日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(85)「括弧」と「返り点」の用法(略6)。

2018-09-08 16:24:07 | 訓読
(01)
① 彼立於門之前二時間。
① 彼立〔於(門之前)〕二時間。
に於いて、
① #〔 〕⇒〔 〕#
② #( )⇒( )#
といふ「移動」を行ふと、
① 彼立〔於(門之前)〕二時間⇒
① 彼〔(門之前)於〕立二時間=
① 彼〔(門の前)に〕立つこと二時間。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(02)
② He had been standing in front of the gate for two hours.
② He had『been「standing《in〈front{of[the‐gate〔for(two hours)〕]}〉》」』.
に於いて、
② #「 」⇒「 」#
② #『 』⇒『 』#
② #《 》⇒《 》#
② #『 』⇒『 』#
② #〈 〉⇒〈 〉#
② #{ }⇒{ }#
② #[ ]⇒[ ]#
② #〔 〕⇒〔 〕#
② #( )⇒( )#
といふ「移動」を行ふと、
② He had『been「standing《in〈front{of[the‐gate〔for(two hours)〕]}〉》」』⇒
② He 『「《〈{[〔(two hours)for〕the‐gate]of}front〉in》standing」been』had=
② 彼は『「《〈{[〔(2時間)の間〕門]の}前〉に》立って」ゐ』た。
といふ「英文訓読」が、成立する。
従って、
(01)(02)により、
(03)
例へば、
① 彼立於門之前二時間。
② He had been standing in front of the gate for two hours.
に於いて、それぞれの「括弧」は、
①      〔( )〕
②「『《〈{[〔( )〕]}〉》』」
であって、そのやうに、「漢文訓読」に対して、「英文訓読」は、「極端に多くの括弧」を、必要とする。
(04)
③ 2(5[3〔1)〕4]。
に於いて、
③ 5[ ]⇒[ ]5
③ 3〔 〕⇒〔 〕3
③ 2( )⇒( )2
といふ「移動」を行ふと、
③ 2(5[3〔1)〕4]⇒
③ ([〔1)2〕34]5=
③ 1 2 3 4 5。
といふ「ソート(並び替へ)」が、成立する。
然るに、
(05)
②[〔( )〕]
([〔 )〕]
に於いて、
② は、「括弧」であるが、
③ は、「括弧」ではない
然るに、
(06)
「返り点」は、
「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であって、
「横書き」であれば、「右から左へ、返る点」である。
従って、
(06)により、
(07)
③ 2<  3>1
といふ「順番」を含むところの、
 五   四
といふ「それ」は、「返り点」ではない。
然るに、
(08)
③ 端的看這婆子的本字
④ 西門慶促忙促急僭造不
といふ「白話文(中国語)」に付く「それ」は、以上のやうに、二つとも、
③ 二 五 三 一 四
④ 二 五 三 一 四
である。
cf.
完璧な口語表現である「~出来」という方向補語も、こうした複雑な訓点が付けられることで何とか訓読される。
(勉誠出版、続「訓読論」、川島優子、2010年、330頁)
従って、
(04)~(08)により、
(09)
例へば、
③ 端的看不出這婆子的本字来。
④ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
といふ「中国語(白話文)」に対しては、「返り点(括弧)」を加へることが、出来ない。
(10)
① 彼立於門之前二時間。
② He had been standing in front of the gate for two hours.
③ 端的看不出這婆子的本字来。
④ 西門慶促忙促急僭造不出床来。
に対する、
①      〔( )〕
②「『《〈{[〔( )〕]}〉》』」
は、「括弧」であって、
③     ([〔 )〕]
④     ([〔 )〕]
は、「括弧」ではなく
① レ 二 一
② 九 八 七 六 五 四 三 二 一
は、「返り点」であって、
③ 二 五 三 一 四
④ 二 五 三 一 四
は、「返り点」ではない