(01)
漢文には、しばしば置き字として接続詞「而」が現れるため、「而」の扱いに慣れておくことは、必須です。とはいえ、実のところ、「而」を含む文は、復文の方針が立てやすい。なぜなら、「而」があると、たいてい直前の送り仮名に接続詞「て」を付けて訓読することになっているからです(古田島洋介、こらならわから復文の要領、2017年、137頁)。
然るに、
(02)
従って、
(02)により、
(03)
① 兎走りて株に触れ、
であって、
① 兎走り而株に触れ、
ではないし、加へて、
② 竊かに語りて
③ 良や久しうして
④ 王韶之は少くして
⑤ 今臣不肖にして
⑥ 吏の賕を受けて
⑦ 遽かに其の舟に契みて
⑧ 是吾が剣の從りて
⑨ 水に入りて
⑩ 己に克ちて
⑪ 莊氏山於り出て
⑫ 蓋し民の役にして
⑬ 行きて
⑭ 馮婦臂を攘げて
⑮ 則ち請ふ余代りて
⑯ 晏子之を數めて
⑯ 蓋し民の役にして
⑰ 獨り學びてて
⑱ 其の子を愛して
⑳ 三世より逓にして
等に於いても、
② 竊かに語り而
③ 良や久しうし而
④ 王韶之は少くし而
⑤ 今臣不肖にし而
⑥ 吏の賕を受け而
⑦ 遽かに其の舟に契み而
⑧ 是吾が剣の從り而
⑨ 水に入りて而
⑩ 己に克ちて而
⑪ 莊氏山於り出而
⑫ 蓋し民の役にし而
⑬ 行き而
⑭ 馮婦臂を攘げ而
⑮ 則ち請ふ余代り而
⑯ 晏子之を數め而
⑯ 蓋し民の役にし而
⑰ 獨り學びて而
⑱ 其の子を愛し而
⑳ 三世より逓にし而
ではない。
cf.
例文の訓点は出題者の意図を尊重し著者において手を加えなかった。従って書き下し文もそれに応じている。
(小林信明 監修、重要漢文単語文例精解―入試文例数1000、1968年、まえがき)
従って、
(03)により、
(04)
「而」があると、たいてい直前の送り仮名に接続詞「て」を付けて訓読することになっているが故に、「而」を含む文は、復文の方針が立てやすい。
と言へるかどうかは、「はなはだ疑問」である。