3年 宮岡利佐子
私は春夏秋冬それぞれの空気の匂いやその季節の雰囲気を体で感じるのが好きだ。自然が好きで、特に家の近くの田んぼと川、景色が綺麗な広場が私のお気に入りスポットである。そこには、カモやカエル、コイ、スズメ、ハトなどのどこでも見られる動物はよく見るが、森の中に住むようなシカやサル、カモシカなどの野生動物はほとんど見たことがなかった。しかし、野生動物学研究室に入ってから山に行くことが多くなり、青々とした森林の中で風を感じたり、鳥やセミの声を目を閉じて聞いてみたり、さらに野生動物も見るなど、これまでは体験しないことを体験できるようになった。その意味で、とても幸せな環境に足を踏み入れたなと感じている。
8月の最初に野生動物学実習として神津牧場へ行ってシカのライトセンサスをした際に、多くのシカと3頭のイノシシの子どもを見ることができた。丘の向こう側にいたシカは遠くからしばらくこちらをじっと見つめると、左右に分かれて、片方は奥の森に逃げていき、もう片方は勢いよく走り、力強くフェンスを跳び超えていった。私はその光景を見つめながら、「こんなに高いフェンスをみんな跳べるのだな…さすが野生だな。」と感動していた。ところが、最後の1頭だけはタイミングを逃したのか踏み切れず、慌てて引き換えし奥の森へと消えていった。その姿はとても可愛いらしく、野生動物でもやはりそういう時もあるのだなと、なんだか微笑ましかった。
また、イノシシはまだとても小さく、体には縞模様もあった。このイノシシたちは、ライトを照らされた瞬間何が起きたのか分からないといった様子で一瞬固まり、状況が分かると慌てて逃げていった。その行動は子供らしくとても可愛かった。こんなに一瞬の時間でも野生動物の色々な行動を見られたのだから、動物の行動を研究している方々は、きっとさまざまな状況に出くわすのであろう。
私はこの研究室に入室する前まで、「動物を見る」ということは、このように実際に自分の目で見て行動や体の形や色など、動物そのものを見ることだと思っていた。しかし、今私が研究しているホンドテンの食性調査は、実際にテンを見ることはなかなかできないが、糞を採集し、それを分析することで、間接的にテンのことを知ることができる。どういう所で糞をするのか、どういう物を食べているのかなどを見たり考えたりすることも、間接的ではあるが「動物を見る」ということなのだと思うようになった。そのように「見る」ことは、直接見ることからはわからない、テンの生活の内容に踏み込むこともできることがわかった。
私はこの研究室に入室し、動物を見るというのは、直接見るだけではなく、調べることでも動物の生活を垣間見ることができるのだということがわかってきた。そのことで自然を見る視野が少し広がったと感じている。
私は春夏秋冬それぞれの空気の匂いやその季節の雰囲気を体で感じるのが好きだ。自然が好きで、特に家の近くの田んぼと川、景色が綺麗な広場が私のお気に入りスポットである。そこには、カモやカエル、コイ、スズメ、ハトなどのどこでも見られる動物はよく見るが、森の中に住むようなシカやサル、カモシカなどの野生動物はほとんど見たことがなかった。しかし、野生動物学研究室に入ってから山に行くことが多くなり、青々とした森林の中で風を感じたり、鳥やセミの声を目を閉じて聞いてみたり、さらに野生動物も見るなど、これまでは体験しないことを体験できるようになった。その意味で、とても幸せな環境に足を踏み入れたなと感じている。
8月の最初に野生動物学実習として神津牧場へ行ってシカのライトセンサスをした際に、多くのシカと3頭のイノシシの子どもを見ることができた。丘の向こう側にいたシカは遠くからしばらくこちらをじっと見つめると、左右に分かれて、片方は奥の森に逃げていき、もう片方は勢いよく走り、力強くフェンスを跳び超えていった。私はその光景を見つめながら、「こんなに高いフェンスをみんな跳べるのだな…さすが野生だな。」と感動していた。ところが、最後の1頭だけはタイミングを逃したのか踏み切れず、慌てて引き換えし奥の森へと消えていった。その姿はとても可愛いらしく、野生動物でもやはりそういう時もあるのだなと、なんだか微笑ましかった。
また、イノシシはまだとても小さく、体には縞模様もあった。このイノシシたちは、ライトを照らされた瞬間何が起きたのか分からないといった様子で一瞬固まり、状況が分かると慌てて逃げていった。その行動は子供らしくとても可愛かった。こんなに一瞬の時間でも野生動物の色々な行動を見られたのだから、動物の行動を研究している方々は、きっとさまざまな状況に出くわすのであろう。
私はこの研究室に入室する前まで、「動物を見る」ということは、このように実際に自分の目で見て行動や体の形や色など、動物そのものを見ることだと思っていた。しかし、今私が研究しているホンドテンの食性調査は、実際にテンを見ることはなかなかできないが、糞を採集し、それを分析することで、間接的にテンのことを知ることができる。どういう所で糞をするのか、どういう物を食べているのかなどを見たり考えたりすることも、間接的ではあるが「動物を見る」ということなのだと思うようになった。そのように「見る」ことは、直接見ることからはわからない、テンの生活の内容に踏み込むこともできることがわかった。
私はこの研究室に入室し、動物を見るというのは、直接見るだけではなく、調べることでも動物の生活を垣間見ることができるのだということがわかってきた。そのことで自然を見る視野が少し広がったと感じている。