京女のハマリゴト

好きなこと、美味しい店、キャラ弁、アッチャー(°▽°;) な出来事など、主婦ライターが京都から発信する雑多な出来事!

介護とは時には何もできないこともある…

2006-10-09 21:47:33 | 母のコト
母が入院して10日が経つ。

入院して5日後、私の体調が良くなったので、お見舞いに行った時のこと。

父から意識がないぞ、と聞いていたので覚悟はしていたものの、

やはり、鼻にチューブを刺し、導尿までしている母を見るのは痛々しかった。

母に「来たよ~、私よ~」と声をかけても、何も返事がない。

返事というより、反応がない。

うっすらと目を開けて、空を見つめている感じ。

手をさすっても、足をさすっても、ただ、ゼーゼーと息をし、口からよだれを垂らしているだけ。

何だか無性に悲しくなってきて、泣いちゃった。

母がこんな姿になってしまったというより、もっといろいろとしてあげれば良かったと悔やむ気持ちで…。

このまま、こんな風に意識が戻らないんだろうか????と不安になっていたら、

主治医の先生がやってきた。

医「お母さんは今、肺炎を起こされています」

私「どうしてですか?」

医「おそらく、唾を飲み込んだりした時に誤飲されて、肺炎になったのだと思います」

私「…あの、意識は…?」

医「意識がないのは脱水から起ったミネラルバランスが崩れたためだと思います。今、ミネラルを調整する点滴を打っています」

私「すぐには戻らないのですか?」

医「時間がかかります。肺炎の方もあるので…」

私「………」

医「あの、お父様にもお伝えしていたのですが、肺炎はとても危険なのです。もしものことも頭に入れておいて下さい」

私…もしものこと…


もしも…というのは母の死のこと。もちろん、頭には入れていた。でも、やっぱり自分が意識するのと、医者から宣告を受けるのとは違う。

このまま意識が戻らないまま、母が死ぬのは辛いな…と思った。

でも、どうすることもできなかった。

母が癌治療で入院していた時は、まだまいたけの味噌汁を毎日運んだり、寒天料理を作ってもっていったりと気休めでも何かできた。

何より話したり、お風呂の介助ができた。

今は何もできない。

それが何より辛かった。

とっても無気力な気分になって病室をあとにした。。。。


介護とはやりたくないのにしなくちゃならないことがたくさんある場合と、

したくても何もできないことがある。

介護が大変な時はたまには開放されたいと思うのに、

何もできない時は何か少しでもしてあげたいと思う。

介護する人はそんな矛盾の中でいつも右往左往し、常に現実とは反対のことを望んでしまうのかもしれない。。。。。。





そして…先日。

これが最後かもしれないと、赴任先から帰宅していた旦那と子供たちを連れて見舞いに行った。

相変わらず、私の呼びかけには無反応だった母。

でも、子供たちが呼びかけると…

目を動かしてくれた。

明らかに、子供の方へ…。

少しばかりの希望を得た気がした。

子供の持つパワーってすごい。

みなぎる生命力が少しばかり母に注がれた感じがした。

少しずつ、少しずつ、意識を取り戻して欲しい。

子供たちも待っているから…。


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