最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

ブログ再開! お久しぶりです

2009-01-29 12:44:59 | Weblog
インプラントは欠損補綴の第一選択肢か?


これは、判りやすく言うと『歯を失って、治療をする時の治療方法で何が良いのか?』という事です。
1月25日(日曜日)。日本補綴歯科学会・西関東部会(大学の教授をはじめ専門医の学会)ならび神奈川県歯科医師会学術大会の合同学術学会が横浜で行われました。
この学会で、『前歯部欠損の審美と咬合を考える』というテーマで、生涯学習公開セミナーが開かれました。 つまり、前歯を失った時の見栄えや噛み合わせを考えてみようって事です。

このセミナーの審美のパートを私が講師として、私自身の診療を通じて、インプラントやブリッジの治療法の利点や欠点を考察して講演してきました。この講演の題名が『インプラントは欠損補綴の第一選択なのか』なのです。
(久しぶりのブログなので、文章が、固いですね)
咬合については、神奈川歯科大学の玉置教授がお話されました。

いま、多くの歯科医や患者さんも・・インプラントに希望を持って治療して、治療されています。 しかし・・。

一般的に、皆さん(歯科医も患者さんも)も、前歯のインプラントは最も難しい治療の一つだと知っています。
* 本当に前歯のインプラントは難しいのですよ!
じつは、前歯周辺の骨は溶けやすく、また細い為、適応するインプラントを埋入する位置や手術がとても難しく、結果、上手くいかない事も少なくないのです。
今、私の診療室に他院でのインプラントの失敗や感染や骨吸収から、悩んで来院される患者さんもいます。また、歯科医の先生も相談に来られます。

で、みなさん、ブリッジ(隣の歯を削って繋げる治療)って本当にダメですか? よく、ブリッジは8年しか持たないとか、インプラントは成功率95%とか。(HPで成功率100%ちかい歯科医院の標榜もありますよね。)
文献を真剣に調べてみました。その結果、失敗した治療から統計をとると、たしかに、8年前後で壊れるブリッジが多い結果になっています。しかし、本来のブリッジの生存率を現してはいないのです!!つまり、本来ブリッジはもっと長く持つものなのです(10年で90%15年以上経過は70%)
では、インプラントはいうと、たしかに生存率では、ブリッジより高い数値を示します。しかし、米国ハーバードの研究では、いろいろな条件(骨状況が悪い状況・骨移植や喫煙の患者さん)を含めた報告では、5年後の成功率は91%なのです。 良好な骨や良い条件では98%にちかい成功率を示すインプラント治療でも、歯槽膿漏や喫煙・生活環境・全身疾患を含めたデータでは、10年後の生存率はブリッジと変わりないのです。
もっと説明したいけど!!!

さらに、前歯のインプラント治療では、審美的問題(見栄え)の解決の為には、どうしても骨の移植や歯肉の移植も必要となる事が多く、その予知性(見栄えの長持ちや成功)には問題が大きいという結果でした。
* 歯科医の先生も詳しくお知りにないたい先生は、メール等でご連絡ください。

そんな事から、今、前歯を失った時、接着性ブリッジや従来のブリッジも含めて、患者さんも歯科医も、もう一度、何が一番良い方法なのか、一緒に考えてみてください。

無論、インプラント利点も十二分に判るし、患者さんの希望も判りますが、骨の移植や歯肉の移植といった本当に難しい手術を含めて行うインプラント治療。失敗したらやり直しも出来ないし、さらに大きな問題も起こす危険や場合もあるのです。
患者さんが受けようと医院や先生は、その技術や経験が豊富なのか、その結果の資料や、上手くいかなかった時のリカバリーの手術や方法も持っているのかをもう一度、考えてみてください。

なお、接着性ブリッジは、欠点もありますが、前歯では、隣の歯を削る量もとても少なく、最も安全で簡単な方法の一つと思いますよ。本当ですよ。


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