藤川桂介氏。
御歳78歳。現小説家、元脚本家。
私達の世代は氏の脚本のアニメで育った人が多いと思う。
特撮にアニメにと、本当にたくさんの脚本を書いていらっしゃった方だから。
その藤川氏がアニメの脚本家から小説家へと転身されたのは、実質、六神合体ゴッドマーズを終えられた後。
スポンサー主導のアニメ作りへとシフトしていった事から、脚本家としての御自分の存在を考えられただそうだからです。
六神合体ゴッドマーズは、藤川氏のストーリー構成無くしては成立しなかったアニメだと思います。
あの魅力的なキャラクター達が織り成すドラマに、当時中高生だった女子は心奪われた物です。
かく言う私も、頭の先まで嵌ってしまったのですが(笑)
最近、ゴッドマーズ(以下、GM)の二次創作を書くようになり、気がつくようになったのですが、あの当時藤川氏が言いたかったのはこのことなのか!と気づくことが多くなりました。
え?今更何を言ってるんだって?気づくのが遅すぎるって?
ええ、そうかもしれません。
でも、気がつけたことによって、GMの話がより深く私の心の内に響くようになってきたのです。
GMを書いていらした頃の藤川先生の年齢と、現在の自分の年齢がほぼ同じせいだからなのでしょうかねえ。
GMって、本当によく練られたお話しだったのだと痛感します。
そして藤川氏が、中高生向けに判りやすく書かれた訳ではなく、大人の視線と視点を持って書いていらっしゃったのだということにも気が付きました。
ロボットアニメという体裁をとってはいましたが、中身は人間ドラマだ。とは、昔から言われていましたが、本当にそうだったんだなあ。って思うのです。
GM随一の名セリフ「もう誰にも渡さない、兄さんは俺のものだ!地球のものだ!」ですけど、リアルタイムで見ていた当時は「うわー、やおいだー(爆)」なんて喜んでいましたが、今思い起こすと、物凄く切ないセリフなんですよね。
地球で地球人として育ったタケルが、ある日突然、ズールによって、自分がギシン星人だと知らされる。
しかも地球を爆破する起爆装置であることも。
地球でただ独りの異星人。しかも敵の星の人間ということで、孤立感を深めていくタケル。
仲間との友情を取り戻したとは言え、身近な人物以外は、タケルがギシン星人であるということを忘れないどころか、それに恐れを抱く。
以前と変わらない隊員達や養母の友情や愛情に守られているとはいえ、本当の自分を知らないタケルは、自分という存在の意義を渇望している。
そのときに現れるマーグという存在。
タケルとマーグとの出会い。
それによって起こる悲劇。
本当にギシン星編はよく練られたストーリーでした。
現在の自分の年齢とさして変わらない藤川氏が、このような奥深い綾のように織り綴られた話を書いていらっしゃったとは…。
凡人の自分としては、悔しいも何もかも通り越してしまうほどの才能と人間性を見せ付けられている気持ちになります。
マルメロ星編は、あれはあれで必要な話だったとは思いますが、プラスとマイナスを描ききれていなかったのが残念です。
でも、自分という存在を知ったタケルがフローレを放っておけなかったのも、ギシン星編を踏まえると納得なんです。
タケルがフローレに言いますよね。「父がギロンと言うのなら母は誰だ?!」って。
これは、マーグに出会う前のタケル自身そのものなんですよ。
ただ、タケルとフローレの大きな違いは、敵が実の親かそうでないか。と、言うことです。
今見れば、マルメロ星編はギシン星編のおさらいのような感じですね。
タケルと地球の確執もきっちり描かれてますし。
そして地球編。
これはタケルファンへのご褒美だと思っています(笑)
そして、GMという物語をキレイに終わらせる為の大事なエピソードなのだったと。
正直、マルメロ星編で終わっていたら、ここまでGMを愛し続けていられたかどうか、判りませんもん(爆)」
あの当時、ガンダムをも凌ぐ勢いで輝いていたGM。
続編を作らずに終わらせたのは正解だったと思います。
若かった私達には楽しさを味合わせてくれて、そしてこの年齢になってからは物語の深みを味合わせてくれる。
なんとも先を見通した物語だったことか。
GMはスーパーロボット系の最後に煌いた作品となったのでした。
そして小説家に転身された藤川氏は「宇宙皇子(うつのみこ)」の執筆に取り掛かります。
15年かけて綴られた物語は、全48巻。(当初の予定は50巻)
これがライトノベルの元祖と言われています。
グイン・サーガを意識しておられて、「あちらが100巻目指すなら自分は50巻だ」と仰っていました。
私自身は社会人になっていたこともあり、宇宙皇子は20巻買うか買わないかで読むのを止めてしまいました。
この歳になってもGMの二次小説を書いているのもなんですが、この歳になったからこそ判る心の機微もあるのだなあ。と、しみじみ思う訳です。
昔はGMといえばBLしか思い浮かばなかったのに(をいw)、今は「あの時のタケルの気持ちはどうだったのだろう、あの時の事は直接描かれていないけど、きっとこうだったのだろう。」などと、すんなりとGMの世界に入っていけるのです。
それも、藤川氏がGMを子供向けに作っていなかったからこそだと思います。
30年も愛せる作品を作って下さった藤川氏に心から深く感謝します。
そして、忘れてはいけません。
宇宙戦艦ヤマトだって、「ヤマトよ永遠に」までは、やはり藤川氏が関わっておられたのです。
その珠玉の作品であるPART1のリメイクの第四章が、今週末から2週間のイベント上映を迎えます。
宇宙戦艦ヤマト2199。あの頃の物語の綻びを繕い、新たなエピソードを加えた、出淵監督によるリメイク作品です。
とても面白くなっていると思います。
劇場に近い方はぜひとも足をお運びになっては如何でしょうか。
やはり昔のアニメには夢や想像力を画きたてられる、不思議な魅力があります。
皆さまも是非、昔のアニメやリメイク作品をご覧になってみて下さい。
若い頃に感じた物と、また別の新しい印象を受けることでしょう。
楽しいですよ。
御歳78歳。現小説家、元脚本家。
私達の世代は氏の脚本のアニメで育った人が多いと思う。
特撮にアニメにと、本当にたくさんの脚本を書いていらっしゃった方だから。
その藤川氏がアニメの脚本家から小説家へと転身されたのは、実質、六神合体ゴッドマーズを終えられた後。
スポンサー主導のアニメ作りへとシフトしていった事から、脚本家としての御自分の存在を考えられただそうだからです。
六神合体ゴッドマーズは、藤川氏のストーリー構成無くしては成立しなかったアニメだと思います。
あの魅力的なキャラクター達が織り成すドラマに、当時中高生だった女子は心奪われた物です。
かく言う私も、頭の先まで嵌ってしまったのですが(笑)
最近、ゴッドマーズ(以下、GM)の二次創作を書くようになり、気がつくようになったのですが、あの当時藤川氏が言いたかったのはこのことなのか!と気づくことが多くなりました。
え?今更何を言ってるんだって?気づくのが遅すぎるって?
ええ、そうかもしれません。
でも、気がつけたことによって、GMの話がより深く私の心の内に響くようになってきたのです。
GMを書いていらした頃の藤川先生の年齢と、現在の自分の年齢がほぼ同じせいだからなのでしょうかねえ。
GMって、本当によく練られたお話しだったのだと痛感します。
そして藤川氏が、中高生向けに判りやすく書かれた訳ではなく、大人の視線と視点を持って書いていらっしゃったのだということにも気が付きました。
ロボットアニメという体裁をとってはいましたが、中身は人間ドラマだ。とは、昔から言われていましたが、本当にそうだったんだなあ。って思うのです。
GM随一の名セリフ「もう誰にも渡さない、兄さんは俺のものだ!地球のものだ!」ですけど、リアルタイムで見ていた当時は「うわー、やおいだー(爆)」なんて喜んでいましたが、今思い起こすと、物凄く切ないセリフなんですよね。
地球で地球人として育ったタケルが、ある日突然、ズールによって、自分がギシン星人だと知らされる。
しかも地球を爆破する起爆装置であることも。
地球でただ独りの異星人。しかも敵の星の人間ということで、孤立感を深めていくタケル。
仲間との友情を取り戻したとは言え、身近な人物以外は、タケルがギシン星人であるということを忘れないどころか、それに恐れを抱く。
以前と変わらない隊員達や養母の友情や愛情に守られているとはいえ、本当の自分を知らないタケルは、自分という存在の意義を渇望している。
そのときに現れるマーグという存在。
タケルとマーグとの出会い。
それによって起こる悲劇。
本当にギシン星編はよく練られたストーリーでした。
現在の自分の年齢とさして変わらない藤川氏が、このような奥深い綾のように織り綴られた話を書いていらっしゃったとは…。
凡人の自分としては、悔しいも何もかも通り越してしまうほどの才能と人間性を見せ付けられている気持ちになります。
マルメロ星編は、あれはあれで必要な話だったとは思いますが、プラスとマイナスを描ききれていなかったのが残念です。
でも、自分という存在を知ったタケルがフローレを放っておけなかったのも、ギシン星編を踏まえると納得なんです。
タケルがフローレに言いますよね。「父がギロンと言うのなら母は誰だ?!」って。
これは、マーグに出会う前のタケル自身そのものなんですよ。
ただ、タケルとフローレの大きな違いは、敵が実の親かそうでないか。と、言うことです。
今見れば、マルメロ星編はギシン星編のおさらいのような感じですね。
タケルと地球の確執もきっちり描かれてますし。
そして地球編。
これはタケルファンへのご褒美だと思っています(笑)
そして、GMという物語をキレイに終わらせる為の大事なエピソードなのだったと。
正直、マルメロ星編で終わっていたら、ここまでGMを愛し続けていられたかどうか、判りませんもん(爆)」
あの当時、ガンダムをも凌ぐ勢いで輝いていたGM。
続編を作らずに終わらせたのは正解だったと思います。
若かった私達には楽しさを味合わせてくれて、そしてこの年齢になってからは物語の深みを味合わせてくれる。
なんとも先を見通した物語だったことか。
GMはスーパーロボット系の最後に煌いた作品となったのでした。
そして小説家に転身された藤川氏は「宇宙皇子(うつのみこ)」の執筆に取り掛かります。
15年かけて綴られた物語は、全48巻。(当初の予定は50巻)
これがライトノベルの元祖と言われています。
グイン・サーガを意識しておられて、「あちらが100巻目指すなら自分は50巻だ」と仰っていました。
私自身は社会人になっていたこともあり、宇宙皇子は20巻買うか買わないかで読むのを止めてしまいました。
この歳になってもGMの二次小説を書いているのもなんですが、この歳になったからこそ判る心の機微もあるのだなあ。と、しみじみ思う訳です。
昔はGMといえばBLしか思い浮かばなかったのに(をいw)、今は「あの時のタケルの気持ちはどうだったのだろう、あの時の事は直接描かれていないけど、きっとこうだったのだろう。」などと、すんなりとGMの世界に入っていけるのです。
それも、藤川氏がGMを子供向けに作っていなかったからこそだと思います。
30年も愛せる作品を作って下さった藤川氏に心から深く感謝します。
そして、忘れてはいけません。
宇宙戦艦ヤマトだって、「ヤマトよ永遠に」までは、やはり藤川氏が関わっておられたのです。
その珠玉の作品であるPART1のリメイクの第四章が、今週末から2週間のイベント上映を迎えます。
宇宙戦艦ヤマト2199。あの頃の物語の綻びを繕い、新たなエピソードを加えた、出淵監督によるリメイク作品です。
とても面白くなっていると思います。
劇場に近い方はぜひとも足をお運びになっては如何でしょうか。
やはり昔のアニメには夢や想像力を画きたてられる、不思議な魅力があります。
皆さまも是非、昔のアニメやリメイク作品をご覧になってみて下さい。
若い頃に感じた物と、また別の新しい印象を受けることでしょう。
楽しいですよ。