瞳の住人。

前からずっと気づいていたのに気づかないふりをしてきた。
今日やっぱりそれが思い違いではないのだと思った。
思い違いでも気のせいでもない。それにどんな意味があろうとも。

君の瞳にうつすもの。瞬間にそらす癖も俯く事も知っている。
僕はずっと気づかないように気づかれていないようにしている。
弾けて笑うのもはしゃいで話すのも僕はずるいのだろうか。
恋をするというものが目で追ってしまうということだとしたら。

僕は変わらない。その距離も瞳さえも奪えない。
僕と君との距離は僕が作ったものでどうしたって変えないように
僕は巧みにそれを保っている。それを破ることはできない。

僕のそばにいるときも離れ際に僕に向けるものも僕はずっとそうしてる。

うつむいて髪を撫でたり袖口伸ばしたり両手でコップをもったり
首をかしげて可愛くしてたりとか全部もう知っている

振り向かなければいい　僕は前の僕とは違う　恋へ向かえない