温泉にゃんこのネコ散歩

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大人の修学旅行3

2004-11-25 20:20:13 | 温泉
かたむいて建付けの悪くなった玄関の引き戸をガラガラと開ける。そこは裸電球の世界!料金を払おうとすると、おじさんが出てきて「そこじゃ寒いから…」とお部屋に招き入れてくれた。すぐに、入浴料500円なりを払おうとすると、
「うちは、女の内湯と混浴の露天しかないけどいい?」
と聞かれた。
「そういうのがいいんですよ~!ここは前から来たかったので嬉しいです!」
と言ったら、やっと安心したのか料金を受け取ってくれた。傍らにはお年を召したご夫妻が1組。
「露天は混浴だから、よく見てから入ってね。脱衣所もそばには無いからね」
とおじさんに念を押され、部屋を後にお風呂に向かった。

お風呂へのアプローチにも、裸電球が…。雰囲気良過ぎる!
「わ~い!!嬉し~い!」
と、女性用内湯に入っていったら、ちょうどふたりのおばさんが上がったところだった。
「今ダレもいないから、ゆっくり入って。心配だったら、中から鍵かけられるんだからね」
とノタマワる。中から鍵なんて、そんな偉そうなことはしないのが心情なのでそのまま入る。湯口からは、ぬる目の湯が掛け流されている。
「ふぅ~、極楽。久しぶりの本物温泉は、やっぱしみるねぇ」
などと思いながらゆるりと堪能した。

こうなると、露天にも入りたい。「男湯・露天」と書いてある扉を開けたら、先ほどのご夫婦が上がってきたばかりだった。
「あの~、入ってもいいですか?」
「今、貸切で気持ちいいよ~。ゆっくりね~」
と言ってくださる。バスタオル巻きで、男湯を通過して川沿いの露天に下りていった。目の前には、二岐川の清流が白い飛まつを上げて流れている。タオルを近くに置いて、素のまま大きな方の露天に飛び込んだ。
「うっほほ~い!やったぁ!う~れし~いぃぃぃぃ!」
と、大興奮状態(^^;さらに川に近い方の小さな露天に移動して、オートで写真を撮った後にまったりと浸かった。ふと見ると、膝から流血している?何?と記憶を手繰り寄せてみると、大きな露天に入った時、中ほどの大きな岩に膝をぶつけたような…。痛さを感じる暇がないほど、嬉しかったということですな…。

ぬる湯の感触を楽しみながら、小一時間も浸かっていた。ふと見上げると、対岸の木立の中に白く光るものが?ああ、月が昇って来た。しかもにゃんこの守り神の上弦の月。青から紺に変わる空に昇る、煌々と輝く月を
見ながらの「月見露天」。至福の時。神さまが、頑張った私に見せてくれた贈り物に違いない。

堪能し終わったところで、ついでにダレもいない男湯にも浸かって(オイオイ…)、やっと風呂場を後にした。先ほどの休憩室でお水をいただきながら、いろいろなお話を聞いた。去年の大雪の日に、雪かきをしていたおじいちゃんが脳溢血で倒れ、それをきっかけに経営者のおじいちゃんとおばあちゃんは、今年は岩瀬湯本に引き上げてしまったそうだ。今は地元の有志4人が交代で管理しており食事までは出せないので、日帰りと週末に素泊まりだけの宿泊を受けているという。つげ義春が描いたふすま一面の絵は、おじいちゃんが消してしまったとか…。ファンはさぞかし涙することだろう。維持は大変だろうが、このままの形でぜひ続けて欲しいとお話をした。

すでにバスを降りてから1時間半が経過。暗くなった山道を上がって行き、今宵の宿「ふじや」にやっとチェックイン。ふじやでは、着くべき時間になっても姿を現さない私の動向を心配(?)した面々が、すでに集まって酒盛りを始めていた…(^^; (つづく)


大人の修学旅行2

2004-11-24 21:37:36 | 旅のあれこれ
この「湯ったりヤーコン号」というのは、新白河駅―二岐温泉を500円(1コイン)で結ぶ送迎バスで、1日2便出ている。二岐温泉に行くには、これの他には須賀川からの路線バスしかない。価格も時間も「ヤーコン号」の方がずっと便利だ。

中ほどの席についたが、すでに乗っていた団体さんが、にんにくラーメンを食べてビールをいっぱい飲んだようで、すごく臭い。実はにゃんこ、車に弱い。特に山道で揺られていると、すぐ気持ち悪くなってしまう。自分で運転してる分には、気持ちいいんだけど…。細~い山道を容赦なく走る車の助手席でエライ目にあって以来、すっかり苦手意識が大きくなってしまった。酔い止めは飲んだけど。運転手さんにこっそり、
「前の方は空いていませんか?実は少し車に弱いので、前の席だと安心なんですけれど…」
と聞いてみたところ、運転手さんが、荷物置き場になっていた一番前の助手席をわざわざかたずけて座らせてくれた。おおっ!特等席じゃん!なんてラッキィ♪

走り出したとたん、東の空に大きな虹が見えてきた。この旅は、めちゃ楽しくなる予感がする。ああ、にゃんこはバカっ晴れ女(0^;ヤーコン号は紅葉の山道を、温泉施設のあるロッジ「レジーナの森」や突如山中に現れる激コジャレホテルの「ブリティッシュヒルズ」を経由して、1時間あまり走った後、農産物直売場でおトイレ休憩のため停車した。店先には、「ヤーコンソフトクリーム」ののぼりが…。実はこのヤーコンソフト、別の場所で食べ損なって後悔した苦い思い出がある。恥ずかしいけど、即座に注文。300円なり。緑がかった形状が、すでに怪しさをかもし出している。(お味の報告は、後ほどのにゃんこ的グルメにて…)。にゃんこが持っていた巨大なヤーコンソフトを見てつられたオバサマたちも次々とソフトを注文(^^ いいことしたかなぁ?

隣の席に座ったため、運転手さんともお話がしやすい。このヤーコン号は、40年ぶりに復活させた共同送迎バスという話や、岩瀬湯本の共同湯の話、野生動物の話などを聞きながら快適な旅である。岩瀬湯本の集落を過ぎると、バスは左手に折れて二岐温泉へのルートに入る。確かここ、10年前に来た頃は、泣きそうに厳しいダート道だったはず…?運転手さんに聞いたら、今年の秋に綺麗になって開通したばかりだとのこと。
「これになったから、ずいぶん時間も短縮されたんだよ。そうか~、前の道知ってるのか?でも、こうなると秘湯って感じがしなくなっちゃって、都会の人にはつまんないかもしれないねぇ」
そんな話をしつつ、走ること40分あまり。ついに終点の二岐温泉に到着。ご丁寧に、お宿の前まで行ってくれる。

今宵の宿「ふじや」さんの前で手を振り別れたものの、目の前にある「新湯小屋温泉」の看板が気になって仕方が無い。荷物くらい置いてからにすればいいものの、ガマンできずに看板から続く山道を、ホテホテとひとり小走りで下って行った。走ること1分、そこにはあの憧れの「湯小屋温泉」が、つげ義春の漫画そのままの形で現れたのである。(つづく)

湯ったりヤーコン号→
http://www7.ocn.ne.jp/~bunke/access/bus/




大人の修学旅行1

2004-11-23 20:31:59 | 旅のあれこれ
これ以上ない!という秋晴れの朝、赤いリュックを持ってひとり電車に乗り込んだ。今日は3ヶ月以上ぶりの温泉お泊まり。ああ、夏から今日まで長かったなぁ(TT)

大宮で宇都宮線に乗り換え、一路北へ…。車窓には晩秋の風景が流れ去っていく。宇都宮で乗り換えると、左手に那須連山が見えてきた。さらに黒磯で郡山行きの東北線に…。入ってきた電車は、何とボタンを押して開閉するタイプ。おお、面白~い!と、どこからか大きな声が?「弁当~、弁当~!」元気なおじさんが、お弁当の立ち売りをしている。珍しい!お昼は決めていたので、お弁当を買うわけにはいかないが、せっかくなのでお願いして写真だけ撮らせてもらった。そう言えば、よく横川の駅で立ち売りのかま飯を買ったっけ。懐かしいじょ!

30分弱で、お昼の目的地「白河」に到着。白河ラーメンの有名店を目指して、一気歩き!地図もコピーしてきたもんね。しか~し、むむむ?目指すお店が見当たらない。ん~?と道端で考えていたら、ガソリンスタンドのおじさんふたりが手招きをする。
「どご行ぎたいの?」
「田中屋さんってお店を探しているんですけれど?」
「あ~、ちぃっと道間違えちゃったなぁ~。そごの信号右に曲がって30mの右側だ。」
「ありがとうございます。遠くから来たもので…」
「あそごは、ワンタン麺が美味しいよ~。ほっんと旨いから、しっかり食べてって。で、どっから来たの?えっ、埼玉からひとりで?おねーちゃん大したもんだ(^^;)」
おかげで無事に田中屋さんを発見して、お店に入ったのが11時40分。迷わずワンタン麺を頼む。おお!何て大盛り!何てまいう~!シ・ア・ワ・セ♪(詳細は後ほど、にゃんこ的グルメにて…)

ポンポコリンになったお腹をかかえて、駅まで歩く。まだ時間があるので、周辺をネコ散歩していたところ、素晴らしく綺麗な銀杏並木が見えた。そこは、古刹「関川寺」。境内は紅葉に彩られた池や、可愛い石像などが点在している。旅に出た時、フラッとこんなところをたずねるのもいい経験になる。人影の無い広い境内をゆっくりと散策し、白河駅に戻った。天気はいいのだが、時おり身を切るような冷たい風がホームを吹き抜けていき、やはりここは東北なんだと実感した。

ひと駅戻った新白河駅の東口に下りると、そこには可愛いお芋のようなイラストが描かれたバス、「ヤーコン号」が乗客を待っていた。500円なりを支払って、可愛いバスに乗り込んだ。(つづく)




浅香和子・霜月展

2004-11-19 19:27:44 | アートの話
前出の革絵作家、浅香和子先生の作品展が、今度は大宮氷川神社横の「あっぷるはうす」で始まった。ここは、にゃんこが一番立ち寄るギャラリーカフェ。人生の師と仰ぐオーナーさんとお話しながら、よくエサ(?!)をご馳走になっている(0^;ちゃんと練り練りして作る大盛りのココアも大好物!

今回は、銀細工と籐細工の作家さんとのコラボであるが、浅香先生の革絵のバッグや小物と、この銀や籐のアクセサリーがマッチしていて、見ているだけでなかなか楽しい。前回の「楽風」の個展で、トナカイのランプを買ってしまったので今回はガマン!と思って行ったのだが、赤いにゃんこバッグに目が留まってしまった。

意志の強そうなシマにゃんこの横顔に惹かれる…。一点ものだしなぁ~。手に取って悩んでいたら、隣にいた浅香先生から、
「柿いっぱい貰っちゃったから、ちょびっとおまけしてあげるわよ」
のささやきが(><)ああ、欲しい…また浅香作品がにゃんこのもとに来てしまった。こういうのも、出会いだもんね(^^;そう言えば、浅香先生の作品を初めて見たのもこのギャラリーだったっけ。

大宮氷川神社の東側に建つこの「あっぷるはうす」は、人と人、人と作品を繋ぐ「気」が満ちている気がする。居心地が良く、美味しい食べ物もそろっているので、時間があったらぜひ立ち寄ってみて欲しい。にゃんこのお勧めは、熱々チーズとジャガイモの「チェダーポテト」と、シーフードが入った懐かしの「ナポリタン」。どちらもカロリーお高め…。

「あっぷるはうす」 さいたま市大宮区高鼻町2-283  電話 048-644-9925
霜月展Ⅱ 2004.11.16~30 (12:00~20:00 最終日は17:00まで)

PS)明日から、3ヶ月以上ぶりの遠出お泊り温泉に行って来ま~す(^^)/ 晴れるといいにゃ~♪



小江戸川越・再発見☆

2004-11-18 19:18:54 | 旅のあれこれ
またまたDr米山の講演を聴きに行って来た。場所は小江戸・川越。お題が「ボケの予防」なので、オトナな方が多い(^^; 会場は大入り満員、Dr米山の軽妙な語りに笑いが絶えない。にゃんこの前後左右のおじさん&おばさんも、とっても熱心にメモを取りながら聞き入っていた。

隣のおばさんが講演後に、
「面白くて、素敵な先生ねぇ。ご本も面白そうだし、インターネットで調べられるかしら?」
と声をかけてきたので、Dr米山のHPとファンクラブのよねよね倶楽部をお教えした(^^お仲間が増えるかしら?楽しみ!講演の内容は、にゃんこがここに書くよりも、実際に生Dr米山を体験してもらった方がいいと思うのであえて書かない。横浜や神戸の芦屋のカルチャーや、九州の博多などでも講演があるので、機会があったらぜひ覗いてみて欲しい。

でも、お年寄りにインターネットのブログを始めるように勧めたのが印象的だったなぁ。にゃんこの93歳のばーちゃんのブログが読めたら、嬉しいなと想像してしまった。

この講演の前、日本画が観たくて「川越市立美術館」の特別展に立ち寄った。平山郁夫画伯や千住博氏をはじめとした巨匠と言われる方々の大型の作品ばかりが、天井の高い展示室に並んでる。にゃんこ、よく美術館に立ち寄るが、こんなに大型作品ばかりと対峙したのは初めてだ。何か圧倒されるというか、ピーンと張り詰めた緊張感があるというか…。平日の昼という時間帯が幸いしたのか、展示室にはにゃんこしかいない。

平山画伯の「建立金剛心図」の前にひとりたたずむ。深い深い緑の中に浮かぶ仏の姿。その森の中に吸い込まれそうな感覚。そして、最奥に展示されている宮廻正明氏の「無伴奏」と千住博氏の「ウォーターホール」のかもし出す静寂な空気に釘付けとなった。しばらくの間ひとりその前に座って、絵から出るオーラを感じる。何て贅沢なひとときだろう。思わぬ心の充電ができて幸せな時間だった。

この美術館の周辺には、博物館や本丸御殿などがある。本丸御殿の横では、ちょうど紅葉が見頃を向かえていた。今度時間を作って、こちらもゆっくり見てみたい。近くだとあまり積極的に出かけようとしないものだが、いいところも多いんだなと実感したプチ川越散策だった。

Dr米山HP→http://www21.ocn.ne.jp/~yoneyone/
川越市立美術館→
http://www.city.kawagoe.saitama.jp/art/museum.htm