日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(957)「象は鼻が長い。」の「述語計算」。

2021-08-18 18:51:57 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
{①&②}は、「矛盾」しない。
然るに、
(02)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
③ ある兎は、象である。
に於いて、
{①&②}&③は、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
とするならば、
③ ある兎が、象である。といふことはない。
然るに、
(04)
③ ある兎が、象である。といふことはない。
といふことは、
③ すべての兎は、象ではない。
といふ、ことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
とするならば、
③ すべての兎は、象ではない。
従って、
(05)により、
(06)
「記号」で書くと、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
であるならば、
③ ∀x(兎x→~象x)
然るに、
(07)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   カクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
①「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」 然るに、
②「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、
③「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「述語計算(Predicate calculus)」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)
①{象、机、本、桜}
②{象、兎、馬、猫}
に於いて、
① であれば、「(動物はどれですか)象が動物である。」と、言へるが、
② であれば、「(動物はどれですか)象が動物である。」とは言へない。
従って、
(10)により、
(11)
① 象が動物である。
といふことは、例へば、
①{象、机、本、桜}
に於いて、
① 象以外(机、本、桜)は動物ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(11)により、
(12)
① 鼻が長い。
といふことは、例へば、
①{鼻、耳、目、口}於いて、
① 鼻以外(耳、目、口)は長くない。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)により、
(13)
① 象は、鼻が長い。
といふことは、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふことに、他ならない。
従って、
(09)(13)により、
(14)
①「象は、鼻が長い。」然るに、
②「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、
③「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「述語計算(Predicate calculus)」としても、「妥当」である。
従って、
(08)(13)(14)により、
(15)
① 象は、鼻が長い。⇔
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(14)(15)により、
(16)
①「象は、鼻が長い。」然るに、「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当」であるとするならば、その一方で、
① 象は、鼻が長い。⇔ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(17)
①「象は、鼻が長い。」然るに、「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
① 象は、鼻長い。⇔ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。



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1 コメント

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ウィトゲンシュタインは… (原左都子)
2021-08-19 19:57:23
論理というものの、その「語り得なさ」を彼なりに特徴付ける。
 たとえば、世界が存在するとはどういうことか。 何故世界が存在するのか。
ウィトゲンシュタインにとっては、そもそもこの種の記号列は有意義な命題ではない、とする。 (中略)
論考の議論に従うならば、「ある」や「存在する」は、そもそも有意義な命題ではないことになる。
さすがに、19世紀以降の哲学者であるウィトゲンシュタインの哲学志向が、古代時代とは大幅に異なる事実を改めて思い知ります。
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