温泉にゃんこのネコ散歩

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おじさんの忘れ形見

2004-11-14 20:08:20 | スピリチュアル
にゃんこの家の庭に、3本の柿の木がある。昔、にゃんこが幼稚園生の頃、近所の農家のおじさんが、
「女の子いるなら、なり果物植えるといいだろ」
と言って持ってきて、みずから植えてくれたものだ。

去年は実る前に実がボトボトと落ち、枝先も枯れてきてしまい心配したが、今年は去年の分まで実をつけたような見事な姿を見せている。何も手入れしていないのにもかかわらず、大きな甘い実がなるから不思議だ。度重なる台風にも、たわわになった実はほとんど落ちることがなかった。熟れた実を鳥さんがつつき始めに来た先週から、脚立を出して柿もぎに精を出している。

簡単そうに見えるが、美味しそうな実を綺麗に取るのはなかなか難しい。脚立の上に立つと、思いのほか高さを感じて膝がガクガク震える…。
「こえぇぇぇ~、ひえぇぇぇ~、虫がいたらどうしよ~」
とへっぴり腰で取っていたらお隣のおじさんが通りかかり、見るに見かねて手伝ってくれた。さすがペンキ職人さん!するすると木に登り、赤い実をポイポイ放ってくれる。瞬く間に200個ほど取れ、ご近所におすそ分けして喜ばれた。

農家のおじさんのことを、一人っ子のにゃんこは「畑のおじさん」と慕ってよく遊んでもらっていた。トラクターに乗せてもらったり、自転車の練習を見てもらったり、麦ふみのお手伝いをしたり…。畑のおじさんはだいぶ前に、バイパスをトラクターで横切っていてダンプにはねられ、突然帰らぬ人となってしまった。おじさんの優しい思いがつまった忘れ形見の柿の木、甘い実をつけてくれることに感謝して、これからも大切に大切にしていきたいと、一番大きな実を神棚に供えて手を合わせた。