に語ってみました。



宇宙戦艦ヤマト2199で古代くんを演じている小野Ｄさん。
頑張っていらっしゃると思います。
古代進って、まずは富山敬さん。そして、山寺宏一さんが演じていらっしゃったと言うことで、プレッシャーも物凄い物があったと思いますから。
でも、小野さんの古代くんになってて、とても好感が持てます。
今の古代くんも大好きですから♪