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ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界

2014年03月03日 | 国際 ヨーロッパ

マスコミに載らない海外記事

2014年2月28日 (金)

ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界

Mahdi Darius Nazemroaya

「モスクワへの道はキエフ経由: ロシアを脅かすクーデター」の抜粋

Global Research

2014年2月25日

ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界

東ヨーロッパ諸国の政策は、ウクライナ東部と南部ではロシア語が普及しているという事実によって、更に複雑になる。正確な人口に関しては論争が続い ている。ロシア語とウクライナ語の近さゆえ、ウクライナの一部の地域では、現地人が、実際に、ウクライナ語方言で話しているのか、ロシア語で話しているの か判断するのは困難だ。非常に混乱するのは、自分がウクライナ人なのか、ロシア人なのか、あるいは、どちらの言葉なのかの境界線が決して明確でないこと だ。

曖昧な言語の境界と、ウクライナ語もロシア語も、かつて一つの言語であったという事実は別として、民族的にウクライナ人である国民と、民族的にロシ ア人である国民の区別もあいまいだ。ウクライナ政府によれば、約30パーセントのウクライナ人は、ロシア語を第一言語か母語と考えており、ロシア語話者だ が、こうしたロシア語話者ウクライナ国民の、およそわずか半数が、実際は、民族的ルスキエ(ロシア系)だ。2004年に行われた社会学的研究で、ロシア語 話者の人数は、実際にはずっと多く、ロシア語とウクライナ語は実際にはほぼ同等に使われていることが明らかになった。

第一言語としてウクライナ語を話す少数派ロシア系さえおり、第一言語としてロシア語を話す、それよりずっと多くのウクライナ系がいる。多くのウクラ イナ国民は二言語を自由に話せ、ウクライナの多くの部分で、日常の言語や仕事用の言語として、ロシア語を好んで使う傾向もある。歴史的・社会学的過程で、 ウクライナ系の人が、ロシア系であることを選んだり、また逆に、ロシア系の人が、ウクライナ系であることを選んできた。質問されても、多くのウクライナ国 民は、自分がルスキエなのか、ウクライナ系なのかよく分からなかったりする。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の原因について何か記憶すべきことがあるとすれば、それは、一般市民の心を捉え、戦争支持へと操るべく、民族主義と 例外論の感情が、アヘン剤のように利用されたことと、日和見主義者の台頭だ。ウクライナの反政府派指導部は、支持者達の判断力を奪い、操る為、意図的に超 国家主義感情をあおり醸成した。ウクライナ民族主義、具体的には、西欧指向の親欧州連合のものが、不健全な反ロシア感情基盤と、欧州連合の文化的優位性 と、東スラブ人(とりわけロシア人だが、ウクライナ人とベラルーシ人も含む)の文化的劣等性というゆがんだ意識を基に形成されたのだ。

ウクライナ人とロシア人との間の様々な相似と、ウクライナ人かロシア人かという自己認識の複雑な関係が、反政府主流派を明確な反ロシア姿勢にさせて いるが、なかにはアドルフ・ヒトラーや、第三帝国や、そのソ連侵略を、あからさまに賛美する人々もおり、ウクライナ社会の結束や、ロシアやウクライナと国 境を接する他の国々との、キエフの将来の関係にとって、極めて危険だ。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-road-to-moscow-goes-through-kiev-how-the-protests-in-ukraine-transformed-into-a-coup-that-could-target-russia/5370479
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キオスクの前を通ると、会長氏、罷免がきまっているかのような見出し。名は体をあらわす。トップは全社をあらわす。大本営広報部の質を、直接具体的 に示す看板として、罷免どころが、最適ではないだろうか?視聴料を支払わっていないと言われている方と同様、大切にしなければいけない。まともな人が看板 になれば、てっきり良いものという誤解を招くだろう。

大昔、長年視聴料支払いをせずにいたが、小生不在中に、父親が勝手に支払ってしまって以来、惰性で続けている。

紙媒体のTPP推進社説にあきれる。無意味な精神論。具体的に、漏洩された条項の是非を論じたらいかがだろう。

今回記事の分量、全体では10倍はあるだろう。興味深い記事だが、全て翻訳するには余りに時間がかかる。今回は言語部分のみ、紹介させいただく。

全くでたらめではいけないだろうと、あわてて、書店で

  • ウクライナ語入門 中井 和夫
  • ウクライナ語基礎1500語 黒田 龍之助
  • 外国語の水曜日―学習法としての言語学入門 黒田 龍之助
  • スラヴ語入門 三谷 惠子 
  • ニューエクスプレス ウクライナ語 中澤 英彦
  • もっとにぎやかな外国語の世界 黒田 龍之助 

を、立ち読みさせていただいた。所要があり、ロシア語本は立ち読みできなかった。自慢ではないが、超短時間の立ち読み、何も覚えていない。語学というもの、購入し、じっくり読しなければ、基本的な理解も無理だろう。

かわりに、緊急性と、生活への直的関係から、『すっきりわかる!集団的自衛権Q&A』浅井基文著 大月書店 を購入。


2月28日(金) 「裏口」さえぶっ壊す「憲法クーデター」を許してはならない

2014年03月03日 | 政治

2月28日(金) 「裏口」さえぶっ壊す「憲法クーデター」を許してはならない [憲法]

 昨日の『しんぶん赤旗』の一面に、私のコメントが出ました。以下のようなものです。

 保守政治家や改憲論者からも安倍首相の解釈改憲強行発言に批判の声が上がる背景に何があるのか。法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授はこう指摘します―。
 「保守や改憲論者でも、民主主義や憲法がどうあるべきかという常識くらいは持っています。それをまったく理解していない安倍首相の異常さが際だっており、それへの驚きもあるのでしょう」とみます。
 同時に五十嵐教授は、憲法改定手続きを緩和する96条改定論をめぐってこの間「立憲主義とは何か」について一定の議論の積み重ねができていたことをあ げ、「96条改憲論は手続きを踏んで明文改憲をやろうというものでしたが、今回の場合は〝オレは選挙で選ばれたんだから、思うとおりやらせてもらう。イヤ なら次の選挙で落とせばいい〟という独裁的なで、裏口どころか裏口すらぶっ壊すようなものです。多くの人が 批判するのは当然のこと」と述べます。

 安倍首相はもともと改憲論者で、当初は9条の明文改憲を狙っていました。しかし、それが難しいとなると、改憲の手続き条項である96条を先ず変えて改憲発議の「ハードル」を下げようとしました。
 しかし、このような姑息なやり方は改憲論者である人々からも「裏口入学ではないか」と批判を受け、どの世論調査でも反対の方が多くなりました。国会での発議のために必要な賛成を三分の二から半分に引き下げようというのですから、それも当然です。
 正門からも「裏口」からも入るのは難しいと知った安倍首相は、いっそのこと門をぶっ壊して中に押し入ろうとしているようです。これが、今回の国会での 「オレは選挙で選ばれたんだから、思うとおりやらせてもらう。イヤなら次の選挙で落とせばいい」と言わんばかりの答弁でした。

 これは正規の手続きを踏まない実質的な改憲を意味しています。「解釈だけなら誰でも変えられる」と思っているのかもしれませんが、このようなことを許したら憲法の規範性がなくなってしまいます。
 ときの政権や首相の一存で解釈が変えられ、その意味合いが変更されることになれば、一体、何のために憲法が存在するのでしょうか。常に変わらぬ規範を示すものであるからこそ、憲法は国の「基本法」であり、最高法規としての位置を占めることができるはずです。
 これのような「憲法のイロハ」も分からず「民主主義や憲法がどうあるべきかという常識」がない点で「安倍首相の異常さが際だって」いるからこそ、保守政治家や改憲論者とされる人々からも、その発言に対する驚きや批判、異論が出されているわけです。

 前回のブログで、日本と日本人(もちろん、ほんの一部にすぎないと思いますが)は「ネオ・ナチ化」しつつあるのではないかと指摘しました。その先頭を走っているのが、この国のトップである安倍首相だと言うべきでしょう。
 この人の言動に励まされるような形で極右勢力が台頭し、諸国の人々を貶み排除するヘイト・スピーチやヘイト・デモが行われ、会長や一部の経営委員の誤った歴史認識に基づく「トンデモ発言」がなされ、果ては『アンネの日記』関連のに対する「焚書」事件が勃発したのではないでしょうか。
 社会の空気がドンドン変わっていき、「本当に戦争が起きるのではないか」と心配しなければならないような状況が生まれています。安倍首相がめざす集団的 自衛権行使容認のための憲法解釈の変更によって、このような空気は薄まるのでしょうか、それともますます濃くなっていくのでしょうか。

 同時に、このようなやり方の異常さに多くの国民が気づき、批判が強まっているという、もう一つの翼面も忘れてはなりません。それは「憲法改定手続きを緩和する96条改定論をめぐってこの間『立憲主義とは何か』について一定の議論の積み重ねができていた」からです。
 これは、安倍首相が「裏口入学」を試みて「96条先行改憲論」を打ち出したことによる「成果」であったと思われます。その意味を学ぶうちに、憲法とは国民ではなく時の為政者を縛るものであるという立憲主義に対する理解が深まりました。
 だからこそ、安倍首相のやろうとしていることが「憲法」にほかならないという本質を見破る力を身につけ、今回の言動の「異常さ」が際立って見えたのではないでしょうか。私もこの間、「9条の会」や革新懇などによる講演会や会に呼ばれて沢山話をしてきましたが、それは決して無駄ではなかったということになります。

 ボールは強い力で打ち付ければ、それだけ高く跳ね返ってきます。太鼓は強く叩けば叩くほど、大きな音が出ます。
 改憲をめざして、安倍首相ほど強く打ち付け強く叩く首相は、これまでいませんでした。だからこそ、それだけ強く跳ね返り、大きな音が出ているのではないでしょうか。
 これらの跳ね返りや音をさらに大きなものとし、できるだけ早期に安倍内閣を倒して解散・総選挙を実現したいものです。そして、「イヤなら次の選挙で落とせばいい」という首相の言葉に従って、次の選挙で政権からたたき落とすことが必要でしょう。


「ごちそうさん」で悠太郎の逮捕はなぜ?「爆弾は当たらない」などの宣伝で犠牲者を増やした歴史を直視

2014年03月03日 | いろいろ

「ごちそうさん」で悠太郎の逮捕はなぜ?「爆弾は当たらない」などの宣伝で犠牲者を増やした歴史を直視

水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター

2014年2月27日 13時26分

今週のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」。

戦時体制での政府や軍の愚かさや非情さを克明に描いている。

今週始めのドラマでは、戦時中に流れていたラジオ放送が登場したが、当時は実際にこんな放送が行われていた。

「空襲はさほど恐ろしいものではないと?」

「そうです。爆弾というものはそれほど当たるものではありません。むしろ防空活動をおろそかにして街を焼けるにまかせる方が恐ろしい。敵の思うツボですから」

東京を始めとする大空襲で大勢の市民が犠牲になった背景に、当時の政府による「無謀な」指示や指導があったことをうかがわせる。

今週の「ごちそうさん」は、実はテレビドラマの歴史上で画期的なものだといえる。

戦時中の政府や軍による「愚かな政策」によって、空襲における市民の犠牲者が膨大になってしまったという過去の歴史を直視し、空襲における国などの無策をこれほど明確に示したことはテレビドラマではかつてない。

「ごちそうさん」にも紹介されるが、戦時中の市民には「防空義務」というのがあった。空襲時には市民が一丸となって街の火消しに当たれ、というものだ。バケツリレーで水を渡していって消火に努める、というもので、これまでもドラマなどに登場している。

「空襲は恐るるに足りません。防空壕に避難したら、すばやく消火活動にいそしむこと」

これが市民の義務だった。

「ごちそうさん」では、このバケツリレーが本当の空襲では意味がなかったばかりか、数えきれないほどの市民が逃げ遅れる原因になったことを示唆している。

主人公のめ以子(杏)の夫の悠太郎(東出昌大)は、大阪市の防火改修課の課長。戦時には、建物を「疎開」する作業の責任者だ。「疎開」とは、火災や空襲などでの損害を減らすために、都市に集中する建物や住民を分散すること。

悠太郎がかかわる「疎開」は、建物を減らすことだ。

空襲の際の延焼被害を少しでも減らすため、住宅街に空き地を設けるように邪魔な住宅を「引き倒す」のが彼の仕事だ。

「疎開」に応じない住民に対して、「ならばあなたごと引き倒すまでだ」と言って住宅を破壊する指示を出す悠太郎。

「疎開の鬼」という異名を持つ。

建物を引き倒しても引き倒しても調整が難しく、地元の有力者の家は「疎開」からはずせという指示も来る。

 

本日2月27日の「ごちそうさん」では、その悠太郎が逮捕されたという知らせが、め以子に届く。

悠太郎は、軍主導の防空演習で実際に火災を発生させて水をかけて防火作業に入るという段階になって燃えているところにガソリンをまく。

「焼夷弾が降ってくるということは空から火が付いたガソリンが降ってくるようなもの。命が惜しかったらとにかく逃げろ。街は人を守るためにある。」

と言いながら。

彼の行為は、防空本部の通達に違反する行為だとしてその場で逮捕されてしまう。

それを知らされた妻のめ以子の言葉がぐっとくる。

「悠太郎さん、何も間違えてないやないですか。正しいことを教えようとしただけやないですか。街の人の命を守ろうとしただけやないですか。捕まらなあかんようなこと何もしてないやなんですか」

 

悠太郎はなぜ逮捕されたのか。その背景に「防空法」という当時の法律がある。

これを指摘しているのが、早稲田大学法学学術院の水島朝穂教授だ。

憲法改正などの問題について国内外の事情に詳しい憲法学の権威だ。

15年ほど前に水島教授がドイツのボン大学で研究している時に、テレビ局の記者としてインタビューをさせてもらったことがある。

 

それ以後、同姓のよしみで、「早稲田の水島さん」「日本テレビの水島さん」「法政の水島さん」などとメール交換しつつ、おつきあいさせていただいている。

その水島朝穂教授がまるで「ごちそうさん」の放送のタイミングに合わせるかのように、「防空法」についての本を出版した。

「検証 防空法 空襲下で禁じられた避難 」

出典:法律文化社のホームページ

法律文化社からの出版だ。

この本を紹介しているサイトで「防空法」と悠太郎の逮捕の関連が記されていて興味深い。

2014年2月第4週の放送で、ついに大事件が発生します。主人公の夫・悠太郎さんが逮捕されてしまうのです。   逮捕の理由は、「空襲に備える防空訓練で、火を消さずに逃げるよう指示した」というもの。この背景には、昭和16年に改正された「防空法」という法律がありました。   防空法は、「都市からの退去を禁止する」「空襲のときは逃げずに消火をせよ」という法律です(8条ノ3、8条ノ5)。 悠太郎の発言は、防空法に正面から歯向かうものだったのです。 今からすれば、市民の命を守るため当然の発言ですが、当時は許されなかったのです。

出典:おおさかネット「防空法」についてのホームページ

このホームページを読むと、知らなかった事実に触れることができる。

 

たとえば、空襲から逃げてはいけない、ということ。

逃げると非国民として処罰の対象になった、ということだ。

真珠湾攻撃による日米開戦の前日、昭和16年12月7日には、防空法に基づいて「国民には避難をさせない」とする内務大臣の通達が制定されました。   防空法に違反して退去した人には、最大で懲役6ヶ月または罰金500円が課せられます。この罰金は、当時の教員の給与9ヶ月分の金額です。   政府は、「避難した者は非国民だ。戻ってくる場所はない。」などの思想宣伝も流布しました。そして、「命を投げ出して消火活動をせよ、御国を守れ、持ち場を守れ」と指示したのです。   この方針は、東京や大阪が焼け野原になった昭和20年3月以降も変わりませんでした。 学童疎開や建物疎開は実施されましたが、それ以外は地方への転居が禁止されたのです。

出典:おおさかネット 「防空法」についてのホームページ

「空 襲はこわくない」などという無茶で無責任なことを当時の政府が国民に説明していた、という事実は、私も恥ずかしながら知らなかった。「防空法」という法律 で、住民が逃げることさえ禁止していた、ということも初めて知った。戦時中の「空気」のような同調圧力でそうなっていたのかなどと想像していたのだが、法 律で明記されていたとは驚きだった。

この本の中で書かれていることをまとめたQアンドAのホームページもある。

「空襲は怖くない」、「逃げずに火を消せ」  ―― 空襲被害を拡大した日本政府の責任を問う  法律文化社から出版された 「検証 防空法 ―― 空襲下で禁じられた避難」。 防空法制研究の第一人者・水島朝穂教授と、大阪空襲訴訟弁護団の大前治弁護士の共著です。

出典:おおさかネット 「検証 防空法」の紹介ページ

本 書の執筆は、「なぜ、空襲があると分かっているのに、日本の都市住民は逃げなかったのか」という疑問から出発しました。 筆者が見つけた答えは、「戦時中 の“防空法制”によって避難を禁止された」、「御国のために命を捨てて消火せよと強制された」というもの。 本書は、法律や資料の引用だけでなく、当時の 市民がおかれた状況を具体的にイメージできるよう記述しています。 掘り起こされた歴史的事実も盛りだくさんです。

Q1 大空襲を受けるまでは、政府も焼夷弾の怖さを知らなかったのでは?

たしかに、日本が本格的な空襲を受け始めたのは昭和19年6月の北九州空襲以降です(本書p.125)。

しかし、日本はもっと早くから中国への空爆を行っていました。昭和6年10月には錦州、昭和13年12月からは 重慶を空襲しており、空襲の威力を知っていました。昭和18年2月には、アメリカ製の焼夷弾(中国に投下された不発弾)を入手して爆発させる演習を行い、 約100メートル四方に火焔を噴射する焼夷弾の威力が確認されています(本書p.101)。

さらに科学者は、焼夷弾の消火はほぼ不可能だと指摘していました(本書p.90)。 政府は科学者の指摘も無視して、「空襲など怖くない。逃げずに火を消せ」と国民に指示したのです。

 

Q2 さすがに、戦争末期の東京大空襲の後は、「危険だから逃げてよい」と認めたのでは?

一晩で10万人の死者を出した東京大空襲(昭和20.3.10)。その被害を目の当たりにしながらも、政府は「都市からの退去禁止」の方針を変更しませんでした。

大空襲の4日後、貴族院議員・大河内輝耕は「火は消さなくてよいから逃げろ、と言っていただきたい」と帝国議会の質疑で政府に求めましたが、内務大臣は最後まで避難や退去を認めませんでした(本書p.202)。

その翌月、政府は、今後の疎開方針として、老幼病者、学童の集団疎開、建物疎開による立退き者だけは疎開を認めるが、それ以外の者の疎開は認めないことを閣議決定しました (本書p.78)。

 

Q3 地方に転居する「疎開」は認められていたのでは?

子どもたちが親から離れて地方に移住する「学童疎開」は、終戦時まで全国的に実施されていました。しかし政府は、あくまで成人は都市にとどまらせる方針をとっていました。

昭和18年から昭和19年にかけての閣議決定は、疎開の対象者を老幼病者や建物疎開に伴う立退き者などに限定し ていました(本書p.72)。 さらに、東京大空襲の直前、昭和20年1月には、防空実施のため必要な人員が地方へ転出しないよう国家総動員法の発動を含 めた強力な指導をする方針が閣議決定されました(本書p.75~76)。

そして、東京大空襲の翌月にも、疎開を制限する閣議決定が出されたのは「Q2」でみたとおりです(本書p.78)。

このように、都市の市民は空襲から逃れるため自由に疎開できる状況ではなかったのです。  

Q4  防空法は、「政府は退去を禁止できる」というだけで、直接には退去が禁止されていなかったのでは?

たしかに防空法8条ノ3は、退去を「禁止できる」と定めるだけでした。しかし、真珠湾攻撃の前日、昭和16年12月7日に内務大臣が発した通達(当時は「通牒」といいました)には、国民を退去させないという指導方針が明記されていました(本書p.54~57)。

法律と政令と大臣通達(通牒)。この3つの法規を通じて、国民は都市からの退去を禁止されたのです。

こうした法規だけでなく、空襲は怖くないという情報操作(本書p.110)と、隣組を通じた相互監視(本書p.153) によって、国民が「逃げたいと思わない」または「逃げたくても逃げられない」という体制が作られました。

 

Q5 消火活動によって生命を守れたのは事実では?

政府は大空襲に備えた十分な消防車やポンプ設備を整備しませんでした(本書 p.122)。 国民は、効果のない「バケツリレー」などの防空訓練をさせられ、命がけの消火活動を命じられました(本書 p.86)。

さらに政府は、「長さ1mのハタキで火を消せる」(本書p.93)、「手袋をはめれば焼夷弾を手でつかんで投げだせる」(本書p.98)など非科学的な宣伝を繰り返し、市民が空襲の猛火に飛び込んで消火活動に敢闘するよう指示しました。

政府自身が「命を投げ出して国を守れ」という防空精神を国民に流布したように(本書p.50)、およそ防空法制は市民の生命を守るものではなく、生命を犠牲にさせるものだったのです。  

手袋で焼夷弾を掴め、という新聞記事

Q6 市民は、防空壕を掘って身を守ることができたのでは?

もともと政府は、防空 壕を掘る場所は庭や空き地にせよ、堅固な材料を用いて強度を確保せよと指示していました。ところが昭和16年の防空法改正と日米開戦と同時期に、政府は方 針を変更して、「防空壕は簡易なものでよい、床下に穴を掘りなさい」と国民に指示しました(本書p.136)。

政府刊行書には「防空壕は床下に作った方が、焼夷弾の落下がすぐ分かり、直ちに消火出動できる」などと記載されていました(本書 p.142)。 こうした政府方針のもと、大型の公共防空壕の建設は不十分のまま、各家庭に危険な防空壕が作られてゆき、家屋の崩壊による生き埋めや窒息 による膨大な犠牲者が生じたのです。

この本について水島朝穂教授自身は以下のように紹介している。

本書の特徴を一言であらわせば、東京大空襲10万をはじめとする全国で60万以上の空襲被害者のなかには、「逃げれば助かったのに、現場にあえてとどまっ たために亡くなった人たちがいたのではないか」という疑問を、当時の法制度の検討から構造的に明らかにしようとした点である。空襲被害者は米軍の爆撃に よって生まれただけではなかった。そのなかには、国によって作られた「逃げられない仕組み」があった。それが防空法である。 防空法は日中全面戦争の年、1937年4月5日に制定され、当初は「防空演習」に法的根拠を与えることに主眼が置かれた。NHKの連続テレビ小説「ごちそ うさん」第19週(2月12日放映)では、主人公が防空演習(バケツリレーで焼夷弾を消す)に遅刻し、水をかけられるシーンが出てくる。やがて防空法8条 で義務づけられる「燈火管制」も出てくるのだろう。ちなみに、「ごちそうさん」では、主人公の友人の夫(作家)が自作『おでん皇国戦記』をラジオで読むと いうシーンもある(おでんは戦争の象徴か、平和の象徴か)。この週では、国防婦人会や特高警察の甘い描き方が疑問だが(『母べえ』同様に)、主人公の夫が 防火改修課へ異動となるなど、今後の展開のディティールに注目したい。

出典:水島朝穂のホームページ「平和憲法のメッセージ」

東京大空襲の後も「防空法」がそのまま生きていて、地方への避難も禁止されていたという。

現在、政府・自民党は、秘密保護法が成立した後は、「国家安全保障基本法」の成立を検討している。

有事(=戦争状態)などの際に、国や地方自治体、国民を挙げて安全保障に取り組むための法整備が着々と進められつつある。

そういう時に、私たちは「防空法」というかつての法律がどう機能したのかをちゃんと検証しなければならない。

 

ドラマ「ごちそうさん」での悠太郎の逮捕は、実はきわめて現代的な日本人に対する問いかけだったのだ。

 

筆者はいいトシをして前作「あまちゃん」にすっかりハマってしまった。東日本大震災の描き方が等身大だったりで引き込まれていった。

続く「ごちそうさん」は戦時中を描く。いやいやなかなか、こちらも奥が深い。

水島宏明

法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター

1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー 『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロン ドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレク ターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ 親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科 学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。


ロシア軍艦がキューバに、入港の事実伏せる異例の事態

2014年03月03日 | 国際 中南米

(CNN) ロシア海軍の戦闘艦船1隻が2日までに、キューバのハバナ港に停泊していることがわかった。キューバ政府は同艦の入港の事実を発表しない異例の事態ともなっている。

対空ミサイルや30ミリ機関砲などで武装する同艦のキューバ寄港は、フランス通信(AFP)が最初に報じた。

同艦の寄港の目的などもわかっていない。キューバは米南部フロリダ州マイアミから約322キロ離れている。

旧ソ連はかつて、反米路線の共産党統治が続くキューバに大規模な軍事、財政支援を行った。

米国とロシアは現在、混迷するウクライナ情勢をめぐり軍事介入などの是非で対立を強めている


(報われぬ国)皆保険、こぼれ落ちる人々 国保・年金…

2014年03月03日 | 政治

 帰宅を急ぐ会社員らで混雑し始めた夕方、東京のJR新宿駅前でショウタ(23)はせわしなくポケットティッシュを配っていた。

 「保険証? 持ってない」。鹿児島県の高校を卒業後、上京して機械メーカーの社員になったが、仕事になじめず、1年ほどで辞めた。公的な医療保険は会社の健康保険に入っていたが、今は国民健康保険だ。

 しかし、アルバイトをかけ持ちして稼ぐ月20万円ほどは家賃や生活費に消え、保険料は払っていない。「今は若いから。いずれ必要だから、25歳ごろには正社員に戻りたい」

 能登半島にある石川県七尾市に住む男性(59)は昨年夏、みぞおちに痛みを感じて病院へ駆け込んだ。「胃がん」と告げられた。

 窓口に出した国民健康保険証の有効期間は13日しかなかった。保険料を長く滞納してきたため、普通の1年間有効の保険証はもらえず、保険料の一部として千円ほど払って市から渡された「短期保険証」だ。

 手術などで数十万円。病院から医療費の自己負担を軽くする制度を教えられ手続きしたが、通らなかった。「生活保護に入れば無料になる」ともアドバイスされ、やむなく申請した。

 バブルのころ、9人の職人を抱える親方として建設作業を指揮していた。だが、バブル崩壊で仕事がなくなり日雇いなどで暮らすうち、50歳前から保険料を滞納するようになった。

 久々に保険証を手にしたのは3年前にあばら骨を折った時だ。市に相談すると短期保険証を渡され、その後は必要な時に千円ほど払って短期保険証をもらい、診察を受けてきた。「若い時は病気もけがもしなかったからなあ」。男性は「無保険」の苦労を背負う。

 日本はすべての国民が公的医療保険を使って治療を受けられる「国民皆保険」の国だ。だが、保険料を払えずに皆保険制度からこぼれ落ちる人が相次ぐ。

 ■年金保険料は払ってきたが…

 昨年8月、名古屋市個室ビデオ店で働く男性(42)は、胆囊(たんのう)炎で緊急入院した。国民健康保険を使おうと区役所に相談すると、長く保険料を滞納しているので過去2年分の半分を支払わなければ短期保険証も出せないという。仕方なく、実家に頼んで工面し、有効期間が1カ月の短期保険証を受け取った。

 大手企業の正社員として17年間働いたが、離婚などをきっかけに辞めた。その後は派遣社員としてシャープデンソーなどの工場で製品の箱詰めをしてきた。それも2008年秋のリーマン・ショックで辞め、個室ビデオ店で働き始めた。

 派遣社員は原則として、労働時間が週30時間以上あれば派遣会社が健康保険や厚生年金に入れなければならない。だが、短時間の仕事が多くて対象にならず、国民健康保険国民年金の保険料も払わなかった。

 男性は退院後も、月1回は病院に通う。毎月、区役所に行っては滞納してきた保険料を分割して払いながら、1カ月の短期保険証を受け取る生活が続く。

 さらに心配なのは年金だ。国民年金厚生年金といった公的年金は原則として通算25年以上は保険料を払わないと、高齢者になってから年金を受け取れない。正社員時代の17年間は払っていたので、あと8年分をなんとか払いたいが、いまはそんな余裕がない。

 「なんとか早く退院させてもらえませんか」。昨年12月、金沢市の病院窓口で夫(46)の退院を求める妻(56)の姿があった。

 夫は自転車で転んで太ももの骨を折り、入院していた。だが、コンビニエンスストアの深夜バイトをする夫が働かないと、暮らしていけない。病院に理解してもらい、夫は退院した。

 夫婦は派遣社員としてテレビ部品の工場などで働き、山梨、滋賀、石川県を転々としてきた。今は転職を強いられる派遣を辞め、夫がコンビニ、妻が清掃の仕事をして生計をたてる。

 2人で月25万円ほど収入があったが、6万円近い家賃や生活費でかつかつになる。夫が痛風なので月1万6千円の国民健康保険の保険料は払ってきたが、同じくらい保険料がかかる国民年金はあきらめた。

 退院後、夫は杖をついてコンビニに出るが、以前のようには働けず、今年1月は3万円、2月は7万円しか稼げなかった。「税や保険料を払うために働いているようで。本当は年金も払いたい」。妻は言う。

 公的な医療保険や年金は年をとるにつれて大切になる。名古屋市に住む元タクシー運転手の大道弘さん(66)はそれを痛感する。

 12年暮れに肝硬変と診断され、入院した。タクシー会社は定年になっていたが、アルバイトで運転し、月5万~6万円を稼いでいた。厚生年金も月10万円弱あったので、一人暮らしには十分だと思っていた。

 しかし、定年後に国民健康保険に入り直す手続きをしなかった。そのため、医療費をすべて自己負担しなければならなくなった。貯金が底をつき、年金では医療費を払いきれず、生活保護を受けることになった。

 「自分の責任だが、年金の保険料を払ってきた意味がなくなってしまった」。大道さんは医療保険と年金がそろわないと老後を送れないと感じる。(鳴沢大、松浦新

 ■低所得者に厳しい負担

 公的医療保険に入っていれば、病気やけがで治療を受ける際に自分で払う費用は、70歳未満は原則3割で済む。大手企業の社員らが入る「健康保険組合」、中小企業の社員らが入る「協会けんぽ」、市区町村が運営する「国民健康保険」などがあり、国民皆保険を支えている。

 しかし、国民健康保険は 加入者約2千万世帯のうち保険料の滞納世帯が2割近い約370万世帯に達する。とくに滞納が長い人は通常の保険証を使えず、市区町村が主に1カ月、3カ 月、6カ月の短期保険証を出す。短期保険証で暮らす世帯は高齢化や非正規労働の増加などで1990年代の十数万世帯から今は約120万世帯にふくれあがっ た。

 国民健康保険の加入者は、年金で暮らす高齢者など無職の人が約43%、非正規労働で働く人が約36%、自営業者が約15%、農家などが約3%。所得に対する保険料の負担率は、企業が保険料の半分を出す健康保険組合協会けんぽの平均が5%なのに対し、約10%と高い。

 一方、公的年金は65歳から受け取るため、若いうちは保険料支払いを後回しにしがちだ。会社員らが入る厚生年金は給与から天引きされるが、非正規労働者や自営業者らが入る国民年金は4割以上の世帯が年金保険料を滞納している。

 本来は通算25年以上保険料を払わないと年金をもらえないが、05年には若年者納付猶予制度がつくられ、30歳未満で所得が低い人などは最大10年間は支払いが猶予される。さらに厚生労働省は今国会で、50歳未満まで拡大する法案を提出している。バブル崩壊後に増えた非正規労働者の年齢が上がっているためだ。

 ただ、国民年金の保険料を滞納している世帯は年収200万円未満が半分近い。猶予を受けても残りの期間の保険料を払うのは大変だ。保険料の支払いが少ない分、年金も少ない。高齢者になって暮らしていけず、生活保護を受ける人が大量に出るおそれがある


揺れるウクライナ:露への難民急増

2014年03月03日 | 国際 ヨーロッパ

毎日新聞 2014年03月03日 東京朝刊

 【モスクワ田中洋之】混乱が続くウクライナからロシアに避難する人が急増している。ロシア連邦移民庁に よると、1~2月にロシアに入国したウクライナ人は計67万5000人。ウクライナに隣接するロシア南部のロストフ州とクルスク州では、2月のウクライナ からの入国者数が前月比でそれぞれ53%、71%増加した。

 また、ロシアへの亡命を申請するウクライナ人も増えており、2月後半の2週間で約14万3000人に上ったという。ウクライナの混乱が続けば、難民の数が急増するとみられ、ロストフ州などでは受け入れ施設の確保を進めている。


クローズアップ2014:ウクライナ軍事介入へ 「脱ロシア」に警戒感

2014年03月03日 | 国際 ヨーロッパ

毎日新聞 2014年03月03日 東京朝刊

 ロシア上院が1日、プーチン大統領によるウクライナへの軍部隊派遣要請を承認したことで、ヤヌコビッチ 前大統領の追放で混乱が続くウクライナ情勢は、一気に軍事衝突の懸念が高まった。プーチン政権は黒海艦隊基地など重要な戦略拠点維持のため一歩も引かない 構えだが、対するウクライナ新政権や欧米は警戒態勢強化や対露非難以外に具体策を持たず、緊張緩和の道は遠い。

 ◇新政権の過激行動抑止

 「平和の祭典」ソチ冬季五輪を終えたばかりのプーチン大統領は、対ウクライナで武力侵攻も辞さない姿勢 を鮮明にした。欧米寄りのウクライナ新政権を揺さぶる作戦だ。ロシアは今回の政変を欧米が主導したとみており、自らの勢力圏とみなすウクライナへの「内政 干渉」に断固反対をアピールする意図もある。

 「ウクライナ東部と(南部)クリミアで暴力が拡大した場合、ロシアの権益とロシア語を話す住民を保護す る権利を持つ」。プーチン大統領は1日、オバマ大統領との緊急電話協議でこう断言した。ロシアが最も恐れるのは、歴史的かつ戦略的に重要なクリミアが無法 状態に陥ることだ。政変でクリミア自治共和国が分離・独立志向を強め、新政権との間で対立機運が高まっている。民族衝突に発展する危険もあり、その治安維 持が派兵の主目的だ。

 またロシアは、ウクライナ新政権がロシア語を公用語扱いとする法律を破棄するなど「脱ロシア」化し、政 権内に民族主義政党や極右連合が参画していることを憂慮する。事実、極右連合「右派セクター」指導者、ヤロシュ氏は、ロシアがテロ容疑者として追うイスラ ム過激派、ウマロフ司令官に対ロシア闘争の活発化を呼び掛ける「挑発」を行った。今後、黒海艦隊駐留協定の見直しが浮上しかねず、新政権の「過激行動」抑 止もロシアの目的だ。

 ロシアのチュルキン国連大使は1日、ヤヌコビッチ氏の追放につながったウクライナの反政府デモで「欧米政治家が参加し継続を鼓舞した。内政干渉だ」と批判。政変を欧米主導の「政権転覆」と見る。

 一方でロシアは政治的解決策として、2月21日にヤヌコビッチ氏と当時の野党指導者らで合意した憲法改正や繰り上げ大統領選などの履行を求める。だが新政権は「ヤヌコビッチ氏が約束を破った」との立場だ。

 2008年のグルジア紛争に軍事介入したロシアは、南オセチアとアブハジアの独立承認に踏み切った。クリミア派兵がどんな激変をもたらすのか。ウクライナ新政権側の出方もあり、見通しは立たない。【モスクワ田中洋之】

 ◇米欧、対抗策乏しく

 ロシアの軍派遣決定に対し、「標的」のウクライナ新政権や後ろ盾の米欧は有効な対抗策を持たない。ウク ライナに「戦闘能力の高い部隊はない」(旧野党第2党「ウダル」のクリチコ党首)のが現状で、侵攻を押し返すのは困難。想定外の決定に動揺する米欧も、今 のところプーチン政権を「国際法違反」(オバマ大統領)などと非難するのが精いっぱいだ。

 「全軍は戦闘準備態勢に入れ」。ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は1日命令し、領土保全で実力行使も辞さない構えは示したが、本音は外交解決だ。

 ウクライナ軍は財政難で装備不足。ロシア軍とされる部隊が展開した南部クリミア自治共和国に国軍の姿は見られず、地元政府幹部はAP通信に「武装解除されたか(親露)住民側に加わった」と語った。

 ウクライナ中央政府のヤツェニュク首相は「ロシア語を話す住民も保護する」と述べ、侵攻回避に躍起。デシツァ外相が北大西洋条約機構(NATO)に領土と主権の保護検討を求めるなど、欧米中心の国際社会が頼みの綱だ。

 だが「軍事介入には代償が伴う」とのオバマ大統領の警告は翌日の軍派遣決定で無視された。オバマ大統領は仏加首脳らと電話協議し「ロシア包囲網」構築を図るが有効性は疑問。国連安保理は連日対応を協議中だが、ロシアに拒否権があり打開策は期待できない。

 欧州連合(EU)は、親露のヤヌコビッチ氏の逃亡で「ロシアは敗退した」(西欧の高官)との楽観を一時抱いた。だがプーチン政権の強硬策に打ち砕かれ、具体策は3日の外相会合待ちだ。

 EUは先月末、前倒し大統領選などの政治合意をヤヌコビッチ氏、野党指導者と結んだが、その後の政変で 無視された。だが、EUは民主的選挙で選ばれたヤヌコビッチ氏を放逐した野党指導者を支持。巨額の財政支援の用意も示した。この「矛盾外交」が、EUは勢 力圏拡大でウクライナに接近したとのロシアの疑いを招き、今回の強硬手段を招いた可能性もある。【キエフ篠田航一、ワシントン及川正也、ブリュッセル斎藤 義彦】

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ロシア黒海艦隊のミサイル巡洋艦「モスクワ」=2008年8月、ウクライナ南部クリミア半島セバストポリ(EPA=時事)

 【モスクワ時事】ウクライナの独立系通信社UNIANは28日までに、ヤヌコビッチ前大統領がクリミア半島セバストポリからロシア黒海艦隊のミサイル巡洋艦「モスクワ」で24日に国外に脱出したと伝えた。艦隊の複数の筋が明らかにしたという。
 モスクワはソチ冬季五輪の警備のため、ソチ沖の黒海に配備され、五輪閉会式翌日の24日昼すぎにセバストポリの母港に戻った。当初は同港に待機する予定だったが、給油後、同日夕に慌ただしく出港した。(2014/02/28-15:20)


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1日、ウクライナ南部クリミア半島南西部セバストポリに展開する正体不明の武装集団(AFP=時事)

 親ロシア派住民の多いウクライナ南部クリミア半島に2月末、突如出現し、空港などを占拠した謎の武装集団について、ロシア政府と契約関係にある民間軍事会社の要員であるとの見方が米国内の報道で出ている。(2014/03/02-23:29)


米、軍事手段検討せず=「ロシアはクリミア掌握」-ケリー長官、キエフ訪問へ

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 【ワシントン時事】米政府高官は2日の電話記者会見で、ロシアのウクライナ軍事介入への対抗措置 に関し、政治経済・外交手段に焦点を置き、軍事的選択肢については現時点で検討していないことを強調した。高官は「目標はウクライナの領土保全であり、緊 張の緩和だ」と主張した。
 また、ロシア部隊がウクライナ南部のクリミア半島を「完全に掌握している」との認識を示した。米側は、予定されていたロシアとの経済関係会合への出席を既に取りやめたという。
 政府高官は、オバマ政権が当面取り得る措置として、主要国と協力して経済的にロシアの孤立化を図り、ウクライナ政府支援を強化すると説明。ケリー国務長官が4日にウクライナの首都キエフを訪問することも明らかにした。(2014/03/03-08:39)


海軍総司令官は「国家反逆」容疑=無抵抗で武装解除-ウクライナ

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 【モスクワ時事】ウクライナ国家安全保障・国防会議のシュマル副書記は2日、親ロシア派のクリミア自治共和国に寝返ったベレゾフスキー海軍総司令官について、最高検察庁が「国家反逆」容疑で捜査を開始したと明らかにした。キエフで地元記者団に語った。
  副書記によると、ベレゾフスキー氏はクリミア半島南部セバストポリで、「ロシアの部隊が参謀本部を包囲した際、抵抗せず武装解除に応じた」ことを理由に総 司令官を解任されたと述べた。また、ウクライナ海軍は国防相の指揮下で任務を継続中だと主張した。(2014/03/03-06:06)


ロシア、クリミア占領拡大=ウクライナ海軍司令官投降-拠点次々包囲、無血掌握狙う

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 【モスクワ時事】ウクライナ南部クリミア半島では2日、ロシア側がウクライナ側の武装解除を進 め、軍事占領を拡大した。ウクライナ軍拠点はロシアの部隊に包囲されているとみられる。こうした中、ウクライナ海軍の総司令官が投降し、親ロシア派のクリ ミア自治共和国に忠誠を誓ったとされ、親欧米派の中央政府に打撃を与えた。
 ロシア・メディアによれば、投降したのはウクライナ海軍のベレゾフス キー総司令官。1日にトゥルチノフ大統領代行によって総司令官に任命されたばかりだった。半島南部セバストポリの海軍参謀本部前にロシアの特殊部隊が到着 した後に投降したもようだ。自治共和国のアクショノフ首相は総司令官の帰順を受け入れ、総司令官率いる「クリミア海軍」を創設すると発表した。
 ロシア側は圧倒的な軍事力を背景に、ウクライナ軍将兵が大量に投降していると宣伝する「情報戦」を仕掛けている。ウクライナ将兵の厭戦(えんせん)気分を高め、無血でのクリミア半島完全掌握を目指しているとみられる。(2014/03/03-06:04)